【幽波紋呟奇譚】(新田古来その5)【独ミ】『恵方を求めて』

新田古来『アクセル・エフ』 @nittacoki

【独ミ】『公園』の風が身に染みる。 私はスーパーの袋を手にさげベンチで佇んでいた。 「どこへやったのか…」 実は私は家の鍵を無くしていた。 すぐに鍵屋に連絡すべきなのだろうが、少しでも節約したい身。 スーパーから家までの道を念入りに探し回っている途中というわけだ。→ #幽波紋呟奇譚

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「どうしましたァ」 突然の声。聞こえた方を見やると金髪ツーブロックの若者がいた。 「いや…『無くしもの』をしてしまってね。探しているんだ」 私は素直にそう答える。 「それはそれは！ツイてないってヤツですねェ〜〜〜。でもさ！アンタ、持ってるんでしょ、『アレ』」 #幽波紋呟奇譚

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「ーーー『アレ』？」 私はが首を傾げると、 「『アレ』ってのはアンタのスーパーの袋から覗いているモンっすよォ。いいッスよね〜〜〜『縁起物』」 私は視線を袋にやり、把握する。 「『恵方巻き』」「そう！ 『恵方巻き』！」 男がだらしない笑みを浮かべてくる。→ #幽波紋呟奇譚

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「ハロウィンと言いこうゆうのはさ〜〜『売ってるヤツ』の陰謀だなんて言ってるの聞くけどさァ、そうゆうのってヤボじゃないかって思うんスよね。ハッピーになれるんならそれで良くないッスか？ アンタは困ってる。だったら『恵方巻き』のハッピーパワーを利用しましょうよッ！」 #幽波紋呟奇譚

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……確かに私だって『恵方巻き』を買った身だ。恵方巻きの効果を素朴に信じているといえばそうだ。ただーーー 「それで『無くしたもの』が出てくると？」 「『ハッピーパワー』ッスよ！」 ………。まあ探し疲れて空腹なのは事実だ。私はゴソゴソと袋から『恵方巻き』を取り出した。 #幽波紋呟奇譚

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それにあわせるかのように男も自分のバッグから『恵方巻き』を出してくる。 「独りで食べるのもサビしいでしょうしお供しますよッ！ 『同伴喰い』ってヤツっすよ！」 聞いた事のない概念を提唱してくる。『恵方巻き』は同型。同じ近くのスーパーで買ったもののようだ。 #幽波紋呟奇譚

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「で、アンタ、『恵方巻き』のルールは知ってますよね？ 『方角』『沈黙』『禁切』ってヤツですよォ！」 今年の方角は『東北東』、『沈黙』し、『切らずに』食べる。 『恵方巻き』を買った身としては当然の事前知識だ。 「それを破れは『ハッピー』は逃げちゃいますからねェ〜〜！」 #幽波紋呟奇譚

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私は男の言葉に頷き、まずはスマホのコンパス機能で『東北東』を把握する。 ベンチに座ったままだと向きづらかったので立ち上がり、スタンバイだ。 男も同様の方向に向き『恵方巻き』を構える。あまりお互いが近くても気持ちが悪いため、5mほどの距離を置き、横並びの形になった。 #幽波紋呟奇譚

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「じゃあ行くッスよ〜〜」 男が声をかけ、私は頷く。少々恥ずかしい気もしてきたが食べ終わるまで数分程度、これで鍵が見つかるとしたら安いものだし、ダメでも失うものはない。 ガ ブ リ まずは、一口。続けて…… 【ガッッ】 #幽波紋呟奇譚

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『その小石』を避けられたのは全くの偶然だ。 横にいる男の傍に『小鬼のような人型』が現れたのを、そしてその投擲モーションをたまたま確認出来たからに過ぎない。 【外しちゃったッスねェ〜〜】 独特なテレパシーのような声が脳内に響く。これは、『スタンド会話』か。 #幽波紋呟奇譚

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【あ、これはノーカンっすよ。喉使ってないし沈黙は守ってる】 自分ルールを主張する男。ただそれを否定は出来ない。恵方巻きのルールではスタンドなど想定されてないのだ。 【『ハッピーの総量』ってあると思うんスよねェ。アンタが福を逃せばそれだけオレんとこに来る！でしょ？】 #幽波紋呟奇譚

