ナウシカはいつ戦闘機乗りに進化したか

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uroak_miku @Uroak_Miku

空の戦争史 (講談社現代新書) 田中 利幸 amazon.co.jp/dp/406287945X 厳密には「空からの爆撃史」ですね。戦闘機はもともと爆撃機を撃墜するためにあって、それが第一次大戦で戦闘機対戦闘機に主軸がシフト…という理解で宜しいですか著者さま。

2019-01-09 23:48:27
uroak_miku @Uroak_Miku

坂井なにがしを筆頭に戦闘機乗りの手記や発言は世界各国にどっさり残っていて、それでアニメや映画に戦闘機乗りが好んで取り上げられるわけだけど、戦闘機つまり航空機どうしで撃ち合うことに特化された軍用機がどうして生まれてきたのかを論じたものは少ない気がする。

2019-01-09 23:57:11
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あの宮崎駿でさえ『人間の土地』(サン・テグジュペリ著/新潮文庫)に寄せた名解説のなかでそこを論じないで済ませてしまっている。なぜ?amazon.co.jp/dp/4102122028

2019-01-10 00:00:56
uroak_miku @Uroak_Miku

amazon.co.jp/dp/406287945X これによると1903年にライト兄弟が飛行機を完成させて以後、ヨーロッパ各国の軍が飛行機をどんどん所有するようになっていった。しかし戦闘機ではなく、爆撃機でもなかった模様。爆撃は飛行船で行うべしが当時のドクトリンだったという。

2019-01-10 00:06:43
uroak_miku @Uroak_Miku

ということは(この本にはどういうわけか記述がないのだけど)飛行機は戦闘用でも爆撃用でもなく偵察用だったようですプレ第一次大戦期は。事実大戦開始時には敵陣の偵察に使われて、敵同士ですれ違うと手を振り合っていたというのんきな時代。

2019-01-10 00:09:05
uroak_miku @Uroak_Miku

しかしやがて空からの偵察が戦局を大きく変えることがわかり、たがいの偵察行動を妨害するのが至上命令となって、レンガとか石とかを投げ合うようになった。拳銃ぱんぱんもスタート。

2019-01-10 00:12:03
uroak_miku @Uroak_Miku

もう脳裏にあのシーンが浮かんでいる方、多いのではないかな。『紅の豚』であのふたりが、弾切れ&弾詰まりで戦闘継続不能となって、ついに操縦席からモノを投げ合って争うあそこ。空戦の歴史をさかのぼっているのです。

2019-01-10 00:16:32
uroak_miku @Uroak_Miku

あの映画、今観ると気持ち悪くなる。中年男がムチムチの美少女エンジニアに妄想抱きまくりなのを豚のかぶりもので徹頭徹尾ギャグに押し込んでいるのが見え見えだから。

2019-01-10 00:18:19
uroak_miku @Uroak_Miku

機関銃を使っての空中戦のさきがけは、意外や意外、二ホン!チンタオのドイツ軍偵察機が機関銃を載せていて、日本の偵察機を威嚇翻弄。日本側が負けてたまるかと陸地用機関銃を飛行機に載せて空中で対抗。1914年。第一次大戦開始の年。

2019-01-10 00:25:04
uroak_miku @Uroak_Miku

いわゆる「戦闘機」の誕生は翌年のフランス。プロペラ軸から発射できる機関銃を装備した飛行機が開発されて、これが今でいう戦闘機の第一号。 pic.twitter.com/cxfHZthhiK

2019-01-10 00:27:47
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uroak_miku @Uroak_Miku

ああ、するとこの後のことなのですね『紅の豚』の回想シーンでの空戦は。

2019-01-10 00:29:02
uroak_miku @Uroak_Miku

だんだん興味がわいてきたぞこのあたりのこと。

2019-01-10 00:31:03
uroak_miku @Uroak_Miku

せんとうきって何のためにあるんだろうって前から思ってた。以前、押井守がアニメの『ナウシカ』を腐して「あの男の子の乗ってた戦闘機だってそうだよ。バカガラスを撃墜したかもしれないけど、迎撃戦闘機で重爆を火だるまにしてやるっていう、その発想がダメだって!」って、よくわからないです。

