私と貴方とあの人と

nuu @911M___s

「ーーでな、先生がな」先生の話は腐るほど聞いた。もういい聞き飽きたのに「久々に恋した感じするわあ、」幸せそうな顔されるから私も笑って相槌打つしかないじゃない。「じゃあな、〇〇」私を教室へ送り届けたあと走っていく姿に何度苦しまなければいけないのだろうか #エイトで妄想

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「おはよ〜〇〇！」「章大おはよ」ニコニコしながら話しかけてくる隣の席の章大はクラス同じになってから何故か気に入られて引っ付かれてる「まーたそっち見とる、自分で自分の首絞めてどーすんの」事情を知ってくれてる章大は良き相談相手でもある #エイトで妄想

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「……だって」「癖なんは分かるけどもうそろそろ他の男も見てみたら？ええ人いっぱいおるで？」「……分かってるけど、」そう、私は絶賛片想い中。全く脈なしの片想い。だってまあ、私の片想いの相手にも片想いしてる人がいるわけで #エイトで妄想

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「〇〇もやけど信ちゃんもホンマ懲りへんよなあ」「幼馴染だから変なとこ似たんじゃない？一途なトコ」「なんか悲しいわ、やめてや」「ごめーん、まあ私は叶うはずないの分かってて想ってるけど信ちゃんは結ばれると思ってると思うよ？そこが私と違う」私が笑うと章大は顔を歪めた #エイトで妄想

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信ちゃんは生まれた頃からずっと一緒のいわゆる幼馴染なんだけど、私は物心ついた頃から信ちゃんが好きで、昔は多分信ちゃんも私の事好きだったんだと思うけど、高校に入ってから信ちゃんは一世一代の大恋愛(？)をしてしまった #エイトで妄想

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信ちゃんの片想い相手は家庭科の先生、しかも既婚者。ダブルでアウトなのに信ちゃんは諦めるどころか毎日のように家庭科室に通って先生と談笑している。その時間がとてつもなく幸せだそうで登校時にめちゃくちゃ惚気られる。そりゃあもう私に勝ち目がないのは歴然だった #エイトで妄想

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「〇〇！明日水族館行かん？」「え、いいけどどうしたの？」「アザラシ！赤ちゃん産まれたんやて！」章大が興奮気味に私に熱弁する。「じゃあ決まりな！」章大は自分の言いたいことだけ語ってから予鈴鳴る〜！って自分の席に戻って行った。#エイトで妄想

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章大はわざわざ家まで迎えに来てくれて「楽しみ〜！アザラシ！」ニコニコハイテンション。女子力高すぎて困る。のわりには「可愛ええ服着てるやん、俺とのデート張り切ってくれた？」なんてサラッと女子が喜ぶ言葉を吐くから章大がモテる理由がよく分かるわ #エイトで妄想

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「今日は俺とのデートやからな！信ちゃんのことは忘れてや！」「……いや、別に信ちゃんのこと考えてないし」「素直やないなあ、ま、ええけど」なんてルンルンしながら私の手を取る「……手繋ぐ必要ある？」「水族館暗いやん！」ゴツゴツした手に少しドキッとした #エイトで妄想

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「わ！可愛ええ！見て見てペンギン！」水族館でここまで楽しめる高校生いるのだろうか。それくらいはしゃぎ回ってる章大。のクセに手は離さないしてかいつの間にか恋人繋ぎになってるし力は強いし「次あっち！」ニコニコ無邪気に笑う章大にやけに安心した #エイトで妄想

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「あれ、ヤスと〇〇やん！」「あ！三馬鹿ーー！」「その呼び方やめろや」……？！なんで水族館に男3人できてんの？！「どしたん、3人で水族館とか、明日槍でも降ってきそうやけど」「俺らのことなんやと思ってんねん（笑）」#エイトで妄想

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「ちゃうねん、ヨコがアザラシ見たいー！言うて。昨日急に」「え、よこちょが？！可愛ええとこあるやん！」みんなにいじられて横山くんが暗いここでも分かるくらい顔を真っ赤にして「やめろや、」って。「そっちこそなんや2人して、デートか？」#エイトで妄想

