≠彼女たちのクリスマス

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レン @rain560509

《≠彼女たちのクリスマス》 私は今、一人でレストランに向かっている。 世間はクリスマスで賑わっていて、街にはたくさんのカップル達が行き交って、楽しそう。 そんな私にも愛する人が居るのだけれど、彼はクリスマスなど関係なく仕事なので、クリスマスデートなどしたことがない。 #エイトで妄想

2018-12-26 01:10:29
レン @rain560509

イルミネーションには全く興味が無い私でも、クリスマスは一緒に過ごせたらな…なんて思っちゃったりするんだよ?分かってるのかな。 それなのに、あれは何? そんな事を考えながら目的地に着くと、既に到着していた2人。 「遅くなってごめんね。」 [大丈夫、私達も今来たところ。] 【 そやで。】

2018-12-26 01:10:29
レン @rain560509

合流したのは丸ちゃんの彼女のみわちゃんとヤスくんの彼女の海唯ちゃん。 忠義の彼女である私と3人でクリスマス女子会をすることになった。 当然、2人の彼もクリスマス関係なく仕事なので、暇を持て余した3人で集まったのだ。 とは言え、イブはもしかしたら彼が早く帰ってきてくれるかも…なんて

2018-12-26 01:10:29
レン @rain560509

淡い期待を抱いてしまうのが女心で、3人とも部屋で待機してたのに、起きているうちに彼が帰ってくることはなかった。 今日も、きっと帰ってこないだろうとゆう事で予定通り、予約していたレストランでちょっとリッチな女子会。 美味しいお食事とそれに合うお酒も嗜んで、気分よくレストランを出た。

2018-12-26 01:10:30
レン @rain560509

【ここの料理、美味しかったなぁ。】 「そうだね。いっぱい食べちゃった。」 [ねぇ、まだいいでしょ?BARに行かない?] 【あ、丸ちゃんのいきつけ?】 [うん。何度か連れてってもらったんだ。] 「どうせ帰っても1人なんだし行こっか。」 盛り上がって丸ちゃんが行きつけのBARにやってきた。

2018-12-26 01:10:30
レン @rain560509

そこで、ほろ酔い気分に任せて2人に話すことにした。 「あのね、聞いて欲しいことがあるの。」 【えー、どうしたん?】 [大倉くんの事?あれからどうなの?] 「んー、あの後ちゃんと仲直り出来たことは話したと思うんだけど…」 【またミレイとかゆうやつが何かしてきたん?】 「それは大丈夫。」

2018-12-26 01:10:30
レン @rain560509

[じゃあ、なに?] 【私ら、〇〇ちゃんの見方やねんから、何でも言いや。】 「実は、さっき出かける支度してる時に、引き出しに知らない紙袋を見つけたの。」 【紙袋?】 「うん。気になって中を見ちゃって。」 [で、何が入ってたの?] 「いかにもって感じの小箱。その中は見なかったけど。」

2018-12-26 01:10:30
レン @rain560509

【でも、きっと入ってるのはアレやと。】 「そう思う。でもね、私の仕事ってアクセサリーとか全部禁止だし、今までそんなの貰ったこと一回もないから、誰にあげるのかな?って。」 [誰か他の人にあげるのを隠してるってこと?] 「そう、なのかな…」 【浮気じゃなかったとか、嘘やったってやつ?】

2018-12-26 01:10:31
レン @rain560509

[まさか、そんなわけないって。] そんな話をしながらお酒もすすんだ。 悲しくて、忘れたくて、でも飲みすぎたかも。 そんな時、同時に鳴る3人のスマホ。 【仕事終わったみたいやな。】 [そろそろ帰らないとまずいね。] 「…うん。」 [あ、電話。ちょっと待って。] みわちゃんが電話に出る

2018-12-26 01:10:31
レン @rain560509

[隆ちゃん、ごめん。〇〇ちゃんと海唯ちゃんと女子会してたんだ。私も今から帰るね。……え?今は、……えっと、BAR、です。………そう。……はい。] 【丸ちゃん、何って?】 [今から迎えに来るって、3人で。] 「え、忠義も?」 [3人ともここに居ろって。] 【これって、ヤバい展開?】

2018-12-26 01:10:31
レン @rain560509

[そうかも、ごめん。] 「ううん、みわちゃんのせいじゃないよ。」 【そーやで。】 それから、しばらくすると本当に3人で迎えに来てくれた。 ⦅こらっ、女の子だけでこんな時間までって、アカンやろ!⦆ 〈何かあったらどうするん!〉 相当ご立腹な彼氏達。でも、忠義は何も言わない。何で?