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またも自分ルール。 だが、つまり、男は私の『恵方巻きチャレンジ』を失敗させようとしているのか。『方角』を変えず、『声』を出さず、恵方巻きを『切らせない』。 だが、相手もまたチャレンジ中。 条件は一緒。 さて、私はーーー #幽波紋呟奇譚

新田古来『アクセル・エフ』 @nittacoki

Ｑ1．何崩し的に始まった『恵方巻きバトル』。次に新田がとった行動は… (その他はDMにて行動提示を。最多ならその中から行動選びます。また、良いトリックなどは後の展開で使わせて頂く場合があります)

新田古来『アクセル・エフ』 @nittacoki

私は右手で恵方巻きを持っている。なので左腕を男に向け、 『シャァーーーーッ！！』 『コートの隙間』からの『跳躍』。 切込隊長の１号が男に『奇襲』をしかけるッ！ 【うぉッと！？】 男の鬼型スタンドが咄嗟に出した拳が１号を掠めるが、彼の勢いを止める事は出来なかった。 #幽波紋呟奇譚

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１号の『視界』で泡を食った男の間抜け面がよく見える。私が狙うのは恵方巻きルール第3条『禁切』だ。 騎士の『剣』はそれを成すのにうってつけ。神速ともいえる『跳躍』の勢いで一気に『恵方巻き』を叩っ斬るッ！ 『スッパァァーーッ』 #幽波紋呟奇譚

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………ここで私は『違和感』に気付く。１号の剣を持つ『手』がおかしい。 『手』から『異物』が溢れており『剣』をまともに持っていられない。 だからーーー 【ヘン！ ちょっとだけビビりましたがねェ！ 空振り残念んン〜〜】 斬撃は男の恵方巻きには当たらず、虚しく空を切った。 #幽波紋呟奇譚

新田古来『アクセル・エフ』 @nittacoki

そして、私は自身が『恵方巻き』を持つ手にも違和感があるのに気付いた。１号とは違いごく小さなものの為、恵方巻きを落とすような事はなかったが…… 見てみると種子のようなものだという事が分かった。 そして1号の手を改めて確認し、その正体を理解する。 【コレは…『豆』か】 #幽波紋呟奇譚

新田古来『アクセル・エフ』 @nittacoki

【ご名答！ しかしアンタ、『効き』が悪いっスねェ〜〜。いつもの半分、いや、三分の一くらいの大きさしかできないッスよ？ それが能力ッスか？】 語る男。さっきの隙間からの跳躍は『カッコつけたポーズで元から早いスタンドを発現、攻撃させた』くらいにしか捉えていないのだろう。 #幽波紋呟奇譚

新田古来『アクセル・エフ』 @nittacoki

能力の全てを駆使したのに未だ能力を出していないと思われるのはそれはそれで悲しい気もするが、この場ではアドバンテージとなりうる。能力の効きが悪いのはDFの問題だろう。おそらく最初に掠られた時に発動されたのだ。 『豆』が溢れ、それに邪魔されものが持てなくなる能力…… #幽波紋呟奇譚

新田古来『アクセル・エフ』 @nittacoki

恵方巻きを落とせない私、そして武器持ちである『アクセル・エフ』達にとって相当厄介な能力だ。 【じゃあ今度はこっちから行くッスよッ！】 その言葉と共に『鬼型スタンド』手をハエのように擦り始める。それと共にスタンドの手からみるみる『豆』が大きく育っていく！ 私はーーー #幽波紋呟奇譚

新田古来『アクセル・エフ』 @nittacoki

Ｑ2．新田の次の行動は？ ※今回より、通常選択を選んだ場合でもDM・リプライを受け付けています。詳細やトリックなどあれば是非。ただそのアイデアの使用未使用・取り入れ方は全てこちらで決めさせて頂きます。納得の上ご投稿ください。

新田古来『アクセル・エフ』 @nittacoki

現状は互いに5mの距離で同じ方向を向いている。 奇襲した１号は、空振り後、完全に剣を落とした。そして今、もう片方の手からも『豆』が溢れ出し盾を持っていられる状態ではなくなった。勢いよく空ぶったためバランスを崩している。立ち直るのに少し時間がかかるだろう。 #幽波紋呟奇譚