↓あるとより楽しめるかもしれない参考資料:太宰治「走れメロス」

@rimusaki @0421006amB @azuzu00 今日未明、メロスはインスタ村を出発し、野を越え山を越え、このツイッターの町にやって来た。
2019-06-21 17:49:59
@aoi152ioa @0421006amB @azuzu00 タピオカには父も母もない。女房もない。十年ほど前のブームの、白鯛焼きと二人暮らしだ。
2019-06-21 17:52:17
@rimusaki @aoi152ioa @0421006amB この白鯛焼きは、村の或る律気な一ティラミスを、近々、花婿として迎える事になっていた
2019-06-21 17:58:20
@azuzu00 @rimusaki @aoi152ioa @0421006amB 結婚式も間近かなのである。タピオカは、それゆえ、白鯛焼きの花嫁衣裳やら祝宴の高級砂糖やらを買いに、はるばる市にやって来たのだ。
2019-06-21 17:59:28
@misazas @azuzu00 @rimusaki @aoi152ioa @0421006amB 先ず、その品々を買い集め、それから都の大路をぶらぶら歩いた。タピオカには竹馬の友があった。マッチャオレである。今は此のツイッターの市で、石工をしている。
2019-06-21 18:28:32
@masakimakia @azuzu00 @rimusaki @aoi152ioa @0421006amB 久しくマッチャオレの爆発的なブームに逢わなかったのだから、訪ねて行くのが楽しみである。
2019-06-21 18:30:36
@misazas @masakimakia @azuzu00 @aoi152ioa @0421006amB 歩いているうちにタピオカは、町の様子を怪しくおもった。インスタ映えを気にしている。もう既にいいねするのが当たり前だが、けれどもなんだかインスタ映えばかりではなく、市全体が、やけに寂しい。
2019-06-21 18:33:44
@rimusaki @misazas @masakimakia @aoi152ioa @0421006amB のんきなタピオカも、だんだん不安になって来た。路で逢った若いパンケーキをつかまえて、何かあったのか、二年まえに此の市に来たときは、夜でも皆がダンシングヒーローをうたって、まちは賑やかであった筈はずだが、と質問した
2019-06-21 18:38:09
@azuzu00 @misazas @masakimakia @aoi152ioa @0421006amB 若いパンケーキは生クリームを振って答えなかった。しばらく歩いて老爺のクレープに逢い、今度はもっと語勢を強くして質問をした。
2019-06-21 18:57:02
@rimusaki @azuzu00 @misazas @masakimakia @aoi152ioa クレープは答えなかった。タピオカはキャッサバの根茎でクレープの生地をゆすぶって質問を重ねた。クレープは、あたりをはばかる低声で、わずか答えた
2019-06-21 19:55:56
@0421006amB @rimusaki @azuzu00 @misazas @aoi152ioa 「王様は、人を殺します」 「なぜ殺すのだ」 「インスタにかぶれているというのですが、誰もそんなことはありませぬ」 「たくさん殺したのか」 「はい、はじめはロールアイスを。それから、綿菓子を。それから、パフェを。それから、ドーナッツを。それから、皇后様のソーダゼリーを」
2019-06-21 20:15:19
@masakimakia @0421006amB @rimusaki @azuzu00 @aoi152ioa 「おどろいた。国王は乱心か。」 「いいえ、乱心ではございませぬ。いいねを、信ずる事が出来ぬ、というのです。このごろは、臣下のいいねをも、お疑いになり、少し派手にバズらせている者には、スイーツ質ひとずつ差し出すことを命じて居ります。御命令を拒めば垢凍結にかけられてアンストされます」
2019-06-21 20:25:50
@misazas @masakimakia @0421006amB @rimusaki @azuzu00 @aoi152ioa それを聞いて、タピオカは激怒した。「呆れた王だ。バズらせておけぬ。」
2019-06-21 21:15:13
@Rabirabi_ZEXy @azuzu00 @misazas @masakimakia @0421006amB @rimusaki @aoi152ioa タピオカは単純な飲物であった。買い物を、背負ったままで、のそのそ王城にはいって行った。たちまち彼は、巡邏の警吏であるなめらかプリンに捕縛された。調べられて、タピオカの懐中からは短剣(ストロー)が出て来たので、騒ぎが大きくなってしまった。タピオカは、ナタデココ王の前に引き出された。
2019-06-21 21:27:51
@AyanoT1312 @azuzu00 @misazas @masakimakia @0421006amB @rimusaki @aoi152ioa 「このストローで何をするつもりであったか。言え!」暴君ナタデココは柔らかい、けれどもシャキシャキした食感をもって問いつめた。その王の顔は蒼白で、立方体の角は、研ぎ澄まされたように鋭かった。
2019-06-21 22:25:22
@Rabirabi_ZEXy @AyanoT1312 @azuzu00 @misazas @0421006amB @rimusaki @aoi152ioa 「市を暴君の手から救うのだ。」とタピオカは悪びれずに答えた。 「おまえがか?」王は、憫笑した。「仕方の無いやつじゃ。おまえには、わしの孤独がわからぬ」 「言うな!」とタピオカは、いきり立って反駁した。「いいねを疑うのは、最も恥ずべき悪徳だ。王は、スイーツの甘さをさえ疑って居られる」
2019-06-21 22:38:59
@masakimakia @Rabirabi_ZEXy @AyanoT1312 @azuzu00 @misazas @0421006amB @aoi152ioa 「バズったら疑うのが、正当の心構えなのだと、わしに教えてくれたのはお前たちツイッター民だ。芋の心はあてにならない。スイーツは元々は砂糖の固まりさ。カロリーを信じてはならぬ」ナタデココは落着いて呟き、ほっと溜息をついた。「わしだって、平和なツイッターを望んでいるのだが」
2019-06-22 10:53:05