イージス艦「あたご」事件弁護人田中崇公先生のつぶやき。

被告人は、二人とも無罪となりました。 イージス艦「あたご」事件弁護人田中崇公先生の昨日からのつぶやきをまとめてみました。 ☆控訴審の判決もありましたので、追加しました。
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TANAKA Takahiro @takahamu

(2)一部報道によれば、横浜地方検察庁は「判決による航跡の特定には重大な事実誤認がある」として控訴する方針とのことです。 しかし、判決の特定した航跡を批判する以前に、検察官の主張する航跡が適切な捜査により特定された、適正なものであったかを真摯に検討することが必要と考えます。  

2011-05-27 10:00:33
TANAKA Takahiro @takahamu

(3)しかるに、本件における海上保安庁及び検察庁の航跡特定に到る捜査の過程は、きわめてずさんかつ恣意的であったと言わざるを得ません。 本来、捜査というものは、被疑者に有利、不利を問わず全ての証拠を虚心坦懐に検討し、真実を探求するものでなければならないはずです。

2011-05-27 10:00:46
TANAKA Takahiro @takahamu

(4)ところが、本件における海上保安庁及び検察庁の捜査は、あたごの責任追及という結論ありきのもと、「方位変化の少ない航跡」を予め特定したうえで、これに合致する証拠のみを収集、作成し、他方、矛盾する証拠は無視、廃棄するという、不適切きわまりないものでした。

2011-05-27 10:01:04
TANAKA Takahiro @takahamu

(5)その典型が、「清徳丸が3時から4時までずっと左前方7度、距離3マイルに見え続けていた」などという、僚船乗組員のありもしない「左7度、3マイル供述」です。

2011-05-27 10:02:22
TANAKA Takahiro @takahamu

(6)航跡特定報告書に盛り込まれたこの供述は、検察官航跡の唯一最大の立証の柱でしたが、海上保安官と検察官が捏造したものであることが判明しました。検察側証人である僚船の乗組員が「そんなことは言っていない」「検事が勝手に書いたと思う」と証言する事態は異常と言うほかありません。

2011-05-27 10:02:55
TANAKA Takahiro @takahamu

(7)「左7度3マイル供述」といった漁船の航行特性に鑑みておよそあり得ない供述の信用性について、検察官が必要な裏付け捜査をしたり批判的に検討した形跡は一切ありません。 

2011-05-27 10:03:33
TANAKA Takahiro @takahamu

(8)さらにいえば、横浜地裁における審理においては、検察官は二度にわたり訴因を変更し、また最も重要な航跡図も差し替え、論告においても、それまでの検察官立証を放棄して、全く異なる「平均値理論」を唐突に提唱するなど、捜査、公判を通じてその場しのぎの不適切な対応ばかりが目に付きました。

2011-05-27 10:04:09
TANAKA Takahiro @takahamu

(9)一方、海上保安庁に目を向けても、捜査規範や最高裁判決をやすやすと無視して、もっとも重要な証拠の1つである、事故直後に漁船乗組員が作成したレーダー図を廃棄ないし隠蔽し、しかも「作成させていない」と虚偽の回答を行う、

2011-05-27 10:04:50
TANAKA Takahiro @takahamu

(10)あるいは航跡特定報告書の作成日付を改ざんする、航跡図と「左7度、3マイル供述」のずれについて検察官に虚偽の説明を行うなど、その捜査の不適切さは枚挙にいとまがありません。

2011-05-27 10:05:16
TANAKA Takahiro @takahamu

(11)このような不適切な捜査で真実を発見することは絶対にできません。 横浜地方裁判所が、検察官の主張する航跡を退けたのは当然の結果と言わなければなりません。

2011-05-27 10:05:41
TANAKA Takahiro @takahamu

(12)検察庁は、上記各事実を含め、第一審公判の過程で明らかとなった不公正な捜査の実態を厳粛に受け止めるとともに、真摯にこれを反省し、二度とこのような捜査がなされることのないよう再発防止を徹底すべきです。

