#大都留論文 JAMA【福島医大論文「2011年福島第一原子力発電所事故から5年以内に2回の超音波検査スクリーニングを受けた日本の福島の小児と若年成人における甲状腺がんの発症率」】(2018.12.5作成)♯IARC #Welch #Davies

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Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

最近の論文によると、県民健康調査の検査で検出された無症状の甲状腺がんのほとんどは、最初の急成長の時期を過ぎると成長停止パターンに入ることが観察されており、がん・疑い例の6%では、腫瘍サイズが小さくなっていた。

2018-12-05 16:14:34
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

2巡目で見つかった(1巡目を受診した)70例のがんのうち、58例は、少なくとも新たに検出されたものだった。残りの12例は、1巡目では必ずしもがんと診断されるものではなかった。これは、非臨床的あるいは無症状の甲状腺がんの大きなプールから検出し得るがんが年齢依存的に増えることを示している。

2018-12-05 16:15:05
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

Katanodaらは、1巡目の結果から、20歳以下の県民で観察された甲状腺がんの有病率は160.1、予測された有病率は5.2(いずれも受診者数は無調整)と、観察数と予測数の比率は30.8倍だった。

2018-12-05 16:15:42
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

過去の報告で示されたように、県民健康調査の甲状腺検査データと国立がん研究所の登録データとの比較においては、1巡目の有病率とがん登録の発症率データ、マススクリーニングと日常的な臨床での検出データ、感度データという3点に留意すべきである。

2018-12-05 16:16:09
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

最初の1点は、表2と図2に示されている2巡目での発症率から、比較可能であると考えられる。残りの2点により起こる検出数の違いは、スクリーニング効果、および、あるいは、過剰診断の可能性によるものと考えられる。

2018-12-05 16:16:33
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

全国がん登録に基づくがん進行モデルを用いたシミュレーションで、スクリーニングされたすべてのがんが臨床的に有症状のがんに発達すると仮定すると、リードタイム(要因曝露から疾病発症までの期間)の中央値は男性で34年、女性で30年であることも示されている。

2018-12-05 16:16:50
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

もしも、小児や若年成人で、超音波検査により多くの進行しない、あるいは退行する甲状腺がんが検出されているのであれば、頻繁な検査は過剰診断の可能性をより大きくすることになる。

2018-12-05 16:17:14
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

1巡目のように、過剰診断の可能性による大きな過剰リスクは、2巡目でも予測されていた。過剰診断の可能性を考慮すると、甲状腺がんスクリーニングでは、保守的な基準を用いることが重要である。

2018-12-05 16:17:42
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

過去のスクリーニング調査では、スクリーニング基準を臨床的診断基準よりも高くすることにより、低リスクの甲状腺がんの特徴に対処してきた。1992年から2007年まで、米国のハンフォード核施設から放出された放射性ヨウ素に被ばくした17歳未満の子ども3440人で甲状腺超音波検査を用いた調査が行われた。

2018-12-05 16:17:59
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

スクリーニング開始から間もなく、過剰診断を防ぐために、穿刺吸引細胞診の基準が、腫瘍径10mm以上から15mm以上に変えられた。

2018-12-05 16:18:29
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

Takebeらは、1990〜1995年の日本の女性受診者で、成人における甲状腺腫瘍の超音波検査基準が、腫瘍径3mm以上から7mm以上、10mm以上、15mm以上に変えられたと報告した。甲状腺がんの検出率は、腫瘍径3mm以上が対象だった時は3.5%、7mm以上だと1.5%、10mm以上だと0.9%、15mm以上だと0.28%だった。

2018-12-05 16:20:25
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

米国甲状腺学会は、最近、臨床ガイドラインを更新し、一般的に、結節は直径が10mmを超えている場合のみ、さらに検査をするべきだと推奨し、甲状腺がん検診を推奨していない。

2018-12-05 16:20:53

↑ 関連まとめの直上に重要コメント有り

Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

県民健康調査での甲状腺がんの検出率は、スクリーニングする(二次検査を行う?)結節の直径が>5mmである場合と比較すると、>10mmでは44%、>15mmでは13%、>20mmでは4%に減ると見込まれる。

2018-12-05 16:21:18
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

多くの甲状腺乳頭がんの自然史は、早期診断が予後を改善する他のタイプのがんとは異なる。過剰診断を防ぐためには、無症状の人たちでのスクリーニング基準は、有症状の患者の臨床ガイドラインより高く、感度はより低くあるべきである。

2018-12-05 16:21:36
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

SHAMISENプロジェクトでは、系統的な甲状腺がんスクリーニングは推奨されるべきではないが、甲状腺がんスクリーニングは提供されるべきであると示された。

2018-12-05 16:21:58
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

この勧告では、甲状腺がんスクリーニングプログラムは任意ベースで準備されるべきであり、超音波検査を最初にするのではなく、甲状腺の触診を含む臨床検査に基づいて、がんの疑いがある場合のみ超音波検査が勧められることになっている。

2018-12-05 16:22:10
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

超音波検査を用いたスクリーニング基準の考慮には複数の要因があるが、われわれは、スクリーニングする腫瘍サイズを大きくすることが、甲状腺がんの大きなプールでの不必要な診断を減らすために効果的なツールではないかと考えている。 (最後のパラグラフは割愛)

2018-12-05 16:23:27
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

制限 この論文は、県民健康調査の甲状腺検査にしたがって実施された甲状腺がんスクリーニングに焦点をあてている。この論文にはいくつかの制限がある。1巡目と2巡目の受診率は高かったが、年齢別受診率に調整したにもかかわらず、選択バイアスが起こった可能性がある。

2018-12-05 16:24:21
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

たとえば、2巡目の受診率は14歳未満では90%を超えていたが、15歳以上では約40%だった。52例では最終病理診断が得られたが、残りのがん・疑い例の35人は、未手術であるか、手術報告書が得られなかったため、最終病理診断が得られていない。

2018-12-05 16:24:42
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

手術後の詳細な臨床所見あるいは病理所見、または手術待ちの患者の予後の解析は行われなかった。1巡目は2年半、2巡目は2年間の間に行われた。二次検査までの待ち時間は個人によって異なり、約2ヶ月から約3年間の幅があった。

2018-12-05 16:25:07
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

この研究は観察研究であるため、低線量放射線あるいは他の交絡因子の影響の解析は困難である。

2018-12-05 16:25:19
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

(「制限」の中で、未手術35例の中には、他施設で手術済みの例が入ってることを認めましたね・・。でも、「集計外」データについての言及はない。)

2018-12-05 16:27:02
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

ざっと見たところ、なんという都合の良い論文なんだろう、という印象。 二次検査のカットオフを5mmより大きくすることにより過剰診断を防げるとか言ってるけど、実際の手術症例の病理・臨床的データも出さずに、年齢・人数・腫瘍径だけで、そこまで言っちゃうのか。

2018-12-05 16:30:03
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

この論文の共著者の一人である鈴木眞一氏も、それに同意されるんだろうか?

2018-12-05 16:31:58
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