少前ログまとめ 2017年11月-12月投稿分

orphe @orphechin

ぼくは金塊と札束(なんかもう１割ぐらい減ってる)を見ながら頭を抱える。「サツにこれ持って出頭してぼくの人形が粗相してすいませんっていうのかい?らしくないぜボス。なーにちょっとオフショアに流してジャブジャブすればすぐに綺麗になって帰ってくるカネだぜ」#少前ログ

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「……オフショアの口座は」この年で一生豚箱に入るわけにはいかない。腹をくくることにした。 「カリブ海には夢とロマンがつまってるんだ、安心しな。ボスの名義でしっかり作ってある」「禁煙させるぞ」「それはゆるして」ぼくはトンプソンの手錠を外す。「……二度とするなよ」 #少前ログ

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トンプソンは不敵に笑い、帽子を被り直し葉巻に火をつけると「ボス。日本という国には"仏の顔も三度まで"という格言があるらしいぜ」「それがどうしたの」 「三回までなら実質無罪ってことだよ」 絶　対　に　違　う　。 #少前ログ

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「………」 「………」 異常に眼光の鋭く、また異常に顔の良い女二名が真正面から向かい合っている。 片や、HGのウェルロッド。 片や、ARのG36。 二人の眼光は空間を歪ませ、お魚加えて逃げ出す愉快なIDWがその間に紛れ込んだ所心臓麻痺の上縮退し消滅した。#少前ログ

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「『ｱｯﾃﾒｺﾗｰ!?ｱｲｻﾂｼﾈﾉﾄﾞﾕｺｯﾀﾞｸﾗｯｽｿﾞｺﾗｰ!!』 『ﾝﾀﾞﾙﾙｫｧｧ!?ﾄﾁｷﾞｱﾝﾂｨｵﾒﾃｯﾄｼｮｯﾁﾈｰｿﾞｯﾗｰ!??』…と今にも言い出しそうだな、ボス」トンプソンがぼくの隣で二人のナレーションをする。どこの言葉だよそれ。#少前ログ

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だがこの両者の空気は尋常ではないのは確かだ。さっきIDWが消えたのも事実だし。どちらが先に抜くか。 口が先か、銃火が先か。期待の新人二名の顔合わせはあたかも西部劇の決闘となり、指揮場はいまOK牧場となった。 「賭けようか、私はG36が先に抜くと見た」#少前ログ

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「見ろ、G36を。一点を睨み付けてるように見えて、実の所視線が僅かにブレてやがる。押されてる証拠だ。一方でウェルロッド、あの新入りスパイの態度は堂に入ってる。堪えきれなくなったメイドが先に抜き、スパイが正確に奴の額を撃ち抜くな」的確に両者の違いを見抜くトンプソン。　#少前ログ

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刹那。 「ごめんなさい」 G36が口を開く。降伏宣言か? 「私の眼鏡……どこにあるかわかりませんか?掃除の時に落としてしまったようで」 するとウェルロッドがあっ、という表情をする。「もしかして、工廠に落ちてた赤い眼鏡のことでしょうか?」そしてすたすたと３６に歩み寄る。#少前ログ

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ポケットからハンカチに包まれたそれを取り出すウェルロッド。「こちらでしょうか」「ああそれです!良かった、１品モノなので壊れてたらどうしようかと!ありがとうございます!」深々とお辞儀をするG36。「礼には及びません。お役に立てて良かった」決闘や栃木弁はどこへいったのか。#少前ログ

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「失礼、ちょっと汚れがついてますね…少しお待ちを」ウェルロッドはハンカチで丁寧に眼鏡を拭うと、そのままG36の目にそれをかけた。途端にメイドに浮かんでいた凶相は消え去り、理知的な表情になる。 「いかがですか?」 「綺麗に拭いていただいたおかげで、よく見えます」#少前ログ

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G36はすまなそうにウェルロッドに頭を下げる。「私の顔、怖くありませんでしたか?眼鏡がないとつい目付きが険しくなりすぎて……」「正直申し上げますと」ウェルロッドが咳払いし顔を赤らめる。「私の顔つきが怖くて、萎縮されているものかと。この通り極端な三白眼なもので…」#少前ログ

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「いえ、そんなことは!そもそも貴女のお顔も何もよく見えなかったので。…それに、貴女は怖い人には見えませんよ。誰のものとも知れない眼鏡を、丁寧にハンカチにくるまれるような方ですもの」 「…あー、なら、良かったです」視線をまごつかせながらウェルロッドは会釈する。#少前ログ

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「…誤解されやすいのはお互い様のようですね」苦笑するG36。「新人の方ですか?お名前をお伺いしても?」 「ウェルロッドMK2と申します。えー、私はスパイなどをしておりまして!あ、それは銃時代の話ですが、ふつつか者ですがどうかよろしく!」 「G36。メイド兼自動小銃です」#少前ログ

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「せ、戦術人形というものは……色々な仕事をするものなのですね」 「はい。私の場合民間上がりということもありまして、掃除洗濯家事全般は一通り心得ております。ウェルロッドさんも、服が汚れた時は遠慮なくお申し付け下さい。鉄血の返り血の染み抜き程度、難なくできますので」#少前ログ

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「その時はその、よろしくお願いします…少し悪い気もしますが。同じ同僚なのに」「お気になさらず。好きでメイドをしておりますから。ところでこれからコーヒーでもいかが?ここの指揮場はアラビカ豆のいいのが集まっているのです」 「紅茶はいただけますか」 「もちろん」 #少前ログ

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そうしてメイドと紳士は休憩室の方に歩いていった。 「なあ」ぼくはトンプソンに聞く。「撃ち合いと勝敗の解説について、何か補足は?」 「フッ、そうさな」トンプソンはグラサンを上げてニヒルに呟く。「ぶっちゃけすごくはずかしい」 わかる。 #少前ログ

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両者の誤解が解け、和やかに歩み去ったことでぼくたちのいる場所の空気が緩み、正常化された空間から「あぁいでぃぃだぶりゅううだにゃああ」とIDWが甦ったことで、無事事態は収まった。 しかし誰が知るだろう。その一方で、一名が墓になっていたことを。 PPK。人呼んで限界百合厨。#少前ログ

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「人形だらけの世界……メイドと紳士……顔のいい女たち……何も起こらないわけがなく…フフッ、アハハハ!!素晴らしいわ、心踊るわ!これからの展開に、関係性に!!」 「なあわーちゃん、なんで廊下のど真ん中に墓が立ってんだ?」「知らないわよMG3。それにしても煩いわねこの墓標」#少前ログ