【ハズブロが踏み外したワルツ】〜トランスフォーマー消えた謎のシリーズ「トランステック」は「G4」だったのか

池田明季哉🐺『アオハルデビル』1-3巻 発売中🐺 @akiya_skeleton

とはいえ、それだけには留まりません。トランスフォーマー史において、河森正治の名前が持つ意味は絶大です。なんといっても、オリジンを手がけた「創造主」といって過言でない存在ですから。スポーンがなんとなく取り入れてみたのとは違って、トランスフォーマーには圧倒的な正当性があるわけです。

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で、ストーリーボードというのがあるわけなんですが、これ、トランスフォーマーに見えませんよね。明らかに日本のアニメ、たとえばガンダムやマクロスを参照している。物語、少なくとも演出レベルでも日本要素が相当強いものを作ろうとしていたことは、どうやら確かなように思われます。 pic.twitter.com/pdaBM81wHD

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トランステックは、河森正治（的なデザイン）、日本アニメという原点に立ち返りつつ、参照先を80年代ではなく最新の90年代末のデザインにアップデートすることで、新しいトランスフォーマーを創造しようとした、と僕は考えています。

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ここまでいい？　本当にやばいのはここからですからね？　もう一回言うけど、妄想ですよ？

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まあ、百歩譲ってここまではそうだったとしましょう。でもそれがなぜ「G3＝ビースト」の続編じゃなく「G4」になるの？　チータスとかビーストのメインキャラ続投してるじゃん。オプティマスがゴリラじゃなくなっただけでしょ？　って話ですよね。これは幾つか根拠があります。

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まず、アメリカ文化において「3」という数字は非常に重要な意味を持っています。だいたいみんな3部作にしたがる。いいですか。「ビーストウォーズ」「トランスメタルス」「ビーストマシーンズ」。はい、3つです。

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わかってますわかってます、それは日本の区分で、アメリカでは「トランスメタルス」は「ビーストウォーズ」の第2〜第3シーズンだから、アメリカ的には「ビーストウォーズ」「ビーストマシーンズ」「トランステック」で3つになるっていうんでしょ？

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それはその通りなんですが、でも話数的には「ビーストウォーズ：26話」「トランスメタルス：26話」「ビーストマシーンズ：26話」なんですね。これで3部作という意識があっても、全然おかしくはないですよ。

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苦しいんじゃない？　と思いましたよね。僕もそう思います。でももう少し強い根拠もあります。インシグニアです。

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トランステックはインシグニアが一新されているんですよ。見てください。決定稿の右上、これは明らかにインシグニアですね。 pic.twitter.com/fS1uxplTSV

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20世紀トランスフォーマーの歴史において、軍勢のインシグニアがすべて変更されるタイミングはひとつだけ。ジェネレーションが切り替わったときです。だからトランステックは「G4」として制作されたはずなんです。

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つまりこうなります。ね？ pic.twitter.com/V78EC5aNK7

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こう考えると、ビーストマシーンズに我々が感じていた違和感の幾つかは払拭されます。例のボブ・スカーのインタビューでは、ハズブロは「動物xロボはもうやったから、次は動物x動物を出してくれ、次は植物xロボにしよう」と順列組み合わせ的に新しいアイディアを生み出し、ボブに書かせたようです。

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これは「ビーストマシーンズ」が「G3の最終作」だから、その可能性をすべて実験しよう、という意図があったのかもしれません。ボブ・スカーをやたら放任しているのも、どうせここで終わりである。という意識があったと理解できなくもありません。

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ここまで来ると完全に妄想の域ですが、むしろハズブロ的にはトランステックこそがFOXと組んでやりたかった本命で、ビーストマシーンズはトライアルだった可能性すら出てきます。「とにかく新しいことをやってくれ」という抽象的で奇妙なオーダーは、そう考えればやや自然に見えてこないでしょうか。

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実際にはビーストも公式に「G3」とはされていないはずですから、「G4」というナンバリング意識があったかどうかは怪しいところではあります。しかし3部作で進むという前提に立つならば、「G1」「G2」「G3」で3つ。つまり、トランステックは「新3部作」の「1作目」に相当するという見方もできます。

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ここでさっきの原点回帰が、さらに重要な意味を帯びてきます。

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僕の考えではトランステックは「ゴリラがG1オプになったビーストマシーンズの続編」ではありません。「過去のすべてのトランスフォーマーから人気キャラを集めた、21世紀の全く新しいリブート作品」。それがトランステックの正体だったのではないか。と思います。

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仮定の上に仮定の上に仮定の上に仮定を重ねる話ですが、もしここでトランステックが実現していたら、全く新しい「G5」「G6」が生まれた可能性もあります。

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しかし現実には（もしそう意図されたなら）ワルツのように美しい3部作の完璧な秩序は、トランステックの頓挫によって崩れ去りました。その後にカーロボット、マイクロン伝説が出てきたわけですが、むしろここで秩序が崩れたからこそ豊かな可能性が育まれたということも、できるかもしれません。

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あくまで妄想です。でも、こんなトランスフォーマーたちが活躍する作品、おもちゃが実現していたら。映画化はひょっとしたら、日本制作のアニメーションで行われたかもしれない。トランスフォーマーはガンダムに並んだかもしれない。見ればみるほど、そんな歴史のifを、考えたくなります。 pic.twitter.com/LdWYKPMQRJ

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以上！　みんな鵜呑みにするなよ！　絶対だぞ！