1988年12月9日(金)の旅日記(257日目・アンタクヤ(ハタイ)→シリア・アレッポ)

陸路、トルコからシリアへ入国。強制両替中に失われた恋人の写真をめぐり、シリア軍兵士と揉め、一時拘束される。
0
桃岩荘人 @namihei1224

12/9 途中、イスカンダルで海見ゆ。地中海の東端だ。 0830アンタクヤ着。古代セレウコス朝シリアの首都、アンチオキアだ。 pic.twitter.com/XKA6BYFy0U

2017-12-09 15:23:51
拡大
桃岩荘人 @namihei1224

とりあえずトイレに行き、1230シリアのアレッポ行のバスチケット購入。 pic.twitter.com/NcEYQO2XXT

2017-12-09 15:24:54
拡大
桃岩荘人 @namihei1224

アレッポ行のバスは1230発。7000TL。1130ダマス行10000TLという便もあった。朝飯ケバブとアイランで1200TL。金に余裕、心に余裕。街へ。 pic.twitter.com/apml8OU8bf

2017-12-09 15:26:45
拡大
桃岩荘人 @namihei1224

ムゼオン250TL。モザイク精緻だ。ヒッタイト、パルミラ、楔形文字。ビザンチン皇帝の顔、このあたりによくいそう。人々の顔、かなり色が黒くなってきた。街にシュロの木。日差しも日中はかなりあったかい!いや、暑いくらいかも。山がせまっている。 pic.twitter.com/Hlw6H4hsS2

2017-12-09 15:30:01
拡大
桃岩荘人 @namihei1224

シャンプー1600TLを買い、昼飯1400TL。もうこれでトルコリラは不要となるのでドルに再両替せんと銀行を回り、もめた末、ようやく7000TL→4$。バスはやや遅れて1255発。トルコが枢軸国側に参戦するのを恐れて1939年フランスがシリアから割譲したアンタクヤを去る。1時間でトルコ側国境のジルべゴズ着。 pic.twitter.com/3VdppLSxM7

2017-12-10 11:59:37
拡大
桃岩荘人 @namihei1224

Cilvegozuでのトルコ側出国審査。むさくるしい男たちが何やらわいわいやってるが、俺は楽勝。 pic.twitter.com/X10PLHJDcQ

2017-12-10 12:01:54
拡大
桃岩荘人 @namihei1224

トルコ出国のスタンプも確認。さあ問題はシリアだ。 pic.twitter.com/HD6eDflIgw

2017-12-10 12:02:27
拡大
桃岩荘人 @namihei1224

バスは約8キロ走って国境を越え、シリア側国境検問所のバブハワ(Bab Al-Hawa)着。まずは銀行に行き100ドルの強制両替。立派な証明書を受けとる。 pic.twitter.com/ueXaUGrX7j

2017-12-10 12:04:42
拡大
桃岩荘人 @namihei1224

ビザにも100ドル強制両替するようにと、ここだけ英語でkindly にもしっかり書かれてる。 pic.twitter.com/8pfMQ8iFl1

2017-12-10 12:06:13
拡大
桃岩荘人 @namihei1224

バスに戻ると、乗客全員分のパスポートが集められ、まとめて手続きとなる。強制両替証明書をはさんで出す。戻ってきたパスポート、見ると入国スタンプあり。両替証明書も戻ってきた。ほっ。何気なく裏表紙を見ると、あれ?ない! pic.twitter.com/UkDe781TO4

2017-12-10 12:07:39
拡大
桃岩荘人 @namihei1224

ウニコの写真。どこの国の国境でも一番人気の、木曽路の電車でポニーテールで笑っている一枚の写真が!とんでもねえ、シリアなにやってんの?とっさに兵士の仕業と思い、走りかけたバスを停め、降りて500m以上後方の検問所まで全速力。許せん!

2017-12-10 12:08:15
桃岩荘人 @namihei1224

あたりは岩沙漠。岩山の乾ききった風景が広がっている。しかし俺の胸は熱湯が今にもこぼれ出るくらい沸騰しまくっている。バスの運転手には5分待ってくれと言ってきたので、急がねばならない。検問所に飛び込んで大声で叫びたて、はあはあしつつ、「返せ!」

2017-12-10 12:08:34
桃岩荘人 @namihei1224

検問所の奴ら、ある者は俺じゃないと手を振り、知らんとそっぽを向き、ある者は俺の取り乱した姿をニヤニヤ見ている。ついに爆発した俺は場所をわきまえずにドアや机を激しく叩き、「返せ!!!」と叫びたてていると、腕っぷしの強い男がやってきて、パスポートを取り上げられ、拘束されてしまった。

2017-12-10 12:09:17
桃岩荘人 @namihei1224

騒ぎに集まってきたトラックの運ちゃんの一人のパレスチナ人に英語通訳してもらい、俺の要求主張を審査官に伝える。彼は彼で怒りつつ、俺の無礼な態度を責める。「OK. You can go to Syria after two years. Follow to the police, They take you to the prison in Turkey!」

2017-12-10 12:09:41
桃岩荘人 @namihei1224

俺はそのたった一枚の写真がどんなに大切かを涙ながらに訴えるのみ。かくなる上は、一年だろうと二年だろうと獄でも何でも行ってやろうじゃないかと開き直り、ついに罪状を認める書面(?)にサインをし、一つの信念を守るために、俺はどうなったっていい、俺は正しいと、覚悟さえも決めた。

2017-12-10 12:09:58
桃岩荘人 @namihei1224

なんだかんだいっても心の底からウニコを愛しているんだという想いがはっきりとあらためて湧き、一種爽快な気分にさえなった。結局ドライバーたちが仲をとりもってくれ、「I'm sorry」の一言で事なきを得たが、結果として一枚の大切な無二の写真を失った。グランプロブレム!

2017-12-10 12:10:19
桃岩荘人 @namihei1224

しかし代わりに、俺の心に大きくまた一つ消え去ることのない何かが刻み込まれた。ともかくパレスチナ人ドライバーに救われ、バスに追いつく。

2017-12-10 12:10:36
桃岩荘人 @namihei1224

バスはまだ国境のBab Al-Hawaを出発できていなかった。荷物検査が長引いている。いったい何なのだ?妖しげな雰囲気がただよう。毛布だの魚だのレモンにクノールスープ。一旦ごみ箱に捨てまた取りだしている。密輸の摘発か? pic.twitter.com/tCPbO0I5tw

2017-12-10 12:12:39
拡大
桃岩荘人 @namihei1224

2010ようやくバスが動き出す。荷物検査で4時間以上もかかった。動き出した車内でまだジジババ大騒動。とんでもねえバスに乗ったとんでもねえ日だ。ようやくアレッポに着き、安宿にチェックイン。1泊5$。夕飯90£(シリアンポンド)。 pic.twitter.com/A4x80oSpDD

2017-12-10 12:14:40
拡大
桃岩荘人 @namihei1224

アレッポから2014年にきたイケメン、オマルさんの作ったスフィハ、フムス、ファースリアスープをいただきました@与野 当時オマルさんは5歳。沢山話を聞かせてくれ、スープとデザートをサービスしてもらっちゃいました。シュクラン! pic.twitter.com/hs91JQ5f5E

2017-12-18 17:09:16
拡大