【歴史】ドイツの戦後史

第二次大戦後の歴史、特に二国間の戦後処理の問題をを考えるうえで参考になるので、備忘録としてまとめました。
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Wegmarken @s1ut2

→この件が大きくテーマ化されない理由とは?例えば西尾幹二氏の分析。 「ナチ犯罪が余りに大きく、それとのつながりやバランスでしか過去の罪を意識することが出来ないからである。ということはこの件については何も考えたくないし、考えることが出来ないということである」

2019-08-14 22:12:41
Wegmarken @s1ut2

良心的かつ系統的なまとめです。全体像を把握したい方にお勧めです。 また、まとめをされたラム・マイヤーズさんの言葉も引用しておきます。 「『戦時下の性暴力を正当化しない』という文意が曲げられない限りリンク大歓迎です」 twitter.com/laymans8/statu…

2019-08-14 22:32:04
ラム・マイヤーズ @laymans8

ドイツ人が迂闊な発言をするたびにアクセス数が跳ね上がる『ドイツに学ぶ戦時下性暴力問題』が7万アクセスを突破いたしました。反省したはずのドイツで、なぜ「性暴力と性政策の研究は頑なに避けられて」いるのか、戦時下性暴力問題が軽視される世界の現状のお話です。 togetter.com/li/1076313

2019-08-08 21:23:18
Wegmarken @s1ut2

対称性を簡潔に言い表せば、「正しい生活とは、我々が他人に対して非難することを、自分自身では行わないことだ(タレス)」となる。 換言すれば、「自分自身が犯している過ちで、他者を裁いたり非難できない」。 twitter.com/s1ut2/status/1…

2019-08-15 22:12:32
Wegmarken @s1ut2

一部の文化圏で、正義あるいは法は、秤を持つ神の姿に象徴される。正義の本質が対称性、相互性、公正さ、そして首尾一貫性で言い表されるであろうことが読み取れる。 首尾一貫性のなさや不公正さは新たな不和の種を播き、無益で非建設的な諍いを招く結果になるだろう。

2019-08-13 00:56:51
Wegmarken @s1ut2

時折、人が持ち出す認識正当化の根拠「世界では」は、具体的に窺い知ることが出来ない、従って不可知のxでしかない。限られた紙幅の中で権威の後光を放ち、無駄にふんぞり返っている。 認識の正当化は、あくまでも事象そのものの内から為されるべき。事象の外部に不可知のxを置いても意味がない。

2019-08-15 22:17:53
Wegmarken @s1ut2

→抽象的などこにも存在しない「世界では」という言葉を聞いたら――例えば巫術師が彼岸の御宣託を伝える場面に遭遇しているのだ――と想像して、ゆっくりと事態の推移を見守っています。

2019-08-15 23:33:58
Wegmarken @s1ut2

ドイツ国内でのいわゆる慰安婦像の設置/撤去を巡る、ドイツでの報道。 あいちトリエンナーレの件も含めて、フライブルク、ヴィーゼント、ハンブルク、ラーベンスブリュック記念館での設置にまつわる話しです。 まゐまいさんの翻訳です。 twitter.com/kvv0o0jp_de/st…

2019-08-18 14:19:59
Wegmarken @s1ut2

→ドイツが(賠償と言う法的義務を回避して)個人補償という形式で取った政治的(or道義的)責任Haftungとは、形式的には一般の戦争行為に対してではなく、ナチスの不正に対して。 そして日本にはナチスの不正と言われるもの―その主要なものは他民族絶滅政策―はないことを付け加えておきたい。

2019-08-22 20:59:52
Wegmarken @s1ut2

→一般の戦争行為とナチスの不正の区別は、ドイツ連邦政府が意識的に取ってきたものでもある。ドイツ再統一以前は、この区別を根拠に賠償請求を退けていた(賠償問題は1953年のロンドン債務協定でドイツ再統一まで持ち越しとなったから)。

