2011年4月29日

自宅介護と医療問題

東日本大震災のタイミングで突然起こった愛犬の自宅介護。その経験を通じて介護と医療行為について考えることがあり、この1ヶ月間考えていたことを久々に連続ツイートしました。書きだしたらとても長くなってしまいました。
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kiuchi satomi @panamantw

介護1:愛犬を亡くしてちょうど1ヶ月が過ぎた。これを機に、愛犬の末期の自宅介護を通じて実感した医療問題について呟いてみようと思う。親の介護では病院や特養のお世話になったので自宅介護の経験はなく、ただただ看護師さんのご苦労と献身ぶりに頭が下がる思いだったことが思いに残る。

2011-04-28 16:03:52
kiuchi satomi @panamantw

介護2:愛犬はオーストラリアン・ケルピーという犬種で牧羊犬だった。20数キロになるので中型犬の大きい部類だ。欧州から豪州に渡った犬とディンゴという野生の犬との混血種と聞いたが、日本ではまだ頭数が少ない。知人からのブリーダー紹介によって知り、飼うことになった。

2011-04-28 16:04:35
kiuchi satomi @panamantw

介護3:犬を飼うきっかけは御多分に洩れず子供の関心からである。飼うことが出来なかったマンション生活から戸建てに移った後、以前から飼いたがっていた長男が中学2年の時に飼うことになった。生後50日くらいで我が家に迎えたケルピーは、チョコベイと名付けられた。

2011-04-28 16:05:33
kiuchi satomi @panamantw

介護4:子供が中学から高校にかけての精神的に不安定な青春時代に、チョコベイは最良の友達だった。子供はチョコベイを溺愛し、チョコベイは子供を自分の下に位置付けて守った。子供に手を触れようとするだけでも間に割って入って守るようなしぐさをする。そんな相思相愛の家族だった。

2011-04-28 16:06:20
kiuchi satomi @panamantw

介護5:そのチョコベイが東日本大震災の前日の夜に痙攣を起こして突然倒れた。親しくしている近所のペットクリニックに入院をさせた翌日、大地震が来た。予感がしたのか?その時は家族が皆出ていたので、とっさに入院をさせておいて良かったと思った。いつ帰宅できるかわからない状態だった。

2011-04-28 16:07:14
kiuchi satomi @panamantw

介護6:何とか家族全員が帰り着いた翌日、クリニックから愛犬が危篤だと連絡があった。すぐに駆け付けると息も絶え絶えのチョコベイがいた。昨夜から苦しんでいたという。獣医はCTで容態の判断をしたいと言う。今はペットでもCTやMRIをやれるのだ。その善し悪しは別として。

2011-04-28 16:08:21
kiuchi satomi @panamantw

介護7:医療が進化して治療に有効だとなれば、なぜあの時にしなかったのかと悔いるよりペットにも最新医療を望むものだ。どこまでが適正な医療でどこからが過剰医療なのかは複雑な問題だ。CTの結果は脳や体内にガンなどの異常はなかったが、肝臓の状態が悪く脳の炎症も疑われた。

2011-04-28 16:09:17
kiuchi satomi @panamantw

介護8:獣医からは回復が難しいことを告げられた。その間も愛犬は苦しみ切なく力なく鳴き続ける。獣医からこれ以上苦しませないために安楽処置の提案を受けた。子供は戸惑い躊躇して回復の可能性を質していたが、やがてやむなく同意した。その日がちょうど15歳の誕生日だった。

2011-04-28 16:10:06
kiuchi satomi @panamantw

介護9:獣医は処置をするのであればせめて自宅でしてあげようと、わざわざ車で自宅まで運んで来てくれた。お気に入りだった布団に横たわらせた途端に、息も絶え絶えだった犬が首をもたげて周りを見回すしぐさをした。そしてスヤスヤと眠りだした。まるで安堵したかのように。

2011-04-28 16:10:40
kiuchi satomi @panamantw

介護10:様変わりの様子に獣医は安楽処置をするのを躊躇い、このまま少し様子を見ましょうということになった。自宅に点滴の装置を持ち込み、尿カテーテルの処置を施して自宅で介護が出来るように整えてくれた。この日から愛犬の24時間自宅介護が始まったのである。

