即興でアラブBLを書いてみた

タイトルどおりです。アラブ王受けの話が出ていたので、乗っかって書いちゃいました。即興なので辻褄ガタガタですが(・ε・)キニシナイ!!
BL
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🌝 @rev_mgmd

アラブ王受けってないのかな

2010-04-07 21:10:01
🌝 @rev_mgmd

アラブ物でオークションってたくさんあるんだから、一作ぐらいアラブ王受けないもんかな・・・

2010-04-07 21:24:12
🌝 @rev_mgmd

@mgnsstar 攻めがアラブ王(受け)に買われる話が気になります・・・! でも買われるアラブ王っていうのも萌える'`ァ,、ァ(*´Д`*)'`ァ,、ァ

2010-04-07 21:42:47
龑村ももか6部2章4話 @mgnstar

【アラブ王受け?】美貌の王は、あれ、と気だるげにこちらを指差してきた。しっかりとした体躯のわりに、細く繊細な指先だった。愛妾候補がずらりと並ぶ薄暗い部屋で、選ばれるのはただ一人だけだ。王の側近と商人が買値を交渉しているのはなんとなくわかる。皆、奴隷商にここに連れられて来たのだ。

2010-04-07 21:53:57
龑村ももか6部2章4話 @mgnstar

【アラブ王受け?②】しばらくして交渉が成立したらしく、身体を軽々側近に担ぎ上げられ、どこかに連れて行かれる。殴られはしなかった。肩に俵のように持ち上げられてはいるが、「奴隷」として買われたにしてはやけに丁重な扱いかもしれない。 

2010-04-07 21:57:03
龑村ももか6部2章4話 @mgnstar

【アラブ③】どれくらい、経っただろうか。何度か階段を降りたり、重厚な扉を潜り抜けた気がする。どこもほの暗く、とても王宮だとか、そういう華々しい場所だとは思えない。しかし、ここは王の寝所につながっているとさきほど、教えられた。歩くことを許されたのだ。

2010-04-07 22:01:08
龑村ももか6部2章4話 @mgnstar

【アラブ④】そうして、いっそう堅牢な扉の前に着くと、側近の男がぎいっ、とその中へ誘った。金紗、天蓋つきの大きなベッドがだだっ広い部屋にぽつんと置かれている。ほかには、なにもない。寂しいと思った。こんなところに誰も侍らせず、退屈そうな顔であの褐色の肌の美しい王が寝そべっているのは。

2010-04-07 22:04:55
龑村ももか6部2章4話 @mgnstar

【アラブ⑤】そっと、側近に背中を押される。彼はこちらの言葉がわかるのだ。いわく、王に跪けと言う。自分が選ばれた理由はなんとなくわかる。ほんの少しなら言葉がわかるし、なにより、この界隈ではこの白い肌は珍しい。「――おまえ。こちらに上がってこい。わたしの隣に」

2010-04-07 22:09:18
龑村ももか6部2章4話 @mgnstar

【アラブ⑥】すうっと切れ長の瞳を細め、王が自分の横をぽふ、と示す。綺麗な、口づけでもしたくなるような指が五本揃う。導かれるようにしてベッドに上がった。やわらかいそこはさらに王の憐憫を際立たせるようで、ひどくもの悲しくなった。この王は孤立していると聞く。なにせ、この性嗜好だ。

2010-04-07 22:12:02
龑村ももか6部2章4話 @mgnstar

【アラブ⑦】施政は感嘆するほど完璧に行ってはいるが、それだけでは、ここでは足許を確実にはできないらしかった。見方はこの、側近だけだという。もしかしたら彼とも関係を持っていたかもしれない。王の手が胸をすうっと撫でるのを心地よく感じながら、ひどく嫉妬めいたものを胸に燻らせる。

2010-04-07 22:14:23
龑村ももか6部2章4話 @mgnstar

【アラブ⑧】この奴隷風情が。口にしたら、きっとそう罵られるのだろう。しかも、彼と直接会ったのは今日が初めてだ。こちらは国王としての彼を存じているが、王にしてみれば、まさに自分はどこの馬の骨とも知れない男である。あれを。そう指差された瞬間から、この胸は揺れていたのだろう。

2010-04-07 22:17:26
龑村ももか6部2章4話 @mgnstar

【アラブ⑨】何度、目にしても見惚れる指で王は自らの唇をすっとなぞった。もの憂げなまなざしがキスをしろと乞う。そっと唇を重ね合わせると、甘い吐息がこぼれた。抱きしめてもいいのかわからずに腕を回せずにいると、王のほうからしっとりと身を寄せてくる。陽射しの香りの一切しない、男だった。

2010-04-07 22:40:47
龑村ももか6部2章4話 @mgnstar

【アラブ⑩】淡く抱きついてきた王に耳元を唇で探られ、腰が少し浮いた。えも言われえぬ、艶かしい雰囲気のある男だと思う。しかしそれは陽ではなく、地下牢につながれている獣のような、鬱蒼とした陰の美貌である。笑うところを想像ができない。けれどもきっと、彼の笑みは身震いがするのだろう。