2019-08-22 20:59:52
Wegmarken @s1ut2

→例えば強制労働―ドイツ連邦政府はこれを「『戦争と占領支配の一般的な随伴現象』と捉え、これを国家間の賠償問題に属する事柄と見做し(石田勇治『過去の克服』P292)」、拒否してきた経緯がある。

2019-08-22 20:59:53
Wegmarken @s1ut2

ドイツの戦後処理の特徴(詳細や参考文献などは後述) 1.解放史観の優越→ドイツ国民はナチスから解放された/終戦日を「敗戦 Niederlage」ではなく「解放Befreiung」の日と呼ぶ 2.歴史の断絶(歴史の不連続性) 3.集団の罪(Korektivschuld)の否定→戦後一貫した方針

2019-08-24 23:41:34
Wegmarken @s1ut2

→4.現在に至るまで正式の講和条約なし、賠償(Reparation)なし→ロンドン債務協定(1953年)で賠償問題はドイツ再統一まで持ち越しとなったが、しかし1990年の再統一時、結局のところ正式の講和条約は回避される(代替として「2+4条約」) 5.賠償と(個人)補償の区別

2019-08-24 23:45:57
Wegmarken @s1ut2

→5(2)賠償とは「戦争の結果生じる国際法上の国家間の賠償責任の義務であり、敗戦国側から戦勝国側に一方的に支払われる(葛谷彩氏)」 補償とは「賠償の対象となりうる戦争行為以外による損害、より具体的に言えば、ナチスの犯罪行為による財産および人身への損害に対する経済的負担」

2019-08-24 23:54:00
Wegmarken @s1ut2

6.法的義務に基づく「賠償」を回避、政治的(道義的)責任による「個人補償」が中心 7.その個人補償は、形式的にはナチスの不正(民族絶滅政策、ロマ族へのジェノサイド、身障者の大量安楽死など)に対して。一般の戦争行為そのものに対してではない

2019-08-24 23:59:46
Wegmarken @s1ut2

→8.4-7の結論→形式的には、ドイツ連邦政府が行ってきた償いは、ほとんどナチスの不正に対して。そしてナチスの不正(民族絶滅政策など)は日本にはない 9.国際法上の個人的請求権を決して認めず(個人が国家を訴えることは不可能)。すべての、外国人によるドイツへの個人による賠償請求を退ける

2019-08-25 00:21:58
Wegmarken @s1ut2

→9(2)例えばギリシャ「ディストモの虐殺」など 10.ドイツ政府が自ら進んで犠牲者に補償をしてきたという事実はない。犠牲者からの要求に屈する形で徐々に補償の間口を広げて来た→「連邦補償法」を例に後述 (続きは後日/旧東ドイツの状況、非ナチ化の実情など)

2019-08-25 00:44:44
Wegmarken @s1ut2

→【訂正】 Korektivschuld→Kollektivschuld twitter.com/s1ut2/status/1…

2019-08-25 20:20:39
Wegmarken @s1ut2

ドイツ連邦政府がポーランドからの賠償請求を退ける根拠は、1953年の、ポーランドによる対独賠償請求権放棄を旨とする条約にある。 しかし、ポーランドはこの条約を承認せず。その理由→この条約は、1.当時、旧ソ連の圧力の下で行われた、2.旧東独にのみ妥当する。 twitter.com/ssbasis/status…

2019-08-30 21:18:11
佐藤成基 @ssbasis

ドイツに対してポーランドが現在,第二次大戦の賠償金として8000億ユーロを要求している。ドイツの年間国家予算の倍を超える額だ。社会主義の時代ポーランドは賠償金を放棄しているが,それは無効だという。ドイツの側は当然,賠償金には法的根拠がないと拒否している。 zdf.de/nachrichten/zd…

2019-08-30 17:12:02
Wegmarken @s1ut2

→ドイツ―ポーランド間の戦後処理問題に関してはこちらも参考までに。 twitter.com/s1ut2/status/9… twitter.com/s1ut2/status/9…

