不定期マンガ感想#3：ジャンプNEXT! 2011spring増刊（前）

テリー・ライス @terry_rice88

頑張って、ジャンプNEXTの感想でも書いてみる。

テリー・ライス @terry_rice88

前回と同様、本誌連載の番外編、企画漫画等は感想の対象外としますのでご了承ください。今回も掲載順に感想、前半後半と区切ります。掲載作品は全１４本なので７本ずつの感想になります。

テリー・ライス @terry_rice88

では、感想を始めます。

テリー・ライス @terry_rice88

ジャンプNEXT!'11Spring感想前半

テリー・ライス @terry_rice88

「GODLAND COMPANY」（作：岩代俊明）　連載経験作家さんの読み切り。「PSYREN-サイレン-」終了以来の作品。とりあえずは連載を視野に入れた読み切りってことで間違いなさそうです。読み味はさすがの安定感。特に苦もなく読み進められるのはいいことです。

テリー・ライス @terry_rice88

主役格の少年は作者さんが、連載デビュー以前に赤マルジャンプに載せた「狗童-KUDOH-」のリファインキャラのようですねえ。前作よりは年齢層を狙った感じの作風になりました。お話の内容は退魔系トラブルシューティングものに怪物くんが混ざった感じかなあ。

テリー・ライス @terry_rice88

ページ数の関係もあって、事件が起こって、キャラの顔見世程度の内容しかなかったのは残念だけど、それぞれの個性はありそうなので、面白くはあるかなあ。それぞれ魅力的ではあると思いました。ただネックはこの作品が連載になったときどう舵取りをするかになってくるんだろうなあと。

テリー・ライス @terry_rice88

低年齢層を狙った感じの作りになってて、それはそれで好感が持てるけど、今のジャンプにそういった需要があるのかどうかっていう点で不安になってくるかなあ。なかなか難しそうな印象がします。あとクセがなく、整ってるせいか、読後感が地味というのも難点といえば難点。

テリー・ライス @terry_rice88

面白いし、安定してる。技術レベルは高い。けど、読んだ印象としては薄い作品と言わざるを得ないかなあと。連載に向けて、何かもう一つ武器か、強力な設定が欲しい作品でした。

テリー・ライス @terry_rice88

「あくゆう！」（作：平尾友秀）新人さん。なんだか妙な作品だなあ。悪魔の友達で「悪友」なんですが、それにしても。話の設定は古代イスラエルの王、ソロモン王（史上最も強力な魔法使いという設定）に封印された悪魔が現代に。という内容。コレだけだったらバトル漫画に設定されてもおかしくない。

テリー・ライス @terry_rice88

けど、この設定で友情を軸にしたコメディに走ったのは面白い。後半、バトルが入るけど、そっちの描写よりは友情ドラマの方に力が入っていたように思いました。メッセージは学園ドラマの定型に沿ったもので、凄くまっとうな感じが出ており良かったように思います。

テリー・ライス @terry_rice88

ただ惜しむらくは、絵があまり上手くないが一点と、なんとなく演出が間延びしてて、メリハリがなかったのが残念。設定が設定だけにバトルを入れたかったんだろうけど、画力が足りないせいでイマイチ迫力や緊迫感がない結果になってしまったなあ。

テリー・ライス @terry_rice88

設定と話が悪くなかっただけにちょっと惜しい感じでした。けどこういう組み合わせが出来るってだけでも、かなり武器だと思うので、頑張って精進欲しいなあと思わせる作品でした。

テリー・ライス @terry_rice88

「科学と破壊と連続殺人犯」（作：河合想平）新人さん。えーと、これはミステリ的に分類するとバカミステリーというジャンルなんでしょうかねえ。その手の小説とか読み込んでそうな感じですね、この作者さん。少年漫画としてはかなり独特な作風ではないかと。

テリー・ライス @terry_rice88

謎に対して、超越者がその謎をその能力を使って破壊するという、ミステリーのようでミステリーの文法を破壊してる印象。だからトンデモ漫画の部類なんでしょうねえ。そういう点ではキャラの立った漫画ともいえます。ほぼ同ジャンルに魔人探偵脳噛ネウロという作品がありますが印象がまた異なりますね。

テリー・ライス @terry_rice88

ネウロは頭から尻尾の先までトンデモですが、こちらはかなりスマートにトンデモをやってる感じかなあ。それでもするっと出てくる、作品メッセージが心理を突いてたりするから侮れない作りになってるのが面白い。

テリー・ライス @terry_rice88

欠点を挙げるとコマ単位レベルで絵のバラつきがひどい印象。正面や左向きの顔の絵は綺麗なのにそれ以外がひどかったり、ギャグ漫画のような簡略絵が時たま入るのは作品の雰囲気を損ねてるようにも感じるけど、そこら辺は個人差かもしれません。

テリー・ライス @terry_rice88

雰囲気がオフビートな作品だから演出に起伏があまりないもの仕方ないけど、もう少し盛り上げ方があったようにも。とはいえ、欠点を補えるくらい話が纏まっているので、コレも面白く読めた感じ。本誌の連載に来る場合、もう少し捻りというか、もっと暴走した方が面白くなりそう。今後が楽しみです。

テリー・ライス @terry_rice88

「ふぁみドル！」（原作：坂本次郎、作画：ミウラタダヒロ）コンビ読み切りその１。原作の人はあの「タカヤ -閃武学園激闘伝-」の坂本裕次郎だという噂も。作画の方は新人さんの模様。絵はいまどきの絵柄で華がありますねえ。

テリー・ライス @terry_rice88

両親が再婚して、片方の連れ子が超人気アイドルでした。というラブコメ。ヒロインの設定だけで一点突破するという物凄く清々しい作りの作品ですね。ヒロインが可愛い、ツンデレで適度に健気というのはラブコメの黄金率かと。

テリー・ライス @terry_rice88

ヒロインの魅力を思う存分、発揮させるための作りになっていて、事件が起きる訳でもなく、ヒロインとの生活をハートフルに描いただけに留まった作品ですが、かといって食い足りないわけでもなく、読後感が爽やかだったのは情報の出し方などが上手かったからなんだろうなあと。

テリー・ライス @terry_rice88

全体の流れがスムーズなのも原作の上手さが光ってる感じでしたねえ、結果エロのないラブコメとしてはかなり純度の高い作品になっていたかと思います。これは本誌でちょっと読んでみたくあるかなあ。清涼剤的な存在になれそうな予感がします。

テリー・ライス @terry_rice88

「現存！古代生物史バッキー」（作：レツ）新人さん。ギャグ枠。一読した印象だと安定してるなあと思った。いわゆる異生物同居ギャグ。ギャグの読みきりはどこで笑うか個人差はあるけど、この作者さんはボケとかツッコミが小慣れている感じですね。

テリー・ライス @terry_rice88

そのおかげで話のテンポに乗って、ギャグで笑いが取れている印象を感じました。序盤は割りと定型な出だしでそうでもなかったんだけど、後半に行くにつれてシチュエーションがエスカレートしていくと笑いを誘うシーンがいくつかありましたねえ。これが序盤から続いてたらなお良かったんですが。

テリー・ライス @terry_rice88

でも、新人さんでこれは立派なレベルだなあ。この調子で続けていってほしいと思わせる内容でした。