百年前新聞 1918年末特集『読者が選ぶ今年の重大ニュース1918』

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速報◆4日、カリフォルニアで、「リス・ウィーク」イベントが終わる。戦時食糧の確保のため、作物を荒らすリスを殺すよう、州が子どもに呼びかけた。「もっともよいリスは死んだリス」の標語のもと、少なくとも10万匹のリスを駆除。 ＝百年前新聞社 (1918/05/04) ▼リスの駆除を呼びかけるポスター。 pic.twitter.com/4wbx5Sj0bK

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【社主のニュース解説】《国際》 アメリカ・カリフォルニア州で、リス駆除のイベントがおこなわれました。同州では、ジリスが地中に穴を掘り作物を荒らすことで、年間3000万ドル相当の被害が出ています。戦時中ということもあり、食料確保を目的としています。 ▼リス被害を警告するポスター。 pic.twitter.com/3S7lkKPjqp

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【社主のニュース解説】《国際》 カリフォルニア州のリス駆除運動は、政府のハーバート・フーヴァー食糧庁長官(43)も熱烈に支持。ポスターでは、リスにドイツ兵のピッケルハウベ（スパイク付きヘルメット）をかぶらせ、愛国心をかりたてて市民に呼びかけました。 ▼ドイツ兵風のリスのイラスト。 pic.twitter.com/x5VM49kObH

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【社主のニュース解説】《国際》 このカリフォルニアのリス駆除運動は「リス戦争」と呼ばれ、特に子どもたちの愛国心を高めました。大人でもできない戦争を戦おうという呼びかけは、子どもの競争心をかきたて、結果的に10万匹以上ものリスが駆除されたとのことです。 ▼殲滅された「リス軍」の兵士。 pic.twitter.com/cb3RWcKfe0

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【号外】アメリカのウィルソン大統領が、「14か条の平和原則」を発表。秘密外交の廃止、民族自決原則、国際平和機構の設立などを提唱。 ＝百年前新聞社 (1918/01/08) ▼連邦議会で演説するウィルソン大統領 pic.twitter.com/RhM1NPLv1X

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【社主のニュース解説】《国際》 ウィルソン米大統領＝写真＝が本日、連邦議会において「14か条の平和原則」という演説をおこないました。演説の目的は、戦争の目的と正当性を明らかにし、アメリカ国民の戦意を高めることにありましたが、その内容は格調高く理想を謳ったものになりました。 pic.twitter.com/Oeg1OJ8P3u

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【社主のニュース解説】《国際》 ウィルソン大統領の「14か条の平和原則」演説では、秘密外交禁止、公海自由原則のほか、ベルギーの主権回復、アルザス・ロレーヌのフランス返還、「未回収のイタリア」問題の解決、ポーランドの復活、バルカン半島とオスマン帝国下の民族の自立などが述べられました。

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【社主のニュース解説】《国際》 また、ウィルソン大統領が「14か条の平和原則」で述べた国際平和機構の設立と軍備縮小は、ドイツの哲学者、イマヌエル・カントが『永遠平和のために』で示した理念を下敷きにしていると見られます。内容は理想的ですが、平和の方針として一定の評価はできるでしょう。

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【社主のニュース解説】《国際》 しかし、ウィルソン大統領が真に平和主義的な心情から「14か条の平和原則」を打ち出したというより、ロシア・ソヴィエト政権の「平和に関する布告」への対抗の意味も強いようです。情報筋によると大統領は、最近レーニン首相に先を越されたと悔しがっていたようです。

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【社主のニュース解説】《国際》 「14か条の平和原則」の民族自決の原則は、イギリス、フランスに広大な植民地を手放させることとなるため、無視も考えられます。ただ少なくとも、これらの原則を書いたビラをドイツやオーストリア上空からばらまく計画もあり、同盟国側の戦意喪失に役立ちそうです。

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文化◆7日、尋常小学校の国語の第3期国定教科書が発行される。通称「ハナハト読本」。早い段階から文章の学習に移る点が画期的。また、児童の生活の話など、大正らしい児童中心主義が貫かれている。 ＝百年前新聞社 (1918/02/07) ▼第1学年用の巻一「サルカニ」。10ページ目に早くも長編教材を導入。 pic.twitter.com/J7zbXwEbTx

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文化◆7日、尋常小学校の修身（道徳）の第3期国定教科書が発行される。教育勅語の趣旨にもとづいて、個人道徳・家族道徳を中心に、社会道徳や国家道徳へと展開する構成になっている。 ＝百年前新聞社 (1918/02/07) ▼第1学年用の巻一「忠義」「過ちを隠すな」の項。 pic.twitter.com/LEQ3r22Bef

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文化◆7日、尋常小学校の地理の第3期国定教科書が発行される。日本の国際的地位が高まっている昨今の情勢を踏まえ、日本・世界各地の地名や特産品を網羅して世界のつながりを意識させるしかけ。 ＝百年前新聞社 (1918/02/07) ▼第5学年用の巻一「大日本帝国」の項の一部。 pic.twitter.com/npsGgsXBcM

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文化◆30日、第一高等学校の川端康成(19)が、伊豆旅行へ旅立つ。大阪の茨木中学校在籍のときは教師らに「成績をよく考えろ」と言われたが、昨年みごと合格。しかし、高等学校の寮生活がいやになり、だれにも告げず、一人旅に出た。 ＝百年前新聞社 (1918/10/30)

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文化◆2日、伊豆旅行中の川端康成(19)が、天城越えの途中、旅芸人の一座といっしょになる。そのうちのひとり、踊り子の加藤たみ(14)と意気投合する。 ＝百年前新聞社 (1918/11/02)

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文化◆7日、第一高等学校の川端康成(19)が、伊豆旅行を終える。8日間の旅の途中、踊り子の加藤たみ(14)と親しくなり、その優しさに癒やされた。訪れた湯ヶ島温泉を非常に気に入り、ここを第二の故郷とする。 ＝百年前新聞社 (1918/11/07)

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経済◆1日、森永ミルクチョコレートが発売される。初の国産チョコレート。1個15銭。 ＝百年前新聞社 (1918/10/01) ▼森永ミルクチョコレートの広告 pic.twitter.com/f5JSif5ELk

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【今年の重大ニュース】《年末特集》 〈今年の主な新生児〉 ・中曽根康弘（群馬） ・田中角栄（新潟） ・チャウシェスク（ルーマニア） ・ナセル（エジプト） 〈今年の主な物故者〉 ・クリムト（オーストリア） ・シーレ（オーストリア） ・ドビュッシー（フランス） ・プリンツィプ（セルビア）

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誕生◆27日、群馬県高崎市に、中曽根康弘という赤ん坊が誕生する。関東有数の材木問屋「古久松」の次男。なおまったく関係ないが、今月4日には、新潟に田中角栄という赤ん坊が誕生している。 ＝百年前新聞社 (1918/05/27)