小説家知念実希人さんの「作家を目指すことに向いている人いない人」って話

今朝みつけた同業者知念実希人さんのTweetのまとめ。おなじことはぼくが話すよりも知念さんが話されることのほうが説得力があるでしょうから、まとめてみました。
小説家 知念実希人 作家 肩書
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鈴木輝一郎@『何がなんでもミステリー作家になりたい!』発売開始! @kiichiros
@MIKITO_777 知念実希人さんの『作家の仕事はそんなにつらいのか』という話。ざっとまとめるでござる。同種の話はぼくもよくしていますが、ぼくがいうより知念さんの話のほうが説得力はあると思うんで。
知念実希人 小説家・医師 @MIKITO_777
先ほど『作家の仕事は地味だ』と呟いたら、『将来作家になりたいけどどう思うか? 仕事はそんなにつらいのか?』といった質問を数名の方から頂きました。 最近よく訊かれるので、個人的に思っていることを述べてみようかと思います。 (あくまで個人的な意見ですので、参考程度にお願いいたします)
知念実希人 小説家・医師 @MIKITO_777
(承前)まず作家を目指す方は自分が『作家という肩書が欲しい』のか、それとも『小説をひたすら書く生活をしたい』のか、どちらかをよく考えた方がよいかと思います。 そしてもし前者だとしたら、作家を目指すのはあまりご本人のためにならないのではないかと思います。
知念実希人 小説家・医師 @MIKITO_777
(承前)何故なら作家の仕事というのは、多くの人が想像するよりもはるかに地味で、華やかさからは程遠いからです。 基本的に作家の仕事はひたすら原稿を書くことです。 毎日毎日、一人でパソコンに向かい、少しでも面白いストーリーを求めてコツコツとタイプし続けます。
知念実希人 小説家・医師 @MIKITO_777
(承前)書きあがったからといって、出版されるとは限りません。編集さんに指示されて大きく改稿する必要があったり、場合によっては全ボツを食らう可能性すらあるのです。 しかし、そうなっても、めげずに執筆を続けなければいけません。 しかも、デビュー後はある程度の量産が求められます。
知念実希人 小説家・医師 @MIKITO_777
(承前)そうなると、平均で原稿用紙10枚ほど、それを一年間ほぼ毎日続けるような生活が強いられます。 そのうえでさらに原稿の改稿・推敲、ゲラの修正、プロットの構築なども並行して行う必要が出てきます。 地味で華やかさからは程遠いといった理由が、分かっていただけるかなと思います。
知念実希人 小説家・医師 @MIKITO_777
(承前)さらに、もし作家として専業でやっていくつもりなら前述のような生活を数十年続ける覚悟も必要になると思います。 作家には会社と違い固定給などないので、執筆しなければ(過去作が売れ続ける大御所の先生方を除いて)収入が途絶えます。 そんなわけでかなりストレスフルな日常になります。
知念実希人 小説家・医師 @MIKITO_777
(承前)しかも、現在、出版不況は加速しており、以前に比べて新人作家が生き残るのは難しい状況になってきています。 げんに新人賞を受賞してデビューした新人作家の大部分が、数年以内に(様々な理由で)筆を折っているのが現状です。 なんだか書いてて寂しくなってきたけど、これが文壇の現実です。
知念実希人 小説家・医師 @MIKITO_777
(承前)このように、プロの作家として生計を立てていくには、延々と地道な努力が必要不可欠であり、しかもそれをしても絶対に成功できるとは限らないというわけです。 そのため『作家という肩書が欲しい』方は、もしデビューしても作家でい続けるのに大きな苦痛を味わうことになると思います。
知念実希人 小説家・医師 @MIKITO_777
(承前)では逆にどんな人が作家に向いているかというと、『小説を書くことが楽しくてしかたない』、『小説を書くことに全く苦痛を感じない』といった人たちです。 そのような人にとっては、延々と物語を考え、綴っていくことが求められる作家という職業がまさに天職ではないと思います。
知念実希人 小説家・医師 @MIKITO_777
(承前)以上より、個人的には『作家という肩書が欲しい人』は作家には向かず、『小説を書きたくて仕方がない人』は作家に向いているのではないかと思っています。 ただ後者のような方にも、前述のように出版業界の状況は極めて厳しいので、軽々に「作家を目指すべき」などとは言えないのが残念です。
