コ・ソンナム氏、『ゆびさきミルクティー』（宮野ともちか著）の池田由紀を公開処刑の巻。

太田如楓/OHTA Jofuh/Японія солідарна з Україною. @OHTA_Jofuh

水面を抱きしめたわずか三ページ後に、 「ひだり…その、デートしようか。今度は二人きりで」 「うん。行く」 「よし、次の日曜な」 殴りたい、この笑顔。嫌悪感がマッハですわ……。 pic.twitter.com/eQMux8lxgB

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デートにて。由紀はクサいと思う行動、歯が浮くようなセリフをド直球で平気で言います。そのあたりのリミッターがない。だからモテるんです。問題はその相手が複数という点なんですが……。 pic.twitter.com/4der11vpPm

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「好きだよ、ひだり」 ナチュラルに告ってます。水面を抱きしめてから、まだ一週間も経ってないのに。このあたりが、由紀が「精神的二股野郎」と言われるゆえんです。 pic.twitter.com/Agosd3nHaA

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ひだりに「好き」と言っておきながら、水面への未練をひだりの前でぶちまける由紀。幼児退行した由紀を、ひだりは優しく包み込みます。 これは考察ですが、欠落がある家庭環境が原因でネジ落ちたんじゃないかと思います。水面の前でも、年下のひだりの前でも幼児退行してるのは不自然です。 pic.twitter.com/Z3AIEssdmg

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ここまで破綻した人間を主人公に物語を進められるのはすごいです。爽やかなタッチで、最高に胸糞悪い内容を描けるのは芸術以外の何者でもありません。キャッチコピーは 「限りなく透明でささやかなストーリー」 ですけど、完全に詐欺ですね。真っ黒ですわ。

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クラスメイトに告白されたひだりは、一刀両断します。 「あたしは紀くんのオモチャなの。あたしに触れる事ができるのは紀くんだけ、あたしを泣かせる事ができるのも紀くんだけ。キミじゃない」 なぜ由紀はこんなにモテるのか。「うる星やつら」風に言えば、「いくつもの愛」を隠さないからです。 pic.twitter.com/dW2RXW7VBy

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（口をひらけば池田のことに触れてしまいそうで、課題の話しかしない。空気が重い。もう辞めちゃおうかなー） うーんこの。女の友情ハムより薄いって言いますけど、まさにそれですね。 （必要とされたら断れない。自分からは逃げられはしない…！） pic.twitter.com/9V1rezrFf3

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「わたしを池田の彼女にして。二番目でいいの。お願い、傍にいさせて」 （意地も見栄も自尊心も全てのこだわりを捨てるから） 「あなたに逢ってわたしは変わったの。今までずっとひとりでいられたのに、寂しいなんて思わなかったのに」 誇り高き女、黒川水面。ついに陥落です。 pic.twitter.com/M0G8ox5TsD

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「後で冷たくするなら、何でわたしにちょっかい出したの！？　もういいよ、今までだってずっとひとりだったもん、これからだってずっと一人で生きてくよ。何も見ない、何も聞かない、心はずっと閉ざして、そうすれば寂しくないし痛みも感じないって…！」 水面、完全に感情の堰が決壊しました。 pic.twitter.com/yzEl7bI7L1

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またキス。なんて退廃的な絵面。 「二番目でいいから傍にいさせて」 「イナゴ身重く横たわる」の蝦夷森マヤも言いそうな台詞です。少なくとも世に出すバージョンでは言ってます。かなり水面入ってます。 これはイケメンで女装癖のある狂人が、どうしようもない女性遍歴をたどる物語。狂人の生き様。 pic.twitter.com/fPQXPJJBwa

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以上が三巻までのダイジェスト。狂ってるの一言で済ませられないのが困ります。キャラは立ってるし、言葉遣いは繊細で詩的だし。中性的な感性すら感じます。明らかに頭おかしいんですが、確固たる美学に貫かれてます。従来の漫画の文法では読み解けないです。一作品一ジャンル。類似品にご注意下さい。

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第四巻。池田家と隣の森居家で家族旅行です。池田家は離婚による母子家庭、森居家は死別による父子家庭。対照的です。本当に設定が練られてます。 由紀の姉・未記は親父フェチの24歳OLです。隣人の森居佑介に迫ります。 「だったら佑介さんの赤ちゃん、あたしにもちょーだいよ」 この姉弟は……。 pic.twitter.com/rdoZUUEItz

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「もうわたしといるときでも、女装しなくていいよ。ちゃんと池田と向き合えるから」 「俺自身がこのカッコしてたいんだ。水面にも酷いことしたよね。自分が男だってことにがっかりするんだ」 酷いことした、というかしすぎです。そして由紀の根底には『男への嫌悪』があるのです。自己否定です。 pic.twitter.com/hYKb7HNa2q

