とあるブックのとある新兵のお話

童話に興味を持ったプテル(停止中) @manabuAschesama

「錫の兵隊に心は無い。そう調べて報告したのはボクだ。でもその子は死の間際に心を宿した。この一瞬の可能性、消すのは勿体無いじゃない？」 「意外だ。貴方は悲劇が好きなのだと思っていた」 「ん〜悲劇は好きだよ。子供の頃からシェイクスピアで育って悲劇ばかり書いてた(自伝より)」

童話に興味を持ったプテル(停止中) @manabuAschesama

「でも悲劇の美しさはそんな簡単なものじゃない。一流の悲劇ってのはね、主人公が諦めないんだ。絶対に幸せを勝ち取ると信じて進み、そして崩れ落ちる。ロミオとジュリエットとか氷姫とか錫の兵隊とかみたいにね」 「諦めない、か」 「ああ、だからこそ観客は最後に怒りと悲しみに震えるんだ」

童話に興味を持ったプテル(停止中) @manabuAschesama

「悲劇が素晴らしいんじゃない。もがき足掻く人間が素晴らしいんだ。だからこそボクはその子にもう一度チャンスを与えた。その子ならきっと更に足掻いてもっと素晴らしく美しい物語を紡いでくれる」 「なんか…一歩間違えばマッドサイエンティストみたいだぞ」 「そんな事ないよ、多分」

童話に興味を持ったプテル(停止中) @manabuAschesama

「ふっ、誰にも分からない御伽噺の続きね。そんなもの私達がいる限り結末はハッピーエンドに決まってるさ」 「それでいい。喜劇でも悲劇でも頑張る主人公は等しく美しい！ …だから、どうかその子を頼んだよ」 「任せろ。じゃあ…」 「行こう！フェモテューヴェ！」 「はい。最善を尽くします」

童話に興味を持ったプテル(停止中) @manabuAschesama

「これはとあるブックのとある新兵のお話。あのブック全体的に皆、微妙に熱血なんだよね〜。あれならきっと素晴らしい物語が出来上がる筈だよ。それがどんな結末になるのかは分からないけれど」 「さて、『君』のブックとその子はどんな物語を書き上げてくれるのかな？」