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ジュセー @shiroboshi2
☆忍☆ 創作ニンジャ名鑑:29 【テンタクルス】 両腕を触手に変化させる部分的ななヘンゲヨーカイ・ジツの使い手。ニンジャの力を用いて豪勢な生活を送ることが夢。 ☆殺☆ #S57Ninja
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「ゲハハハハ!我がテリトリーへようこそぉ!」「グワーッ!」夜のムナカミ・ストリート。虐げられる男は、己の首を締め上げる触手を、そしてそれを伸ばすニンジャをキッと睨みつけた。「おのれ……だが俺は決して、情報を吐きはしない!」「アン?」ニンジャは首を傾げた。1 #S57Ninja
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「お前、何か勘違いしているなァ……?」ニンジャはメンポの下で舌舐めずりをした。男は訝しむ。「なに?」「情報?何のだ?そんなものは知らん……欲しいのは」ニンジャの双眸がカッと見開かれる。「……カネだ!持ってるカネを寄越せ!口座番号も教えろ!」2 #S57Ninja
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『ランニング・ダウン・ア・スパイラル』 #S57Ninja
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その日、アケダ・トヒアキは早めに仕事を切り上げ、夜風に震えながら帰宅途上にあった。鼻歌を歌いながら歩み進めるアケダ。そんな彼の耳に、悲鳴が聞こえてきた。そう遠くはない……声の方へと何とは無しに顔を向ける。助けに行こう、などとは思わなかった。それが当然だ。3 #S57Ninja
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闇を見つめるアケダ。その時、「アイエエエ!」「うわ!?」その闇の中から人影が飛び出してきたのだ!「アイエエエ!助けてください、通りすがりのお方!」飛び出してきた人影は、真っ直ぐにアケダの方へと走り寄ってきた。まだ未成年と思われる少女だ。4 #S57Ninja
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少女はアケダに泣きついた。服がはだけている。そのバストは平坦であった。「お、落ち着きない!何事だね!?一旦離れて!」アケダは周囲を慌てて見渡す。この状況が知り合いになど見られれば、セクシャル・ハラスメント行為としてムラハチにされてしまう!5 #S57Ninja
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「アイエエエ……そこで、ヒック、暴漢に襲われそうになって、私……」少女は泣きじゃくりながら、震える声で言う。アケダは戸惑いながらも、少女の肩に手を置き、しゃがみ込んだ。目線を合わせ、「いいかい、そこの道路端にベンチがある。話はそこで聞くから。歩けるかい」6 #S57Ninja
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少女はコクリと頷いた。アケダは小さな溜息を吐くと、彼女と共に道路端に設けられたベンチに向かい、腰掛けた。「エット、その……なんとか逃げてきたんだね?」「ハイ……必死で……うう、でも私」少女が俯く。「電車で帰らなくちゃいけないのに、財布を奪われてしまって……」7 #S57Ninja
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「成る程……お気の毒に……」アケダは少女に同情した。だが、同時に戸惑いを覚えた。手助けをしてやりたいが、ここはネオサイタマ。もしかすると、ツツモタセかも知れぬ……。「アイエエエ……お母さん……お父さん……」少女の悲痛な声。良心が、彼を咎めた。8 #S57Ninja
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「……よし」アケダは決心し、財布を取り出し、札を一枚、少女に差し出した。彼女は驚いたようだった。「アイエッ……?」「これで帰りなさい。余るだろうから、それで何か買いなさい。私にはそれぐらいしかできない」「あ、ありがとうございます……!」少女は頭を下げた。9 #S57Ninja
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「それにしても、こんな金額を……後日、必ずお礼」「いやいいんだ、いい。それじゃ、これで」アケダは言い、腰を上げた。彼はカチグミ・サラリマンの一端であり、これぐらいの出費には何の問題もない。それより今は、面倒ごとから早く離れたかった。「待ってください!」10 #S57Ninja
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「なんだね?早く帰りなさい、こんな世の中なんだから」アケダは振り返り、面倒そうに言う。少女は立ち上がり、深々と頭を下げた。「本当に、本当にありがとうございます!今日のことは一生忘れません!」「ハイ。それじゃあ」少女に一礼し、アケダは歩き出した。11 #S57Ninja
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その時!「イヤーッ!」「グワーッ!?」彼の首に何かが巻きついた!彼は混乱しながらも、それを見る。触手状の何かを。それは、後方へと伸びている。「ゲヒヒッ……本当にありがとうございますゥ……」下卑た声が背に浴びせられた。アケダは苦心しながら、首を背後に向ける。12 #S57Ninja
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そこには、両腕の肘から先が触手へと変化した少女がいた。その顔の鼻から下は渦巻き模様の刻まれたメンポに覆われている。メンポ?然り。少女はニンジャだったのだ!「アイエエエ!?ニンジャ!ニンジャナンデ!?」アケダは急性NRSを起こし失禁!13 #S57Ninja
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「ゲハハハハ!我がテリトリーへようこそ!」少女は下卑た声をあげ、アケダの首を更に締めあげる。「グワーッ!アイエエエ!」「ドーモ、通りすがりの優しいお方……テンタクルスです!」鋭利な歯を覗かせながら、テンタクルスと名乗った少女は口元に弧を浮かべた。14 #S57Ninja
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「た、助けて、くれ……」アケダは声を振り絞り、助けを乞う。テンタクルスは彼のブザマを嘲笑った。「ゲヒッ、ゲヒヒッ。どうしようかなぁー?」「アイエエエ……」「優しいお方、財布を見た感じ……カチグミ・サラリマンだな?なぁそうだろう!」「ハ、ハイ!そうです!」15 #S57Ninja
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「なら財布を寄越せ。持っているカネを全て寄越せ!口座番号も教えろ!」テンタクルスは声を荒げる。「ハ、ハイ!アイエエエ!」アケダは涙を流しながら、再び失禁した。「よぉーし」テンタクルスは触手の力を弱め、「イヤーッ!」アケダを道路端に放り投げた。「グワーッ!」16 #S57Ninja
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「ゲホーッ!」痙攣しながらもがき苦しむアケダ。テンタクルスはそちらに向かってずかずかと歩き、彼を踏みつけた。「アイエエエ……!」「ゲヒヒッ……ニンジャってのはいいもんだ」下卑た声と共に、侮蔑の目でアケダを見下ろすテンタクルス。彼女の腕は既に元に戻っている。17 #S57Ninja
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それから彼女はアケダの財布を奪い取り、彼から口座番号を聞き出すと、満足そうにその場を立ち去った。一人取り残されたアケダは、ただただ泣きじゃくり、悲痛な声を上げ続けた。「アイエエエ……ニンジャ……ニンジャナンデ……ナンデ、俺がこんな目にぃ……」18 #S57Ninja
ジュセー @shiroboshi2
「潤沢、潤沢……ゲヒヒッ」テンタクルスはここ一週間で強奪したカネをタタミに広げ、笑みをこぼしながらそれらを眺めた。彼女がニンジャとなったのはそう昔のことではない。ほんの数ヶ月前のことだ。車に轢き逃げされ、死にかけていたところにニンジャソウルが憑依した。20 #S57Ninja
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