【第23夜】「これまでの高橋留美子作品の特徴と新連載『MAO』の分析」東京ネームタンクごとう隼平(@goto_junpei)の連続ツイート #深夜に漫画技術アプデ
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高橋留美子先生の新作「MAO」がWEBでも読めるようになってますね!websunday.net/rensai/mao/ 今夜は高橋留美子先生の作品の特徴と、これまでになかった新作の注目点をお話ししたいと思います。夜漫第23夜です! #深夜に漫画技術アプデ #コルクラボマンガ専科 #少年サンデー #MAO
2019-05-15 03:32:21【夜漫1】高橋留美子先生の漫画はどこか他の漫画と違う…それはいったいなんなんだろうと、読者だったころはよく掴めませんでした。 80年代ラブコメ全盛期を支え、詳しい人に言わせると「萌え」の原点であると。 「萌え」の原点。つまりキャラを可愛いなと眺める視点からの描き方。その原点です。
2019-05-15 03:33:27【夜漫2】高橋留美子作品の独特な読み味の理由の一つに「キャラが読者と目を合わせない」というのがあると思ってます。 キャラの視線を追う、とよく分かるのですが、見事に全てのコマ、こちらを見ずに相手のキャラを見てるんです。 これが読者を巻き込まず、神視点で眺める体感につながります。
2019-05-15 03:33:55【夜漫3】ラムちゃんとか、らんまとあかねのやりとりとか。読者はやや遠くから2人のやりとりを眺める。 「客観的ラブコメ」とか、最近ネームタンクで話題にする、「共感型」と「興味型」の間の作風です。 キャラの感情が伝わりつつも、深い心情部分はボカして興味を持たせ、舞台を眺めるような感覚。
2019-05-15 03:34:41【夜漫4】例に漏れず、新作の「MAO」もそのようなコマワリで進みます。 あとは今や珍しい四段組のコマワリというのも効果的に使われていて、できごとから感情をあぶり出しています。大ゴマアップなども少なく、読者との距離感も絶妙です。 しかし新作はそれで終わりませんでしたね。最後の最後…
2019-05-15 03:35:23【夜漫5】僕が新作の「MAO」で何より新鮮に感じたのは、これまでの作品になかった、目線の主人公自身の内面を深く掘り下げていく作品だったことです。 2人の関係や、相手の過去を救うようなことはあっても、「自分」を描くのはなかったかと。 またこのタイミングというのも、考えてしまいました。
2019-05-15 03:35:46【夜漫6】もし、これまでの集大成として「少年サンデー」という一線の舞台で描こうと思ったら、これまでの自分の歩みを見つめることになるんじゃないかな、と勝手に想像してしまいました。 ちょっとネタバレになりますので、ここから先は読んでから進めて欲しいです。
2019-05-15 03:36:28【夜漫7】主人公の女の子が妖に襲われて、右手を失う展開があるんです。 右手… もしペンが握れなくなったとしたら、自分から何が噴き出してくるのか。 もしかしたらこの作品は、ついに高橋留美子先生自身が描かれるのかもしれない。 と思ったのは、考えすぎでしょうか。
2019-05-15 03:37:00【夜漫8】最後の最後のコマ、珍しく読者と目線を合わせます。しかも大アップで。 これは高橋留美子先生の作品では珍しい、感情を強く伝える演出です。 妖の世界に迷い込み、しかしその世界は全て、自分の中にあるものだと言われてしまう。 その戸惑いに包み隠さず迫る期待感。
2019-05-15 03:37:28【夜漫9】高橋留美子先生は連載の度に新しいジャンルへの挑戦を求めていると聞いたことがあります。それが本当なら、これまでの作品に寄っていくこともないはず。 いまこそ先生が歩み続け、見聞き感じてきたことを、僕らは知ることができるのではないか。 「MAO」楽しみです!
2019-05-15 03:43:17