2018-12-26 01:10:31
レン @rain560509

⦅何もなかったらええけど、次からはこんなんしたアカンで?⦆ 〈そやで。しかも、クリスマスやしどんな変なやつが歩いてるかもしれんのに。〉 【ごめん。】 [ごめんなさい。] ⦅分かってくれたらええねんで。さ、帰ろ?⦆ 丸ちゃんがスマートにお会計を済ませてくれて、BARを出て、解散した。

2018-12-26 01:10:32
レン @rain560509

タクシーを拾って部屋まで帰るけど、忠義は何も言わない。 その沈黙の意味は何?2人みたいに怒ってくれないの? タクシーを降りて、歩こうとしたら、よろけてしまう。 忠義が支えてくれて転けずに済んだけど、それでも無言。 ねぇ、怒ってるの?せめて何か言ってよ。 無言のまま手を引かれて部屋へ

2018-12-26 01:10:32
レン @rain560509

「忠義、怒ってる?」 『怒ってへん。』 「じゃあ、なんで何も言わないの?」 『何も言うことないからやんか。』 何も言うことないの? ヤスくんや丸ちゃんみたいに心配して怒ってくれないんだ。 「わかった、もういい。忠義、迎えになんか来なきゃよかったのに。もう、どうでもいいんだよね。」

2018-12-26 01:10:32
レン @rain560509

『は?』 「私の事、どうでも良くなっちゃったんでしょ?」 『何でそうなるん?』 「忠義、他にいい人が居るんでしょ?」 『ちょ、待って。浮気してなかったって。信じてくれたんちゃうの?』 「信じたよ、信じてたよ。」 『なら何でそうなるん?』 「引き出し。」 『は?引き出し?……!』

2018-12-26 01:10:33
レン @rain560509

気づかれないとでも思ってたの? 『え、あれ見たん?』 「うん、箱だけね。」 『そうなんや。』 「どうせ、今から渡しに行くんでしょ?いいよ行って。」 『分かった。』 え、分かったって何?ホントに行くんだ。 引き出しに取りに行った忠義をぼやける視界で見ているしか出来なかった。

2018-12-26 01:10:33
レン @rain560509

あっさり認めた忠義。 否定されなかったことが悲しくてボロボロないてしまう。 『そんな泣くなら、行ってええなんて言うなや。』 忠義が紙袋を手に戻ってきた。 「もう、ほっといてよ。」 『ほっとけるわけないやろ。』 忠義が手を伸ばしてくるけど、泣きながら振り払う。 『〇〇落ち着いて』

2018-12-26 21:13:43
レン @rain560509

「もうやだぁ。」 『ええから〇〇落ち着けって。』 今度は忠義に手を引かれ忠義の胸の中へ。 「やだ、離して。」 『離さへん。』 「離して!」 『絶対離さへん。』 「もぅ、何でよ…」 『なぁ〇〇、教えて?何でオレが浮気してると思うの?引き出しのやつ見たから?他には?』 「……」

2018-12-26 21:13:43
レン @rain560509

『なぁ、ちゃんと言うて?』 優しく諭されて、ポツリポツリと言葉になる。 「……忠義、怒ってくれなかった。」 『え、どうゆうこと?』 「さっき。」 『さっきって、迎えに行った時?』 「うん。ヤスくんや丸ちゃんは心配して、ちゃんと怒ってくれてたのに、忠義何も言うことないって。」

2018-12-26 21:13:44
レン @rain560509

『〇〇、教えてくれてありがとう。ごめん〇〇。でも、オレは〇〇を責められへんかった。クリスマスなのに、家で1人で居ってなんて言えへんから。ほやから、みわちゃんや海唯ちゃんと楽しく過ごせたなら、ええんかなって思っちゃってん。それは、オレの贖罪やから。』 忠義そんな風に思ってたなんて。

2018-12-26 21:13:44
レン @rain560509

「あの時、ホントはどう思ってたの?」 『ほんまは嫌やった。しかも、〇〇達は気がついてないけど、奥にいたサラリーマンに狙われてたで。マスターが丸と仲良しやから上手く交わしといてくれてたみたいやけど。』 「嘘、知らない。」 忠義の胸の中、忠義の優しい声と鼓動が聞こえて落ち着いてくる。

2018-12-26 21:13:44
レン @rain560509

『でも、オレは仕事やったとしても傍に居てやれなかったんやから、悪いのはオレ。』 「ううん、忠義は悪くない。ごめんなさい…。」 『分かってくれた?』 「うん、ごめん。」 そこで身体が離された。 『ほんなら、コレ渡してええ?』 目の前には、あの小箱。 「え、うん。コレ誰にあげるの?」

2018-12-26 21:13:45
レン @rain560509

『え?ほんなら教えたるから目、閉じて。』 「え、何でよ。」 『ええから、はよ。』 仕方なく目を閉じると、チュッとキスされる。 「もう、何なの?」 『ふはっ、かわえ。』 「可愛くない。」 『ごめん、もっかい閉じて。』 気になって仕方ない私は素直に目を閉じたけど、またキス、今度は深いやつ

2018-12-26 21:13:45
レン @rain560509

「んっ、ふ、っ…」 長い口付けに苦しくなって胸を押そうとするけれど、その手を取られてしまう。 指を絡められて抵抗する術を奪われて、苦しい中、必死にキスについてく。 『〇〇、愛してる。』 キスの隙間に紡がれた言葉。 キュンとしたその隙にスルスルと脱がされていって、そのまま…。

2018-12-26 21:13:45
レン @rain560509

行為後、二人で息を整える。 「っ、はぁ…忠義、ずるい。」 『何がよ。』 「教えてくれるって言ったじゃん。」 『え、ちゃんと教えたやん。』 「え、いつ?」 『ほんまに、わからんの?』 ニヤニヤ笑ってる忠義にムカついて、手を出そうとしたらようやく気づく違和感。 「え、コレいつの間に?」

2018-12-26 21:13:46