茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第2177回「元号に見る日本の文化の強さを守りつつ、新しいことはどんどんやって良い」

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茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート2176回をお届けします。文章はその場で即興で書いています。本日は、新年号「令和」について。

2019-04-02 06:38:38
茂木健一郎 @kenichiromogi

新年号が「令和」に決まった。一夜明けて、すでに馴染んできたような気がする。日本の古典からとられたのは、良かったのではないか。もちろん、引用された万葉集の序が、中国の古典にインスパイアされたものだとしても、文化というものはもともとそういうものなのだと思う。

2019-04-02 06:40:08
茂木健一郎 @kenichiromogi

日本の文化の強みにはいくつかあるが、その中で、これが良いと思ったら、もともとそれが起源したところでそのようなものが廃れてしまったとしても、日本でだけ綿々と受け継がれているということがある。元号も、そのような強みの中に位置づけられるのかもしれない。

2019-04-02 06:41:23
茂木健一郎 @kenichiromogi

中国や朝鮮由来の陶器で、現地ではもう失われてしまっているものが、日本でだけ大切に受け継がれているということがしばしばある。たとえば「曜変天目茶碗」は有名な例である。朝鮮由来の「粉引」などもそうかもしれない。

2019-04-02 06:42:49
茂木健一郎 @kenichiromogi

中国の経済発展に伴って、日本で大切に受け継がれてきた陶器を中国の方が日本に来ていわば「買い戻す」というような動きもあると聞く。日本は、大切なものを受け継いでいく、「タイムカプセル」のようなところがある。

2019-04-02 06:43:50
茂木健一郎 @kenichiromogi

日本の文化は、当然のことながら中国や朝鮮の影響を受けているわけだけれども、その中でも日本のユニークな感性やものの捉え方というものがあって、その象徴が「やまとうた」に表れた、生きることや心の動きの微妙なニュアンスをとらえる、「もののあはれ」の感性ではないかと思う。

2019-04-02 06:45:35
茂木健一郎 @kenichiromogi

昨年のTEDで、あるロックバンドの人が、自分たちはMONONOAWAREで音楽をつくっているんだと言ってびっくりしたことがある。そうしたら、別のセッションでも誰かがMONONOAWAREと言っていた。日本の「もののあはれ」が、外国でも注目されているようなことがあるあらしい。

2019-04-02 06:46:53
茂木健一郎 @kenichiromogi

新元号「令和」は、さまざまな方が素朴な生活実感を歌った「万葉集」の序からとられているということで、文脈的には日本の年号としてとてもふさわしいものだと思う。また、以上のような理由で、国際的にも好印象になるのではないかと考える。

2019-04-02 06:48:13
茂木健一郎 @kenichiromogi

元号を制定し続けるという「伝統」があって、その一方で社会のあり方やものの考え方がどんどん新しくなり、新しい技術が導入されるということはあるわけで、そのような古いものと新しいものを混ぜた日本が魅力的なのだとすれば、元号の伝統を維持しつつ、どんどん新しいことをやって良い。

2019-04-02 06:49:47
茂木健一郎 @kenichiromogi

あつ、2177回でしたね。

2019-04-02 06:50:21
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート2177回、「元号に見る日本の文化の強さを守りつつ、新しいことはどんどんやって良い」をテーマに、8つのツイートをお届けしました。

2019-04-02 06:51:12