2019-08-30 21:21:00
Wegmarken @s1ut2

ドイツ政府、ポーランドからの賠償請求を改めて拒否。その根拠は、旧東ドイツとポーランド間で結ばれた条約にあるとのこと。この条約で、ポーランドはドイツに対する賠償請求権を放棄している。 なお、旧東独は一切の賠償要求に応じていない。 p.dw.com/p/2jb3N?tw

2017-09-09 22:14:26
Wegmarken @s1ut2

ポーランドが外交水準でドイツに賠償請求する可能性が高まる。国会答申書でその正当性を主張、その根拠→ ●1953年の対独賠償請求権放棄を旨とする条約は、違憲であり、旧ソ連の圧力で行われた ●これは、当時条約を結んだ旧東独にのみ妥当 tagesschau.de/ausland/polen-…

2017-09-11 23:11:50
Wegmarken @s1ut2

→ドイツのマスコミは、大体においてポーランドによる賠償請求には懐疑的。なかにはポーランド批判も。 例えばWELT→ポーランドのからの賠償請求は「国際法的にも政治的にも空虚な脅し」「ポーランドの政情不安に起因」(2017年9月) twitter.com/s1ut2/status/8…

2019-08-30 21:31:16
Wegmarken @s1ut2

ドイツメディア「ドイツはポーランドに対して賠償義務はない」 ●ポーランドのからの賠償請求は「国際法的にも政治的にも空虚な脅しである」 ●賠償請求は、ポーランドの政情不安に由来する⇒ドイツ批判は国内に一致団結をもたらす welt.de/geschichte/art…

2017-08-03 23:15:00
Wegmarken @s1ut2

→【付記】 ドイツ政府は、ドイツ最終規定条約(別名「2+4条約」1990年)をも、賠償請求を退ける根拠として挙げている。 しかし請求権に関する解釈には曖昧さが残る。 twitter.com/search?q=s1ut2… welt.de/politik/auslan…

2019-08-30 22:32:02
Wegmarken @s1ut2

→例えば2000年3月、米国は「2+4条約」の曖昧な性格を指摘、そして対独賠償請求権が未解決である旨を表明。結果、「ドイツ側が慌てる一幕があった」。 この件に関しては、米国はドイツに対して何ら賠償請求しないという約束が為されたが。 (葛谷彩氏『ナチス時代の強制労働者補償問題 』)

2019-08-30 22:43:04
Wegmarken @s1ut2

ドイツ国民の大部分が、賠償に反対(対ポーランド及び対ギリシャ)。世論調査で明らかに。 1.68%の国民が、ドイツ政府の見解「このテーマは政治的並びに法的にすでに解決」を支持 2.わずか7%がポーランドとギリシャとの交渉を支持 3.11%が国際司法裁判所による解決を支持 stern.de/news/milliarde…

2019-08-31 09:02:24
Wegmarken @s1ut2

→【より正確に】 ●「法的に解決」→「法的に終結」 ●「国際司法裁判所」→「国際裁判所」 twitter.com/s1ut2/status/1…

2019-08-31 10:33:31
Wegmarken @s1ut2

「独の戦後処理はホロコーストなどナチスの犯罪への個人賠償が中心」「対国家での賠償は不十分との指摘も多い」 独のこれまでの償いは、形式的には「ナチスの不正」に対してであり、一般的な戦争犯罪に対してではない。敢えて図式化すれば「ナチスの不正≠一般の戦争犯罪」 jiji.com/jc/article?k=2…

2019-09-02 14:59:06
Wegmarken @s1ut2

そして後者に対しての「国家間賠償」に対しては、ドイツはすでに解決済みの立場。(1990年の2+4条約でもって。しかし議論は残る) ちなみに、時事通信記事の「個人賠償 」よりも、「個人補償 Entschädigung」の方が、より正確な表現。 twitter.com/s1ut2/status/1…

2019-09-02 15:14:00