喜久山弁護士と性犯罪無罪事件について ――刑事訴訟と「神の目」
- kyoshimine
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※喜久山弁護士がアカウントを実質閉鎖し、Tweetを削除したため、不完全な状況となっています。
目次
1.吉峯戦線Ⅰ 中村弁護士への喜久山コメントをめぐって
2.サイ太戦線Ⅰ 「サバイバー」と「セカンド冤罪」
3.麗奈(若手)戦線 「加害者」発言からの派生
4.「藁人形」戦線
5.サイ太戦線Ⅱ
6.吉峯戦線Ⅱ 「神の目」から見た加害者
7.吉峯戦線Ⅲ 誤読か説明不足か
8.吉峯感想戦①
9.サイ太戦線Ⅲ+吉峯戦線Ⅳ
10.外野の反応後半戦①
11.喜久山先生感想戦
12.吉峯感想戦②
13.外野の反応後半戦②
吉峯戦線Ⅰ
中村弁護士への喜久山コメントをめぐって
中村弁護士の整理
久留米の準強制性交等罪については、議論が錯綜しているので、ちょっと整理します。 現行法上、性交等罪で処罰されるのは、原則①暴行又は脅迫があった場合と、②心神喪失(熟睡や酩酊状態など)や抗拒不能(抵抗できない状況)の状態に乗じて性交等が行われた際だけです。 mainichi.jp/articles/20190…
2019-03-26 13:29:45ただし、❶13歳未満の者と性交した場合は、暴行等がなくても問答無用で犯罪が成立し、❷18歳未満の者を監護するもの(典型的には親)が監護者である影響力に乗じて性交等を行えば、暴行や脅迫がなくても犯罪が成立します。
2019-03-26 13:32:54先般の刑法改正では、暴行や脅迫がなくても、同意がない場合(典型的には、部下が上司の誘いを断り切れずに性交してしまった場合など)に犯罪が成立するよう(便宜上、不同意性交等罪と呼びます)に改正することも議論されましたが、結局見送られました。
2019-03-26 13:36:28さて、今回の久留米の事件は「同意があると誤信していた」ということなので、仮に不同意性交等罪が立法されたとしても処罰されません。それは、刑法が故意犯原則をとっており、過失犯の処罰は例外的とされるからです。今回の久留米の事件を処罰するには、過失犯の処罰規定を立法しなければなりません。
2019-03-26 13:42:20なお、セクハラのように、たとえ犯罪として処罰できなくても、民事上は過失でも責任を問えるため、過失が認められるのであれば、損害賠償請求することは可能です。
2019-03-26 13:45:33以上を踏まえた上で、私は過失犯を処罰すると処罰範囲が広がりすぎるため、賛成できません。ただし、著しい過失(重過失)を処罰するというのはあり得るかもしれません。でも、その場合でも、重過失が認定されるか否かは結局裁判官の事実認定の問題なので、処罰されない事例は必ず出てきます。
2019-03-26 13:50:53たつみコータロー議員の活動報告と中村弁護士のコメント
性犯罪における理不尽とも思える判決が出るのは強制性交等罪の構成要件に「暴行・脅迫」があるからではないか。撤廃を求めました。研究が進むジェンダーバイアスについても言及。 pic.twitter.com/s1V69iYINf
2019-03-26 22:30:41強制性交等罪(刑法177条)から「暴行・脅迫」の要件を撤廃すると、 「十三歳以上の者に対し、性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、五年以上の有期懲役に処する。」 という条文になり、セックスがもれなく犯罪行為になります。 twitter.com/kotarotatsumi/…
2019-03-27 15:30:30喜久山コメントと吉峯の反応
このTweetを指して「言葉尻を捉えてへらへらと茶化すだけで、何一つ真面目に話を聞いていない」と評価するの、すごい。 twitter.com/take___five/st…
2019-03-27 23:31:54喜久山弁護士の反応
私のTweetに反応した喜久山先生との対話が、こちらになります。 twitter.com/kikuyamahiroki…
2019-03-28 00:46:10@kikuyamahiroki 悪意を持ったTweetであると決めつけているから、そういうニュアンスと感じるのではないでしょうか。 同意の有無は違法性阻却で考えるのが通常ですから(例えば医療行為についても、批判を受けながらそうなっている)、当該Tweetは、要件撤廃時の問題を考えるための、まじめな思考実験と思いますよ。
2019-03-28 00:15:58@kikuyamahiroki 素直に条文にすればそうなる。そこに違和感を感じているということなのだと思いますし、それは藁人形叩きではありません。 また、構成要件に「不同意」が積極要件として入っている個人法益の罪というのはあまりないように思います。そこと繋がった問題意識でしょう。
2019-03-28 00:31:19@kikuyamahiroki ……という見解(中村先生のお立場はまた違うかもしれませんが、とりあえず)が最終的に正しい、それを認めろと主張しているわけではありません。揚げ足取りと決めつけて殴りかかるのはいかがなものかと言っているのです。
2019-03-28 00:34:58@kikuyamahiroki そこは構成要件に該当することになると書いた方が正確だったでしょうね。 しかし、構成要件該当により、犯罪成立が推定されると考えるのが普通の刑法総論の発想ですから、間違った書き方とまではいえないでしょう。例えば「人を殴れば犯罪になります」と弁護士が言っても、別におかしくないですよね。
2019-03-28 00:59:10@kikuyamahiroki まぁ、私が先生のTweetに反応したのは、書き方です。 「たつみコータロー議員が主張していないことについて、あえて「セックスがもれなく犯罪行為になります」という不合理な結論に至るかのように見せて、主張全体を不当に貶めている」という書き方であれば、そのままスルーしていたと思います。
2019-03-28 01:06:45