2011-04-28 16:11:53
kiuchi satomi @panamantw

介護11:家族が皆働いているので、先のことは取りあえず置いておき、交代で介護を始めた。寝たきり状態のため苦痛で時々鳴きだすので体位変換が必要だ。輸液の取り替えや下の世話もあるので24時間看護状態になるのだ。1週間くらい看ているうちに少し水や流動食を摂るようになった。

2011-04-28 16:12:34
kiuchi satomi @panamantw

介護12:回復の期待と共に介護の重みも増していった。犬も人間と同じで褥創(床ずれ)が出来る。頻繁に鳴くので様子を見ながら水、食事、体位変換、輸液、タオルの取替、排泄処理が続く。苦しむ時のために安定剤の液薬も貰い、夜鳴きに備える。そうして2週目に入った。

2011-04-28 16:13:35
kiuchi satomi @panamantw

介護13:愛犬は以前のように呼び掛けにはほとんど反応しない。尻尾も振ることもない。しかし家族も同然だ。とりわけ世話になった長男は思い入れが強い。介護がどこまで続くかわからない中で、子供も頻繁に会社を休むわけにもいかなくなり結局退職し介護に専念することを選んだ。

2011-04-28 16:14:39
kiuchi satomi @panamantw

会議14:昼間は子供が看て、私は夜番になった。会社勤務は平常通りだから1日おきにわずかな時間の仮眠を摂りながらも40時間勤務状態になる。翌日はどっぷり寝るから体力は回復するが、繰り返しは堪える。土日の昼間などに睡眠不足を補う。すべての生活が介護中心になっている。

2011-04-28 16:16:01
kiuchi satomi @panamantw

介護15:昔のように大家族で看ることが出来るなら寝たきりの自宅介護も可能かも知れないが、こんな状態の介護が何ヶ月も続けば介護する側が体調を崩す。獣医も時々往診にきてくれるが、介護の負担が減るわけではない。政府が安易に言う自宅介護は、困難を極めことがよくわかる。

2011-04-28 16:17:39
kiuchi satomi @panamantw

介護16:一時点滴が取れて少し世話が楽になった。しかしそれも束の間で、水を飲まなくなりまた輸液が必要になった。3週目に入る頃、明らかに容体が悪くなった。血液検査の結果も悪化の一途をたどった。そしてとうとう18日目に家族に見守られながら安楽処置を受けた。

2011-04-28 16:18:57
kiuchi satomi @panamantw

介護17:子供はその後しばらく一人で伏せていた。そして安楽死させたことを一生忘れないだろうと言った。悔いということではない。苦しんでも苦しんでも犬は生きたいと思っていたかも知れないという思いだ。それがわからないからと言う。安楽死は人間では許されないことだ。たとえ本人が望んでも。

2011-04-28 16:20:55
kiuchi satomi @panamantw

介護18:愛犬の末期の介護を通じて、人の介護を思う。体重が3倍もあるのだから日々の体位変換も容易なことではない。おそらく介護士のお世話にならなければ無理だと思う。介護保険があるとはいえ、そのための費用負担もある。誰でも当事者になるかも知れない大きな問題なのだ。

2011-04-28 16:21:51
kiuchi satomi @panamantw

介護19:65歳以上の寝たきりの人が30万人を超えている。そこには必ず医療や介護が伴う。医療費は増大の一途だ。平均寿命と健康寿命の差が6年も7年もあることが気に掛かる。この差が限りなく小さければ、多くの人が望む、いわゆるピンピンコロリなのだろう。

2011-04-28 16:22:50
kiuchi satomi @panamantw

介護20:介護がいかに大変な作業であるかがよくわかった。医療と介護の問題は根が深い。医療負担や介護負担を軽減するには健康寿命を延ばすことだと思う。医療は病の治癒に目が向けられるが、エビデンス(根拠・証拠)に基づくヘルスケアにももっと研究の目を向ける必要がある。(完)

2011-04-28 16:23:26

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