@shiro_ru @Rabirabi_ZEXy @azuzu00 @AyanoT1312 @miramira_books @mix_kusu @misazas @rimusaki @umizuna @0421006amB @masakimakia @aoi152ioa タピオカは身の砕ける思いで、りんご飴の夕陽ばかりを見つめていた。 タピるより他はない。
2019-06-24 21:06:19@TSUNDOKU_Mt @shiro_ru @Rabirabi_ZEXy @azuzu00 @AyanoT1312 @miramira_books @misazas @rimusaki @umizuna @0421006amB @masakimakia @aoi152ioa 「やめて下さい。走るのは、やめて下さい。いまはご自分のおバズりが大事です。あの方は、あなたを信じて居りました。カメラ前に引き出されても、平気でいました。ナタデココがさんざんあの方をプニプニしても、タピオカはバズります、とだけ答え、強い信念を持ちつづけている様子でした。」
2019-06-24 21:06:57@mix_kusu @TSUNDOKU_Mt @shiro_ru @Rabirabi_ZEXy @azuzu00 @AyanoT1312 @miramira_books @misazas @umizuna @0421006amB @masakimakia @aoi152ioa 「それだから呟き続けるのだ。信じられているから実況するのだ。間に合う、間に合わないの問題ではないのだ。マッチャオレの命の問題でもないのだ。私は、なんだかもっと恐ろしく大きなツイ廃の為に走っているのだ。ついて来い!マッチャフラペチーノ!」
2019-06-24 21:10:26@rimusaki @mix_kusu @TSUNDOKU_Mt @shiro_ru @Rabirabi_ZEXy @azuzu00 @miramira_books @misazas @umizuna @0421006amB @masakimakia @aoi152ioa 「ああ、あなたは頭がその食感のように気が狂ったか。それでは、うんと走るがいい。ひょっとしたら、間に合わぬものでもない。もちもちと走るがいい。」
2019-06-24 21:11:48@AyanoT1312 @rimusaki @mix_kusu @TSUNDOKU_Mt @shiro_ru @Rabirabi_ZEXy @azuzu00 @miramira_books @umizuna @0421006amB @masakimakia @aoi152ioa 言うにやタピる。まだ陽は沈まぬ。最後の食感を尽してタピオカは走った。タピオカの食感はモチモチだ。何一つタピることしか考えていない。ただわけのわからぬ世間のブームとそれに乗る楽しさという大きな力にひきずられて走った。
2019-06-24 21:18:02@misazas @AyanoT1312 @rimusaki @mix_kusu @shiro_ru @Rabirabi_ZEXy @azuzu00 @miramira_books @umizuna @0421006amB @masakimakia @aoi152ioa 陽は、コーヒーに溶けるガムシロのようにゆらゆら地平線に没し、まさに最後の一片の残光も、消えようとした時、タピオカはレッドブルの如く刑場に突入した。滑り込みシャッターチャンスだ。
2019-06-24 21:29:44@TSUNDOKU_Mt @misazas @AyanoT1312 @rimusaki @mix_kusu @shiro_ru @Rabirabi_ZEXy @azuzu00 @miramira_books @umizuna @masakimakia @aoi152ioa 「待て。その飲料を吸い尽くしてはならぬ。タピオカが帰って来た。約束のとおり、いま、帰って来た。」と大声で刑場のスイーツにむかって叫んだつもりであったが、水分が飛んで嗄れた声が幽かに出たばかり、スイーツは、ひとつとして彼の到着に気がつかない。
2019-06-24 21:34:37@0421006amB @TSUNDOKU_Mt @misazas @rimusaki @mix_kusu @shiro_ru @Rabirabi_ZEXy @azuzu00 @miramira_books @umizuna @masakimakia @aoi152ioa すでに磔のドリンクホルダーが高々と立てられ、ストローを打たれたマッチャオレは、徐々に釣り上げられてゆく。
2019-06-24 21:38:14@AyanoT1312 @TSUNDOKU_Mt @misazas @rimusaki @mix_kusu @shiro_ru @Rabirabi_ZEXy @azuzu00 @miramira_books @umizuna @masakimakia @aoi152ioa タピオカはそれを目撃して最後の勇、先刻、えげつない量の通知をさばききったようにスイーツを掻きわけ、掻きわけ、 「私だ、刑吏! 吸い尽くされるのは、私だ。タピオカだ。彼を甘質にした私は、ここにいる!」
2019-06-24 21:47:10@0421006amB @AyanoT1312 @TSUNDOKU_Mt @misazas @rimusaki @mix_kusu @shiro_ru @Rabirabi_ZEXy @azuzu00 @umizuna @masakimakia @aoi152ioa と、かわいた声で精一ぱいにツイートしながら、ついにドリンクホルダーに昇り、釣り上げられてゆく友のストローに、かじりついた。甘衆は、どよめいた。あっぱれ。ゆるせ、と口々に呟いた。マッチャオレの縄は、ほどかれたのである。
2019-06-24 21:51:12@miramira_books @0421006amB @AyanoT1312 @TSUNDOKU_Mt @rimusaki @mix_kusu @shiro_ru @Rabirabi_ZEXy @azuzu00 @umizuna @masakimakia @aoi152ioa コクがある。タピれと口々にわめいた。マッチャオレの磔ドリンクホルダーは外されたのである。 「マッチャオレ」タピオカは自身に付いているミルクティーの水滴をぽたぽたこぼしながら言った。