知念実希人 小説家・医師 @MIKITO_777
(承前)何となく否定的なことばかり書いてしまいましたが、自分が考えた物語を多くの人に楽しんで貰えるというのはとても幸せなことです。 作家の現状をよく調べたうえで「それでも作家になりたい!」と思う方を、(まだ駆け出しの分際で偉そうですが)私は心から応援しております。
知念実希人 小説家・医師 @MIKITO_777
(承前)以上が頂いたご質問への回答です。 あくまでまだキャリア数年の、駆け出し作家の個人的な意見ですので、色々と知識不足や偏見等も含まれてると思います。 ちょっとした参考程度に考えて頂けましたら幸いです。 質問してくださった皆様の疑問にうまく答えられていたら嬉しいです。
鈴木輝一郎@『何がなんでもミステリー作家になりたい!』発売開始! @kiichiros
ぼくの意見としては「小説家という肩書が欲しいから小説を書く」という動機もOKかな、とは思います。「作家の仕事がどんなに地味で過酷か」ってのは経験しないとわからないし、想像もつかないものですしね。
鈴木輝一郎@『何がなんでもミステリー作家になりたい!』発売開始! @kiichiros
「自分が作家に向いているかどうか」を知る目安としては、「とりあえず新人賞に向けて12万文字の作品を『ネットで公開せずに』(ここ重要)書いてみるといいでしょう。
鈴木輝一郎@『何がなんでもミステリー作家になりたい!』発売開始! @kiichiros
なぜ『ネットで公開せずに』かというと、「反応があると書けてしまうから」ですね。「誰にも読まれるあてのない原稿を書き続けられるかどうか」はとても重要です。
鈴木輝一郎@『何がなんでもミステリー作家になりたい!』発売開始! @kiichiros
「作家の肩書がほしいだけ」という人が、いざプロになったら「書くのが楽しくて」となる例も多数あるので、結局のところ、「向いているか向いていないかは書きあげるまではわからない」ってことではあります。
鈴木輝一郎@『何がなんでもミステリー作家になりたい!』発売開始! @kiichiros
「固定給がない」「リテイクがある」「一定数の量産が要る」のは、作家に限らず、ほぼすべての自営業であります。自営業としてはきわめて不安定ですが、そのかわりに銀行の融資がなくても開業できるという面もあります。
鈴木輝一郎@『何がなんでもミステリー作家になりたい!』発売開始! @kiichiros
「仕事が地味で孤独」ってことは、「他の仕事にくらべて格段に人間関係がラク(ゼロではない)でコミュニケーション能力が低く(ゼロではない)てもなんとかなる、ってことでもある。
鈴木輝一郎@『何がなんでもミステリー作家になりたい!』発売開始! @kiichiros
「作家になるのはそんなにつらいのか」ということについては、 「つらくない仕事は存在しない。辛いところが我慢できるかどうか」 というのがぼくの答え。
鈴木輝一郎@『何がなんでもミステリー作家になりたい!』発売開始! @kiichiros
まあ、作家を目指すのであれば「将来」って言ってないで、いますぐ原稿に着手しましょう。とりあえず書きあげることができれば、あとはわりとなんとかなるものではあります。

コメント

ぺいぺい何キロ持てる? @peipei999 2018年12月31日
肩書きが欲しい人はアマチュアでやったらいい。
iksk @space_sk4500 2018年12月31日
むしろそのような厳しい条件の強要が現代の生活とマッチしないから商業作家とか専業作家がやっていけなくなったのでは
【復活!】ねねっとテックダイナー【スマホゲーム発売中☆】 @nenet_techdiner 2018年12月31日
銀行の融資がなくても開業できるってのは強みだ。(そこはポイントじゃ無いけど商売的に重要☆)
NTB006 @NTB006 2018年12月31日
作家に向いていない人はわからないけど、向いている人はわかる。 「実家が太い人」は向いてる。
しの @_sieraden_ 2018年12月31日
書かないと死ぬ、息ができない、という人でないと、今の時代、作家(小説家)にはならないほうがいいよなって思う。
ミキオタナカ(CV 田中幹生) @maniaxpace_mt 2018年12月31日
地味で孤独じゃない生活ってなんや。仕事終わりに飲み行ってわいわいと会話の主導権握ることか?
