Another One Pecks the Cat

ホークアイのなんか
1
前へ 1 ・・ 5 6
イナバシアヤカ(下水のすがた) @ayaka_inabashi

「レディ・榎子が今も無事である根拠は?」「おれはイワサキの“草”だからだ」「……成程」自分の仕事(R:スタイル)に誇りを持つ男ってわけか。この街では何よりも信用に値する一言だ。 #126

2018-06-14 21:01:12
イナバシアヤカ(下水のすがた) @ayaka_inabashi

「OK、分かった」両羽をひらひらと振る。「そろそろ下ろしていいか?」「……構わん」「メルシー」 #127

2018-06-14 21:02:03
イナバシアヤカ(下水のすがた) @ayaka_inabashi

俺は周囲をちらりと確認する。ヒトの気配はない。(あったらコイツは襲ってこなかっただろうが)「しかし、レディ・榎子を保護とはね。まるで誰かに狙われているような口振りだな。ただのティーンエイジャー……未満、の少女だぜ?」 #128

2018-06-14 21:04:28
イナバシアヤカ(下水のすがた) @ayaka_inabashi

「……おれがそれを話す理由はない」「ああ全くだ。ご立派な愛社精神だと思うぜ……ところで」さて、思わぬ所で思わぬものが“武器”になる。このN◎VAではよくある事だ。 #129

2018-06-14 21:04:43
イナバシアヤカ(下水のすがた) @ayaka_inabashi

「俺は千早重工の機密情報をひとつ持っている」「……」「正確にはまだ手に入ってるわけじゃない。依頼の成功報酬に含まれてるんだが……この先はわざわざ口に出すのは野暮だな」男はまたも考える素振りをする。 #130

2018-06-14 21:06:21
イナバシアヤカ(下水のすがた) @ayaka_inabashi

「……あの少女は」男は口を開き、顛末を淡々と説明し始めた。交渉成立ってわけだ。「ヘイロンの下部組織の取引現場を偶然目撃した」「そりゃあ……ハッキリ言って予想外だ」俺は懐からタバコを取り出し、火をつける。 #131

2018-06-14 21:24:07
イナバシアヤカ(下水のすがた) @ayaka_inabashi

「その“組織”自体は単なるチンピラの集団だ。だが最近、ドラッグの販売をするようになった……そして、うちのエグゼクが何人か顧客になっている」ちんぴら、ドラッグ、エグゼク。思い当たる節がある。 #132

2018-06-14 21:26:44
イナバシアヤカ(下水のすがた) @ayaka_inabashi

自然とミスター・アズマの件を思い出した。状況が一致している。ストレス社会で戦うビジネスマン達にドぎつい“栄養剤”をプレゼント、ってわけだ。そしてヤツらには千早もイワサキも関係ない、と。 #133

2018-06-14 21:26:54
イナバシアヤカ(下水のすがた) @ayaka_inabashi

「つまり……“組織”を潰せば、おイタをしたエグゼクたちへ見せしめになる。千早に貸しを作ることも出来る……って具合か」「そうだ」だいたい繋がったな。そしてレディ・榎子は口封じをされる危険がある。そうなれば証拠がなくなる。保護するのは妥当な判断だ。 #134

2018-06-14 21:28:13
イナバシアヤカ(下水のすがた) @ayaka_inabashi

「その“組織”の本拠地は割れたのか?」ふー、と煙を吐く。男はやや眉間に皺を寄せた。ニオイがつくのを気にしてるのか……と思ったが、どうやらそうではないらしい。「……まだだ。手掛かりが少ない。あの少女が何かを見ているはずだが……喋ろうとしない」 #135

2018-06-14 21:28:36
イナバシアヤカ(下水のすがた) @ayaka_inabashi

俺は思わずニヤリとした。「こういうのはどうだ。俺がレディから“組織”の場所を聞き出す。依頼人に彼女の無事を報告するついでにな。アンタはその情報を元にして、煮るなり焼くなり好きにすりゃいい」 #136

2018-06-14 21:28:46
イナバシアヤカ(下水のすがた) @ayaka_inabashi

「出来るのか」「意外かも知れないが、俺はクチから産まれてきたもんでな」クックック、とひとりで笑う。コイツはぴくりともしない。俺が知り合うヤツはジョークが通じなくて困る。 #137

2018-06-14 21:28:57
イナバシアヤカ(下水のすがた) @ayaka_inabashi

「……嘉木九郎だ」スーツ男はようやく名前を明かした。あの珍妙なのが本名じゃなくて心底安心したよ。それにしても「九郎……クロウか。なんて偶然だ。鷹に鴉、お次は鳩でも飛び出してくるかもな。笑えるね」「別に笑えん」そうかい。 #138

2018-06-14 21:29:09
イナバシアヤカ(下水のすがた) @ayaka_inabashi

「それと、“条件”はもうひとつある」「ライバル企業の機密じゃ不足だって?」「ああ、それでは代えられないものだ」ミスター・クロウは俺の手先(手羽先か。さっきからくだらねえな)を指さしながらポツリと言った。 #139

2018-06-14 21:29:20
前へ 1 ・・ 5 6