2019-06-24 21:54:48@misazas @miramira_books @AyanoT1312 @TSUNDOKU_Mt @rimusaki @mix_kusu @shiro_ru @Rabirabi_ZEXy @azuzu00 @umizuna @masakimakia @aoi152ioa 「私を千切れ。ちから一ぱいに千切れ。私は、途中で一度、悪い夢を見た。君が若し私を千切ってくれなかったら、私は君にドリップする資格さえ無いのだ。千切れ。」
2019-06-24 21:56:05@0421006amB @misazas @miramira_books @TSUNDOKU_Mt @rimusaki @mix_kusu @shiro_ru @Rabirabi_ZEXy @azuzu00 @umizuna @masakimakia @aoi152ioa マッチャオレは、すべてを察した様子でうなずき、刑場一ぱいに鳴り響くほど音高くタピピッとタピオカの右頬を殴った。
2019-06-24 21:57:54@AyanoT1312 @0421006amB @misazas @miramira_books @TSUNDOKU_Mt @mix_kusu @shiro_ru @Rabirabi_ZEXy @azuzu00 @umizuna @masakimakia @aoi152ioa 殴ってからたぷんたぷんと揺れているタピオカを優しく微笑み、 「タピオカ、私を啜ってくれ。同じくらい音高く私のカップを揺らせ。私はこの三連休の間、たった一度だけ、ちらと君を疑った。生まれて初めて君を疑った。
2019-06-24 22:04:43@rimusaki @AyanoT1312 @0421006amB @misazas @TSUNDOKU_Mt @mix_kusu @shiro_ru @Rabirabi_ZEXy @azuzu00 @umizuna @masakimakia @aoi152ioa 君が私を殴ってくれなければ、私は君と混ざり会えない。」 タピオカはストローにうなりをつけてマッチャオレの頬を殴った。 「ありがとう、友よ。」
2019-06-24 22:07:06@miramira_books @rimusaki @AyanoT1312 @0421006amB @TSUNDOKU_Mt @mix_kusu @shiro_ru @Rabirabi_ZEXy @azuzu00 @umizuna @masakimakia @aoi152ioa 二杯同時に言いシャカシャカシェイクし合いそれから嬉しくおいおいパシパシとカップの音を立てながらシェイクした。 群菓子衆の中からもパッケージを開けてお茶請けの準備をする声が聞えた。暴君ナタデココは群菓子衆の背後から二杯の様子をまじまじコリコリと見つめていたが
2019-06-24 22:11:40@misazas @miramira_books @rimusaki @AyanoT1312 @TSUNDOKU_Mt @mix_kusu @shiro_ru @Rabirabi_ZEXy @azuzu00 @umizuna @masakimakia @aoi152ioa やがて静かに二人に近づき、顔をプルプルさせて、こう言った。 「おまえらの望みは叶かなったぞ。おまえらは、わしの食感に勝ったのだ。バズりとは、決して空虚なふぁぼりつではなかった。どうか、わしをも仲間に入れてくれまいか。どうか、わしの願いを聞き入れて、シェイクに投入させてほしい。」
2019-06-24 22:29:06@0421006amB @misazas @miramira_books @rimusaki @AyanoT1312 @TSUNDOKU_Mt @shiro_ru @Rabirabi_ZEXy @azuzu00 @umizuna @masakimakia @aoi152ioa どっとスイーツの間に甘声が起った。 「ぷるぷる、ナタデココぷるぷる。」 ひとりのマカロンが、緋のスリーブをタピオカに捧げた。タピオカはまごついた。佳き友は、気をきかせて教えてやった。
2019-06-24 22:29:42@mix_kusu @0421006amB @misazas @miramira_books @AyanoT1312 @TSUNDOKU_Mt @shiro_ru @Rabirabi_ZEXy @azuzu00 @umizuna @masakimakia @aoi152ioa 「タピオカ、黒糖色になっているじゃないか。早くそのマントを着るがいい。この可愛いマカロン娘さんは、タピオカの黒糖色を、皆に見られるのが、たまらなく口惜しいのだ」
2019-06-24 22:38:03@rimusaki @mix_kusu @0421006amB @misazas @miramira_books @AyanoT1312 @TSUNDOKU_Mt @shiro_ru @Rabirabi_ZEXy @umizuna @masakimakia @aoi152ioa 大流行インスタ映えバズりスイーツはひどくプルプルした。
2019-06-24 22:47:55@azuzu00 @rimusaki @mix_kusu @0421006amB @miramira_books @AyanoT1312 @TSUNDOKU_Mt @shiro_ru @Rabirabi_ZEXy @umizuna @masakimakia @aoi152ioa (古伝説とシルレルの詩を元にしたとある小説と平成スイーツから)
2019-06-24 22:48:15@misazas @azuzu00 @rimusaki @mix_kusu @miramira_books @AyanoT1312 @TSUNDOKU_Mt @shiro_ru @Rabirabi_ZEXy @umizuna @masakimakia @aoi152ioa 〜走れタピオカ、乾燥〜
2019-06-24 22:53:20@0421006amB @misazas @azuzu00 @mix_kusu @miramira_books @AyanoT1312 @TSUNDOKU_Mt @shiro_ru @Rabirabi_ZEXy @umizuna @masakimakia @aoi152ioa ※このタピオカはフィクションです。 実在のタピオカや他スイーツなどと関係ありません。
2019-06-24 22:53:48というわけで走れタピオカ完結おめでとうございますファンアートです ほんとにおつかれさまでした!!!! pic.twitter.com/YwiAqeQRTF
2019-06-24 23:01:06