謎の男れぐなむ5

つづく
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kiris_ @kiris_

そうだわ れぐなむの夢を見たのよ

2011-05-09 05:40:05
kiris_ @kiris_

私は雇い主からこの生ハムをおばあさんに届けておくれと頼まれて、森の中を歩いていた 編んだ籠は白くて飾りがなく、私は帰って仕事が終わったら暗い紫色のオーガンジーで花を作って飾りをつけようと思いながらその森の一本道を歩いていた

2011-05-09 05:43:03
kiris_ @kiris_

そうしているうちに一面のカタクリの花が咲きみだれる薄暗い広場に出た、カタクリの花は紫がかった薄いピンクで、潔癖な姿で立ちながら弱々しく葉を広げていた これは私が生まれた家の裏山の中の森にあるカタクリの花の広場だなと思った

2011-05-09 05:46:06
kiris_ @kiris_

そこに全身緑色の服を着たれぐなむが現れた 軍みたいな緑色じゃなくてピーターパンみたいな緑色 手には光る珍妙な笛を持っている れぐなむは「お腰につけたきびだんごってどういう意味だか知ってる?」と爽やかに話しかけてきた そして答えを待つ間笛を吹いていた

2011-05-09 05:49:33
kiris_ @kiris_

その笛は横笛の形なのに法螺貝のように思い切り吹かないと音がでなくて、そのうち肺活量が足りなくなったれぐなむはハアハア息を切らしながら「お腰に!ついてるの!きびだんごが!わかる?意味‼」と激しいジェスチャーをまじえて聞いてきた

2011-05-09 05:52:28
kiris_ @kiris_

私は生ハムを届けに行かないといけなかったけれど、れぐなむに会ったら3つの問いに答えないと通してもらえないからまじめに考えた、そして「おしりにこう、入れて開発するやつですか?」と言ったられぐなむは「あ…いや…その…なんかもうちょっとその…」とうろたえて手元の紙をみた

2011-05-09 05:56:39
kiris_ @kiris_

そこには「股間の玉→見る?→ワイルドに」と書かれていた、人間を脅すときのマニュアルらしかった

2011-05-09 05:58:09
kiris_ @kiris_

眠いから続きはまた

2011-05-09 05:58:30
kiris_ @kiris_

あっ れぐなむの夢の続きを書くのを忘れていた

2011-05-11 19:25:12
kiris_ @kiris_

その紙をじっとみていたれぐなむはおもむろにそれをその珍味な真緑のピーターパンのような服のポケットに突っ込み、「それでは第二問!」と明るく言い放った ちょっと涙目だった

2011-05-11 19:29:32
kiris_ @kiris_

「この俺のような存在をなんというでしょう!ヒント!かっこいい!素敵!」と鼻の穴をふくらませて質問してきた 私も勢いよく答えた「ヤバイ!」

2011-05-11 19:31:26
kiris_ @kiris_

「うん…そうだね…そうかな…まあ…」とれぐなむはとたんにごにょごにょしだした 不正解ではないけど不満というか何かもっと聞きたいことがあるようだったけど、そうなるとそれが第三問になってしまうらしかった

2011-05-11 19:33:03
kiris_ @kiris_

森の中は高い木々の梢で小鳥が歌いそこから漏れる昼の太陽の光が眩しく美しかった、そこでもじもじするれぐなむは自然の中の、間違えて育ちすぎた大きな小人のようだった

2011-05-11 19:35:26
kiris_ @kiris_

「じゃ、まあ後はおばあちゃんちに着いてからってことで!」とれぐなむは歩きだした、道は一本道だったし私もよく行っている道だしれぐなむなんで一緒に行くんだよって思って、「生ハムはあげませんよ」って言ったらすごい悲愴な顔で「えっ」と振り返った

2011-05-11 19:41:26
kiris_ @kiris_

「じゃ生ハムあげるから帰ってよ」って言ったら、「いや、でもそしたらきりが怒られるでしょ」「いや、途中でれぐなむに会って取られたって言うからいい」「いやいやいや!あの人こわいじゃん!頼んだ人こわいじゃん!」とれぐなむはブルブルしはじめた

2011-05-11 19:43:59
kiris_ @kiris_

頼んだ人は私の母親ではなくてなんか私の雇い主(布製品の工房の主任みたいな人)だった、でおばあさんも私のおばあさんではなくてその人のお母さん

2011-05-11 19:45:21
kiris_ @kiris_

しゃがみこんで泣くれぐなむに生ハムを少しあげたら泣き止んで、生ハムをおいしそうに食べていた、にこにこしたられぐなむもにこにこした 「もっとちょうだい」って言われたから調子のんなと思ってさくさく歩きだしたらあの苦しい笛をぜえぜえ吹きながらついてきた

2011-05-11 19:50:31
kiris_ @kiris_

そこで私はおばあさんの家に向かわず山の奥へとけもの道をわけいって進んだ れぐなむはぜえぜえピイプウ言いながらがんばってついてきた

2011-05-11 19:52:36
kiris_ @kiris_

そして私が生まれた家の裏山と繋がっている家の隣の森の中に出た、森の中に鳥居だけがあっておそらく社があった場所は土台の石だけが残っている、そこにある白い汚れた陶器の器に水をお供えして私は振り返った れぐなむは顔面蒼白だった

2011-05-11 19:55:30
kiris_ @kiris_

私は呪文を唱えるように質問をした 「生ハムのれぐなむ、れぐなむの生ハム、れぐなむは生ハム、さあどれ?」れぐなむは震えて縮みあがって歯をガタガタいわせてしゃがみこんでいた 「さあどれ?さあどれ?さあどれ?」風がざあっと吹いて足元一面の枯葉が舞い上がる 「さあどれ?」

2011-05-11 19:59:59
kiris_ @kiris_

れぐなむはガバリと立ち上がり仁王立ちになり敬礼しながら叫んだ「れぐなむは生ハムですう!!」

2011-05-11 20:01:13
kiris_ @kiris_

そこにおばあさんがやってきて、「遅いから取りに来ちゃったよ、これかい、ありがとうね」と生ハムの入った籠を持って歩いて行った 私はあれこのおばあさん寝たきりじゃなかったのか…と思いながられぐなむの方を見るとれぐなむはもうそこにはいなかった

2011-05-11 20:03:52
kiris_ @kiris_

足元を見ると「股間の玉→見る?→ワイルドに」の紙が落ちていて、裏返すと「今度はワインとチーズをもってきます」って書いてあった

2011-05-11 20:06:56
kiris_ @kiris_

私は結局お腰につけたきびだんごの意味がわからなくて、とりあえず戻ったら主任に「なんのためにれぐなむを呼んだと思ってるの!」と怒られた 何のためだったのか今でもわからない あとワインとチーズはまだ貰えていない、と日記を書いた

2011-05-11 20:09:17