【第25夜】「高校時代のしずる村上に教わった、漠然としたテーマを具体的なイメージにするポイント」東京ネームタンクごとう隼平(@goto_junpei)の連続ツイート #深夜に漫画技術アプデ
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夜漫、25夜です!三日間講座が修了して今回も名作揃いでした! 1人ずつにかけたい言葉がそのまま夜漫にできそうなのですが…、今日はその中でも簡単に伝えられそうなものを。テーマの具体化について。 #深夜に漫画技術アプデ #コルクラボマンガ専科
2019-05-21 04:40:59【夜漫1】漫画をこれから描こうというとき、まず最初は「こんな感じのを描きたいなぁ」という、ふわふわ漠然としたイメージからではないかとと思います。 でも例えば、「美しい友情物語」というよりも「友と交わした最後の約束を描く」と絞った方がグッと掴みやすくなりますよね。
2019-05-21 04:42:19【夜漫2】家族の温かさ、というよりは、父の一度だけの嘘、とか… 平和は尊い、というよりは、戦場での昼寝、を描くとか。 じっさいこの具体化、具象化していく、というのが、まず身につけるべき技術の一つなのかも…と考えてます。 ここが苦手だと物語が漠然としやすく、ネームも進みにくそうです。
2019-05-21 04:43:14【夜漫3】さあではこのストーリーの具体化、具象化、結晶化、いい言葉が見つからないのですが、フワッとしたイメージからしっかりと質量を持たせるに、どんなポイントがあるでしょうか。 考えているうちに、高校の推薦入試のときに書いた作文を思い出しました。 試験課題は「水」について、でした。
2019-05-21 04:43:53【夜漫4】「水」というタイトルで作文を書きなさい、的な試験だったと思います。 僕は何を書いたか…たしかそのとき、たぶんみんな水を大事に、的なことを書くだろうから、水とはいったい何だろうか、的なことを書いたような書いてないような… 当然まとまらないですよね。普通に落ちました。
2019-05-21 04:44:51【夜漫5】当時の都立高校の推薦入試は数名しか受からないものでした。一緒に受けた友人も全滅で、いったいどんな奴が受かったんだろうな…と思っていたんです。 結局同じ高校に一般入試で合格し、その後クラスで推薦入試で受かったやつを見つけます。 それがしずるの村上でした。なつかしい…
2019-05-21 04:45:36【夜漫6】しずる村上はクラスメイトだったんですよね。 いったいあの推薦入試の作文、何を書いたのだと、聞いてみたんです。何を書いたら受かるのかと。 そしたら「夏の部活のきっつい練習のあとに、校庭の水道で飲んだ水が最高にうまかった」 という話を書いたと。 負けた…と思いました。
2019-05-21 04:46:35【夜漫7】高校生の僕にはその発想が全くなかった。その一コマが、読者の鑑賞に耐えるシーンになるということ。それを客観的に捉えている奴がいたのだということ。すごい衝撃でした。なので今でも覚えているんでしょうね。 村上に教わったようなものですが… きっと大事なのは「自分との接点」。
2019-05-21 04:47:31【夜漫8】美しい友情も、壮大なファンタジーも、最初は空想です。そこに質量を、重さと手触り、匂いや味までを、持たせなくてはいけない。 そうなったならば、自分のよく知っている感覚を入れ込むのが確実だと思います。 描きたいな、という萌える設定や状況が揃ったら、次のステップとして…
2019-05-21 04:48:09【夜漫9】他の人が味わったことのない「自分の体験や感動」から具体化する。 アクティブでなかった人も、それならそのときの想いがあるはず。 またフィクションから受け取ったものでもいいかと思います。それが響いたのは、そのときのそれぞれの状況まで含めた、紛れもない自分の感覚なのですから。
2019-05-21 04:48:42【夜漫10】あなたしか知らない、触れるくらいの感覚を入れ込むことができたら…、 きっとその作品はまぎれもない、その人だけの代表作になると思います。 #深夜に漫画技術アプデ
2019-05-21 04:49:21