2011-05-27 10:06:01
TANAKA Takahiro @takahamu

(13)本件について、「判決による航跡の特定には重大な事実誤認がある」などとして控訴しても、検察官の主張する航跡が立証されることはあり得ません。また、事故の真相の究明にも再発防止にも何ら資するところはありません。

2011-05-27 10:06:18
TANAKA Takahiro @takahamu

(14)笠間検事総長は、本年2月の検察長官会同で「検察官が意図するような調書を取るなら、相手方の信頼は得られない。供述至上主義という考えがもしあるなら、絶対に改めてもらいたい」と訓示されたと伺っております。

2011-05-27 10:06:39
TANAKA Takahiro @takahamu

(15)小貫東京高検検事長も、1月の就任記者会見において「うそをつかない検事を育てなければならないと痛感した。うそをついてはいけないということが信念に高まるまで、徹底教育することが大事だ」と述べられたと聞いております。  いずれも現状の問題点を適切に把握されたものと評価します

2011-05-27 10:07:24
TANAKA Takahiro @takahamu

(16)本件においても、まさに「供述至上主義」「検事のうそ」が明らかとなったことは残念でなりません。 厚労省事件報告書でも、公判段階でも引き返す勇気を持って、公訴取消しなどを行うことが必要であるとされています。

2011-05-27 10:08:01
TANAKA Takahiro @takahamu

(17)予め航跡を作成し、これに合致する証拠を作成し、都合の悪い証拠は廃棄したという不公正な捜査の実態が公判の審理の過程で明らかになった以上、公益の代表者である検察官として、速やかに被告人らの無罪を確定させ、捜査の問題点を検証し、再発防止に努めることを強く要望するものです。

2011-05-27 10:08:52
TANAKA Takahiro @takahamu

(18)被告人ら及び家族は事故後3年間、事故直後の激烈なバッシング、海難審判、懲戒処分、そして起訴休職と厳しい日々を送ってきました。もう十分ではないでしょうか。

2011-05-27 10:09:57
TANAKA Takahiro @takahamu

(19)彼らは海上自衛隊、さらには国家にとって有為な人材であり、彼らを速やかに刑事手続から解放し、その経験と知見を今後同様の事故の再発防止に資さしめることが肝要と考える次第です。以上

2011-05-27 10:10:21
TANAKA Takahiro @takahamu

ツイッターには長すぎるとお叱りを受けるかもしれないが、ごかんべんください。

2011-05-27 10:11:33
TANAKA Takahiro @takahamu

無罪判決に対し検察官が控訴した場合の逆転有罪率 平成21年は20件中14件(平成22年版犯罪白書)

2011-06-02 16:30:35
TANAKA Takahiro @takahamu

被告人側が控訴した場合の逆転無罪は7138件中20件(0.2%)RT @takahamu: 無罪判決に対し検察官が控訴した場合の逆転有罪率平成21年は20件中14件(70%)(平成22年版犯罪白書)

2011-06-02 16:34:53
TANAKA Takahiro @takahamu

70%対0.2%か。刑事の控訴審も厳しいもんだな。

2011-06-02 16:35:34
TANAKA Takahiro @takahamu

ちなみに地裁第1審での無罪率は6万4751件中わずか68件(0.1%)。有罪率99.9%というのは嘘じゃない。

2011-06-02 16:37:00
TANAKA Takahiro @takahamu

まとめると、日本の刑事裁判では、地裁で無罪となる確率は0.1%であり、地裁で有罪となった被告人がが控訴した場合に逆転無罪となる確率は0.2%。検察官に控訴された場合に逆転有罪となる確率は70%ということになる。

2011-06-02 16:39:39
TANAKA Takahiro @takahamu

あたごの件の判決正本が完成したとの連絡あり。判決から1か月以上かかった。記録が高裁に送られるまでまだしばらくかかるのだろうか。

2011-06-24 09:26:26
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