新藤淳×黒瀬陽平「展示を批評する2──展示指導10」【ゲンロン カオス*ラウンジ 新芸術校 第4期 #23】
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今日は国立西洋美術館研究員の新藤淳さんをお招きしています。ゲンロン8で黒瀬さんが現代アートとゲームを横断的に論じた「現代美術の起源 ー二重化された視覚の系譜」から新藤さんがインスピレーションを受けた講義内容になるようです。これは楽しみ! #新芸術校 pic.twitter.com/rbQ2s5KDt3
2018-10-28 13:14:02本日の新芸術校は、西洋美術館キュレーター、新藤淳さんがご登壇です!新芸術校ゲストとして3年連続で登壇して下さいます!まず、ゲンロン8で黒瀬さんが寄稿したデュシャン論への評価、2008年のキャラクター論に匹敵する見通しを感じたというお話から。#新芸術校 pic.twitter.com/xx4UbMrqe8
2018-10-28 13:18:25黒瀬さんのデュシャン論から、新藤さんはユベール・ダミッシュがキュレーターとなった展覧会「On Moves Playing Chess and Cards with the Museum 」を紹介。美術館「の中で」ゲームをすることではなく、美術館「とともに」ゲームをすることについて解釈を展開していきます。 #新芸術校 pic.twitter.com/OBYSFi6g36
2018-10-28 13:57:27ゲンロン8の論考で黒瀬さんが触れている1912年にケベードが開発したチェスのオートマタ式ゲームマシン「エル・アヘドレシスタ」(この年はデュシャンが絵画を放棄した年)から、オートマタの内部構造を見せるか否かアートの有り様について展開。 #新芸術校 pic.twitter.com/s808hIKFI1
2018-10-28 14:16:14新藤さん「ヴンダーカマー、王室、サロンなど、時代によって無自覚に変化してきた美術展示する場のルールについてどのように考えるか。モダニズムの閉じたアートワールドに比べて、翻訳不可能なルールを持ったゲームの乱立がポストモダン以降とすると、別のルールを持ち込むことは自明」#新芸術校
2018-10-28 14:16:23こんにちの現代アートではメタ視点と没入性、二重性を考慮する必要がある。in the museumではなくwith。参加型やインタラクティブ性とはなにか。深い問題意識をお持ちのお二人の話は多様なキーワードが出ています。 #新芸術校
2018-10-28 14:42:192コマ目は西洋美術館常設展にて期間限定展示中のリヒターとクールベの作品の話からスタート。半世紀前、リヒターが開催した「ポップとともに生きるー資本主義リアリズムのためのデモンストレーション」という批判精神の高い企画に触れていきます。#新芸術校 pic.twitter.com/0TlXK3rpiK
2018-10-28 15:23:01休憩を挟んで、まずは西洋美術館で開催中の「リヒター/クールベ」を皮切りに、20世紀初頭の美術展を見ていきます。リヒターの「ポップとともに生きる(ドイツ語mitはwith)」ではまさに鑑賞者がゲームをプレイさせられている。 #新芸術校 pic.twitter.com/pSbioDlpCh
2018-10-28 15:55:01黒瀬さん「リヒターとハイレッドセンターはそれぞれ同時期に「資本主義リアリズム」という言葉に行き着いた」。最後はデュシャンの遺作にまつわる話。昨年の20世紀展覧会史講義から黒瀬さんのデュシャン論、東博デュシャン展を経、また新たな展開をみせた対談でした。毎年受けたい講義です。#新芸術校 pic.twitter.com/QEPOpxRcIk
2018-10-28 16:34:39デュシャンはチェスを世界中の人々とマルチプレイしようとしたが手紙でのやり取りは時間がかかるので止めたというエピソードからの考察を経て《遺作》を多角的に議論。アーティストの問題意識の置き方やふるまいなど、受講生へのエールとも言える講義内容でした。 #新芸術校
2018-10-28 16:54:273コマ目は、11/10から始まるCグループのプランを講評。 1人目は、宝くじに当たること、をモチーフに母についてを出発とした映像パフォーマンスを企画する國冨さん。形の決定が詰めどころ。自身の恣意的なものあるいは単に偶然性に寄るのも違う。新藤さんがコレはかなり面白くなる、と明言。#新芸術校 pic.twitter.com/D88fqiAvqz