2019-01-10 05:26:19
uroak_miku @Uroak_Miku

どしろうとなりに考えるに、制空権を守る/奪うためにあるんですねせんとうき。地上こうげきとかぐんかんをしずめるとかもあるのだけど、第一次大戦での航空機の運用(の文献)をながめると、結局、空にいる敵を妨害して蹴散らすのがせんとうきのしごとなのがわかる。

2019-01-10 05:32:26
uroak_miku @Uroak_Miku

映画のナウシカで、アスベルが大型機を血祭にする理由はなんだったのだろう、故郷である都市国家ぺジテを占領された+妹を連れていかれたことへの復讐以上の動機がよくわからない。制空権掌握(または維持)のためでもないわけだし。 敵戦力を減らすため、くらいかな効果としては。

2019-01-10 05:36:41
uroak_miku @Uroak_Miku

飛行機の戦争 1914-1945 総力戦体制への道 (講談社現代新書) 一ノ瀬 俊也 amazon.co.jp/dp/4062884380 再読。白人への劣等感克服の回路として航空機人気はあった等の卓見多数なれど、ドッグファイトが戦前日本でどう大衆に喧伝されていたのかの記述ゼロなのはなぜなのか?他書にも同じ穴がある。

2019-01-11 19:29:19
uroak_miku @Uroak_Miku

幼い宮崎駿は迎撃戦闘機でB29を叩き落す夢想を果てしなく繰り返したという。しかし戦闘機同士の戦闘についてはどうだったのかな?戦前昭和にはその手の議論が大衆向けにあったのかな。twitter.com/KaoruKumi/stat…

2019-01-11 19:32:35
uroak_miku @Uroak_Miku

単機で敵のでっかい軍艦を沈めてしまうとかの夢想は戦前日本でさんざんプロパガンダされたようだけど、敵の凄腕操縦士と空戦を繰り広げる系の剣豪的夢想は、ひょっとしたら戦後の戦記物ブーム以降か? 私自身そういうのはSFアニメのなかで知った口だったし。

2019-01-11 19:35:50
uroak_miku @Uroak_Miku

これが坂井三郎の『大空のサムライ』を下敷きにしているのは原作小説を読んでいて私でもすぐわかった。 しかし戦前の少年たちの胸を躍らせたのは空戦ではなく敵のぐんかんを沈めるとか海軍基地を焦土にするとかのファンタジーだった、らしい。 pic.twitter.com/wALRwJ2lAZ

2019-01-11 19:39:26
uroak_miku @Uroak_Miku

昭和17年公開の『ハワイ・マレー沖海戦』。情のある上官や先輩たちに鍛えられた少年兵たちが鬼畜米英の海軍基地を壊滅させるクライマックス!ここには空戦のイメージは見られない。小さな存在が、精進と根性によって巨大な敵を倒してみせるビルドゥングス・ロマン。youtu.be/tAFje853nA4?t=…

2019-01-11 19:45:24
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uroak_miku @Uroak_Miku

昭和59年の『ナウシカ』で、少年兵アスベルが敵国の超大型輸送機の群れを単機でがんがん墜としていくところ、まさに戦中の男の子たちが夢見た空のビルドゥングス・ロマンに思える。

2019-01-11 19:50:24
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面白いのは、それを止めるのが女の子だってことです。 pic.twitter.com/qD9iWh7QlM

2019-01-11 19:51:52
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uroak_miku @Uroak_Miku

戦時中に空戦はどのくらいニホンジン大衆のあいだで燃える実録として語られていたのか? ここ、今のところ私を満足させてくれるような研究が見当たらない。

2019-01-11 19:55:01
uroak_miku @Uroak_Miku

第一次大戦時、ヨーロッパでは10機墜としたら「エース」と呼ばれ、メディアでばんばん英雄として取り上げられていたという。(写真はフランス軍) しかし日本では感状とか叙勲とかが日中戦争以後にはあったものの派手にプロパガンダされることはなかった模様。軍事機密扱いだったからでしょうか。 pic.twitter.com/GvCRjRp6In

2019-01-11 20:04:29
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