巳堂鷺之丞 @saginojoh 2018年12月31日
maniaxpace_mt 「会話が無さすぎて声帯が弱って声が出なくなる」事のない生活では?あとがきのある作家さんだとたまに出てくるエピソードです。
かつま大佐(対象年齢10歳📛) @kamiomutsu 2018年12月31日
何となくだけど、前者のような人はほとんどいなくて、厳しさも苦痛も全て、向いているはずの後者の人についての話だと思う。好きと仕事は違うよ。
かつま大佐(対象年齢10歳📛) @kamiomutsu 2018年12月31日
そもそも「作家という肩書きがほしい」なんて人は心配せずともスタートラインにすら立てないだろう。
影山影司 @apto117 2018年12月31日
肩書欲しさにありとあらゆる苦痛を無視できる人を見たことがあるからなんとも言えねーな。
R・D・カルモナ @R_D_Carmona 2018年12月31日
反応が無くても書き続けられるか、というのは確かに重要…なように見えて、トキワ荘の大漫画家達はそこ(読者を得ること)をお互いに支えあってたんじゃないかななどとも思いますわ。
平尾 由矢(パブリックエネミー) @astray000 2018年12月31日
このような話題の時に何度か挙げているが、昔、田中芳樹御大がファンとのやり取りをした時にとある女性から「小説作家になりたいのですが、どうすれば良いですか?」という風な質問をしたところ、「そのような質問をするような人は小説作家にはなれない。小説作家とは、小説作家にしかなれないような(まず、作品を描きたいという欲求がある)人にしかなれないものだ」と返した一件を思い出すなど。
@com_sute 2018年12月31日
今の時代なら作家業は副業的にやるのがベストのような気がする。副業時代到来しつつあるし。
ВИК @qb_vick 2018年12月31日
NTB006 向いていると言いますか「有利」ではありますね。
達見ゆう@カクヨム @tattsumireds 2018年12月31日
作家が孤独というのはわかる気がします。 漫画家の田中圭一さんも仰ってましたが、創作の悲喜こもごもを職場の人や家族と分かち合うことができずに胸にしまいこむしかできないと言う点は、ワナビ含む創作者に共通していることではないでしょうか。 その孤独感よりも創作欲求が強い方が、作家に向いているのではないでしょうか。
Tsuyoshi CHO @tsuyoshi_cho 2018年12月31日
ちょっと引用「_sieraden_ さん : 書かないと死ぬ、息ができない、という人でないと、今の時代、作家(小説家)にはならないほうがいいよなって思う。」に+して、「 そうでないなら、趣味で書くのと発表は格段に楽になったので、そうしたほうがよいから」かなあ。昔は書きたいが、それで食っていくつもり、でない人でももろもろの判断の結果、書くことを仕事にするしかないになって苦労する、みたいなのもあったろうし。
お望月さん @ubmzh 2019年1月1日
ここでも「虚無の暗黒」と戦うことについて書かれている。そして数字を出しながらの説得も。
燐光物質 @naotokakashi 2019年1月2日
厳しい状況の強要……には違いないけれど、たぶん古今東西、芸術とか創作、更には研究開発のお仕事なんかは、孤独でとにかく結果が出るまで走り続けなければならない宿命だと思う。そして変化の激しい今の時代。一般サラリーマンみたいな職種も、孤独で苛烈な環境に曝されていく様に見える
風呂メタルP @hurometal 2019年1月2日
肩書きが欲しいなら「なろう小説」でヒットを狙えばいいと思うけど。「君の膵臓をたべたい」 みたいに映画化までしたら並の小説家より肩書きは十分だろう。
Shiro @Shiromagenta 2019年1月3日
ただし孤独すぎると登場人物にリアリティがなくなったりするんだよね。ある児童小説家が副業でやってた塾をやめて子供との接点がなくなったら、途端に作中の子供がこんなやついないだろ、って感じのになってしまったことがあって。実はかなり社交的じゃないとできない仕事じゃないかな。

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