2018-10-28 17:18:52ベーシック・インカムに代わるアーティスティック・インカムを与える作品を制作中のF・貴志さん。語りがとても面白いのでオリエンテーションビデオを作るのはどうか、と新藤さん。壇上では映像を撮る方法を伝授。アイロニーを越えて欲しい、と黒瀬さん。#新芸術校 pic.twitter.com/7BwvVhgAyt
2018-10-28 17:38:353コマ目は11/10からのCグループ展の個人講評です。國冨太陽さんは綿密なプランをプレゼン後、新藤さんと建設的な応答がなされました。プレゼンがどんどん上手くなってると黒瀬さんに評価されたF・貴志さんにはそのプレゼン力を活かす方法を提案。#新芸術校 genron-cafe.jp/event/20181111/ pic.twitter.com/n4hmePFCEH
2018-10-28 17:39:532期連続で受講中、Aグループではキュレーターも務めた小林さん。新藤さんも2年連続での講評につき、細部までヒアリングしてくれます。マスカーで思考のモデルまでは示せているけれど、何かその思考を体現する1ピースが必要では。言語から作品への翻訳をもっと思い切っていいのではと講師陣。#新芸術校 pic.twitter.com/Oh9lFBb1Jj
2018-10-28 18:03:03三期から連続受講の小林真行さんには前作も知った上で新藤さんは踏み込んだ問いを投げ掛けます。谷本美貴子さんのモチーフ「指差し」について新藤さんは根元的な意味を突き詰めて表現方法を選択してはどうかと提案。 #新芸術校 pic.twitter.com/brGwsqubnx
2018-10-28 18:22:50過去の作品から、本当に指差したかったもの、を作り直す試みの谷本美貴子さん。レリーフ、絵画、漫画を用いたインスタレーション。新藤さんは、指差しとは、これまで社会や美術では非接触であり、攻撃的なものでありがち。では谷本さんが見出したい指差しをどう掘り下げるか考えていきます。#新芸術校 pic.twitter.com/Ggfk1DxjGE
2018-10-28 18:24:105人目は、身近な病や死の経験から、救いの場として治療院をお能を通じ作品化しようとしているAQさん。この作品なら本来なら場所も設定した方が良い側面が強い。苦と欲の振れ幅を単純化しすぎると、自己啓発的にならないよう台本を書けると良いのでは、と黒瀬さん。 #新芸術校 pic.twitter.com/x7dx1bWJn2
2018-10-28 18:45:22病んでいる人を治療したいと新作能の巡回を試みているAQ(劇団 芸術治療院)さんにはアートにおける治癒、苦や生といった人間の本質に関わる問いが。自らのプロジェクトを終わらせたいというBB[おおば英ゆき]さんには黒瀬さんから「誤解している」と辛辣なコメントが与えられました。 #新芸術校 pic.twitter.com/3xzmahDDw1
2018-10-28 19:13:40自身の作品「チョコレート・ドリームス」を終わらせたいことから、チョコレートを使った平面を作っているBB[おおば英ゆき]さん。溶けたり剥落するチョコレートを画材に使うのは、様々に言及可能性がある。でも、自身のナルシシズムには収まらない作品の自律した秩序を見出して、と講師陣。#新芸術校 pic.twitter.com/KEzVQplO7r
2018-10-28 19:17:06最後は木村文香さん。被災した経験から、福島で今年に作ったビニール入りの土を運ぶパフォーマンスを映像で投影するプランを提出。映像だけを提示するとなると、記録だけになってしまう、かつ映像ごと入れ子状態になることを意識的に作品化しなければならないのでは。と講師陣が丁寧に説明。#新芸術校 pic.twitter.com/tOIbPpXVz5
2018-10-28 19:31:39最後は木村文香さん。被災した経験をモチーフに福島から五反田への移動を映像化するプラン。構造を自覚して制作する必要性を説かれました。Cグループ展「まさにそうであることの嚥下 / Swallowing what exactly is that」は11月10日から。11月11日の講評は高山明さんがゲストです! #新芸術校 pic.twitter.com/9fDCPUwxXl
2018-10-28 20:01:30