2010-04-07 22:43:41
龑村ももか6部2章4話 @mgnstar

【アラブ⑪】ふっと、耳に王の吐息がかかる。「おまえはわたしのものだ。おまえはただ口を硬く閉ざし、この部屋でわたしを抱くのが生涯になる。悪いようにはしない。しかし、おまえは、おまえが奴隷であることを忘れてはいけない。いいか、わたしがおまえの絶対だ。背いたら――」

2010-04-07 22:45:14
龑村ももか6部2章4話 @mgnstar

【アラブ⑫】王はそこで言葉を切った。はかなげに瞳が揺れる。たぶん、彼は他人を裁くのが苦手なのだろう。唇がかすかにふるえている。声も、どことなく芯がなくなっていた。「首を取って、そうだな――手向けにわたしが口づけてやろう」

2010-04-07 22:46:17
龑村ももか6部2章4話 @mgnstar

【アラブ⑬】ふと、王の意を悟る。彼はそう約束した相手に何人も、何人も裏切られてきたのではないか。敵は多いのだろう。寂寞の瞳。はじめは、王の相手をするのは王侯貴族だったはずだ。それが、外にでも洩れたのか。奴隷商から慰みの男を求めなければならない彼の惨めさを、愛してやりたくなる。

2010-04-07 22:47:09
龑村ももか6部2章4話 @mgnstar

【アラブ⑭】「……そんな無粋でなことは致しません。わたくしは、奴隷でございます。それに、もし、もし万が一なにかがあって――それ以上に幸福な死に方は、わたくしにはございません」じっと、彼を真正面に見つめながら訴える。本心である。この胸には彼への執心が宿っている。だから、誓える。

2010-04-07 22:52:07
龑村ももか6部2章4話 @mgnstar

【アラブ⑮】「……そうか」「あ……はい。もちろんでございます」息を飲んだ。かすかではあるが、王の口元がほころんだ。素直さは美徳で、その反面、とても危うい。きゅっと、身体の芯を絞られるようだった。こんな男が一国を治めている。それはひどく夢のように響いて、今度は自分からキスをした。

2010-04-07 22:55:23
龑村ももか6部2章4話 @mgnstar

【アラブ⑯】「……王」「わたしを、愛でろ……」彼の股間にすーっと手を導かれ、重ね合わせたまま、そっと撫でるようにされる。薄布の隔て、ふくれて熱くなったそれを思い切り愛撫してやりたくなる。つながれた手をほどき、彼の脚の間に顔を寄せた。雄に匂いにむせ返る。

2010-04-07 23:02:51
龑村ももか6部2章4話 @mgnstar

【アラブ⑰】敏感でかわいい。そう告げたら、打ち首になるだろうか。奴隷に恋はできないのだろう。ただ、抱くのが仕事。それを幸せといってもいいのなら、この部屋にずっと閉じ込められていたい。「……ふっ」何重にもなっていた布を払いのけ、王のそれに口をつけた。先端にキスすると、腰が浮く。

2010-04-07 23:04:35
龑村ももか6部2章4話 @mgnstar

【アラブ⑱】手で撫で扱くのと、口内に含み、吸い上げるのを執拗に繰り返すと王は堪えきれないように深く喘いだ。息が湿っぽい。自分には政治もなにもわからない。しかしそれよりも、この淫らな身体をした男が国政を為しているのがさらに、わからない。「……あっ、あ、あ! っふ、あーっ!」

2010-04-07 23:08:06
龑村ももか6部2章4話 @mgnstar

【アラブ⑲】最後とばかりに強く吸うと、王は声をふるわせ、のけぞって口内に達した。荒い息がいじらしい。うっとりと髪をかき混ぜられ、彼を咥えたままその恍惚の表情を見つめた。美丈夫。彼のためにあるような言葉だと思った。「……離れていい」くっと髪を引っぱられ、渋々顔を離す。

2010-04-07 23:14:17
龑村ももか6部2章4話 @mgnstar

【アラブ⑳】名残惜しかったが、腹に収めた彼の精を思うと劣情を煽られてたまらない。濡れそぼった唇を荒っぽく拭われる。「……わたしの、聞きたくない言葉を教えてやろう」「はい」意地悪く、王は瞳を、唇を歪ませた。ベッドに組み敷かれ、馬乗りになって彼は言う。「愛している。聞きたくもない」

2010-04-07 23:17:44
龑村ももか6部2章4話 @mgnstar

【アラブ21】釘を刺された気がしてひやりとした。口を閉ざす。腕を引かれて、体勢が崩れた。王の胸になだれ込む。「人の心は、わたしは、嫌いだ」抱きついてくる腕。身体の快楽は好きだが、とぼそりと王は続けた。頷いてやる。口を封じられたのなら、彼の求める方法で愛情を示してやればいいのだ。

2010-04-07 23:21:11
龑村ももか6部2章4話 @mgnstar

【アラブ22】「わたくしも、そのようなおぼつかないものは、倦んでおります」「……そうか」「はい。わたしは、あなたさまの、奴隷ですから」こうして言葉を変えることもできるし、それから。「ふあ……っ」のしかかって唇をふさぐ。丁寧さは捨てた。おそらく、この男は手荒くされたがっている。

2010-04-07 23:23:08