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「そー、デート！」って私らの繋がれた手を上げる章大「……え？！いつからそんなん？！」「いや、違「えへへー」「良かったやんヤス、頑張ったなあ！」って3人に肩を叩かれてる「信ちゃん力強いって！」「いやあ、ホンマよかったわ」って笑う信ちゃん。完璧に脈なしだ。知ってたけど #エイトで妄想

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「おめでとーな、ヤス、〇〇」「仲良くなー！」「俺の幼馴染適当にしたらシバくで！」「分かってるわー！」そう3人は嵐のように去っていった。途端に二人の間に沈黙が訪れる「……彼氏違うのに」「ごめんやん、また後で誤魔化しとこ？」反省する気配もなく手も離さない章大 #エイトで妄想

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「……信ちゃんここまで脈ないとは思ってなかった」「あーー、あれな、確かに」普通にまあまあ傷ついたんだけど！長年連れ添ってきた幼馴染に彼氏だよ？！なんとも思わないの？！ってあの鈍感馬鹿野郎に私の気持ちがわかるわけないか #エイトで妄想

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「もーー、そんな顔せんといてよお」繋がれていない方の手でそっと頭を抱き寄せられる。私と章大が付き合ってるって勘違いした時の信ちゃんの顔、嬉しそうだった。さっさとこんな片想いやめたい。今は少しだけ、章大の胸を借りることにした #エイトで妄想

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「お前大丈夫なん？」「何が」週明け、別に水族館で会ったからって何かが変わるわけでもなくいつも通り「ヤスやん、他の男と2人きりで登下校やで？怒らんの？」「あーー、いや、私別に章大と付き合ってないし」「は？嘘つけや」「いやほんとだし、あの日は普通に遊びに出ただけだし」#エイトで妄想

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「なーんや、おもんな〜〜」心底落胆したように見える「じゃあさ、ヤスのこと好きとかないん？」やけにしつこいな今日の信ちゃん「…ない」「今ちょっと間あったやろ！」「気のせいでしょ」「いやあ！ちょっと気になっとるとかはあるやろ？な？」#エイトで妄想

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面倒臭いしなんかもう脈なしどころか女としても見られてなさそうでモヤモヤするし否定するのもめんどくさくなって「……ご想像にお任せします」「ほれみい！俺の勘当たってたやろ！俺に任せ、キューピットなったるわ！」って嬉しそうに肩バシバシ叩かれるから泣ける #エイトで妄想

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「なあ、信ちゃんにさ、お前も素直になって気持ち伝えろ的なこと言われてんけど、〇〇なんか言われた？」「……ああ、ごめん章大…」なんで信ちゃんは章大が私の事好きだっていうていで章大の背中押してんの？おかしくない？！よくそれでキューピットなるとか言ったよね？#エイトで妄想

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「なーんや、そういうことか」「ごめんね、章大が私の事好きだって信ちゃん勘違いしてるみたい」私が笑って誤魔化すといつもは笑い返してくれる章大の顔は今はクスリとも笑っていない「章大、どうかした……？」「それ嘘やない言うたら、どうする？」#エイトで妄想

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「……え、それってどういう「俺マジで〇〇のこと好きやねんけど」……？！あのフワフワしてる章大に所謂壁ドンをされている「割とずっと好きやねんけど、鈍感すぎん？あの3人にはすぐ気づかれたで？」あー、だから水族館でおめでとうとか言われてたんだ #エイトで妄想

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「……でも私、信ちゃんのことまだ好きだから、「知ってる」「……だったら「俺の事利用して信ちゃん忘れるっていう手はないん？」これまたなんてことを言い出すんだ「そんなの章大に申し訳ないよ」「俺も今〇〇の弱味に漬け込んで付き合おうとしてんねんからお互い様やないの？」#エイトで妄想

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……なんにも言えない「な？ええ話やと思うけど。俺信ちゃんのこと忘れさせる自信あるねん」何を根拠にそんなドヤ顔ができるのか「今日から俺の彼女にならん？」ニヤリと口角を上げる章大に頷くしかなかった。少しだけドキドキしたのは、まだ秘密 #エイトで妄想

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信ちゃんにちゃんと付き合い出したって報告したら「ほれみい！俺キューピットやろ！」ってドヤ顔しながら「良かったな」って大きな手で頭を撫でてくれた。きっと、これで良かったんだ。私が気持ちを押し殺すだけで、きっと皆幸せになるから #エイトで妄想