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「あのとき池田が優しくキスしてくれた。それだけで十分だよ。ずっととは言わない。今はもう少しだけ、甘えさせて」 黒川水面、いい子すぎます。由紀はなんだかんだで最終的にはひだりを選ぶと思っていながらも、けなげに、そして気丈に振る舞います。天使か。 pic.twitter.com/chhiN0A9kY

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「池田があのときわたしをうけ止めてくれて嬉しかった。嬉しかったの。だから自分を責めたりしないで。お願いよ」 これは、百合と呼んでいいものなのかどうか。そういう陳腐な表現を越えた何かが、二人の間には確実に横たわっています。 pic.twitter.com/cMkiBJ9mxn

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「男がスケベで何が悪いってんだよ」 高槻亘、魂の叫びです。完全にユキにぞっこんです。 （まったく、人の悩み一瞬で粉砕してくれちゃって。いいね、いいよ亘なら。やっぱりすごいヤツだよ亘(オマエ)は。後悔すんなよ） 「ほれ」 もはや、どこから突っ込めばいいのか分かりません。倒錯の極み。 pic.twitter.com/4ZmYbDYeAX

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乃木東子はよき友人として、黒川水面に向き合います。青春です。 「水面に逢えた事を、池田くんに感謝してもいる。水面が優しく慰めてあげれば、すぐに元気になるよ。男の子なんて単純にできてるんだから」 「水面はすぐ一人で溜め込むけど、困ったことあったらいつでも言っていいんだからね」 pic.twitter.com/XYEGgna9vN

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由紀のカメラで女装姿を写し取る水面。 （まるで妖精のよう） 「この写真もらっていい？　池田(ユキ)の写真、一枚ももってないや。何かわかっちゃった。池田が女装する理由」 「俺は水面をはなさない。二度とはなさないから」 またカン違いさせてます。由紀が女装する理由、果たして何なのでしょう。 pic.twitter.com/ktK2om8VZr

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以上が第四巻のダイジェストになります。本当は高槻亘に片思いするサッカー部のマネージャー、茅伸子（ちがや・のぶこ）というキャラも出てくるのですが、本筋に関係ないのでオミットしました。現段階で由紀、ひだり・水面・亘と三人もたぶらかしてます。美少年で美少女、極めて悪質な存在ですね。

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さて、第五巻です。未記は「つまらない男」と別れるダシに由紀を使います。 「ちょっとオカシーよおまえら姉弟。大学のときの噂、どうやら本当らしいな。その弟君と寝てるんだろ？　姉弟でデキてるなんてイカレてるよ」 「それがどうした。つまんねー男。あんたに姉貴はやれねーな。もう帰れ」 pic.twitter.com/eZbOHao6Gj

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男と飲んで酔っ払った未記。由紀に水を「口うつしで飲ませて」とリクエストします。ちょっとどころじゃなく大分オカシーですね。キモすぎます。完全に変態です。キスシーンとか、ほぼ行為寸前の絵面です。未記は保護者ヅラすることが多いですけど、なにか人として欠けている部分がある気がします。 pic.twitter.com/V1WOs2URLY

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「一睡もできなかった。いきなり女みたいな顔になるから」 （きっと誰かが姉貴を幸せにしてくれる。それまでは俺が守っ…） 池田由紀、またもブラコン全開です。ちなみに幕末的に「イケダヨシノリ」と言えば彼ですね。因幡国鳥取藩、最後の藩主です。 ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B1%A0… pic.twitter.com/QkQhrmLUWs

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展覧会で、蝶の絵に引かれる由紀。 （これを描いた人は俺と同じ感じがする…多分、そんな理由だ） 描き手の天才絵画少年・児玉睦(こだま・ちか)は偶然にも同じクラス。由紀は放課後、美術部室を訪ねます。 児玉の作品は蝶ばかり。模様に煽情性を感じると児玉は述べます。由紀、同じタイプだと確信。 pic.twitter.com/s2jyzg1UPb

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「でも今は、何も描けない」 スランプを吐露する児玉。由紀が写真家なら、児玉は画家でした。相通ずるものを感じたのかもしれません。 「同じモチーフばかり描いてたから、飽きちゃっただけかも」 由紀は、セルフポートレートで「可愛く取れないや」と思った日のことを想起します。 pic.twitter.com/WMZtmicFHA

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「俺もカメラやってるから、ちょっとだけど気持ちわかるよ」 「女の子描けよ。きっと答えでるよ」 （いきなり核心をつくやつだ） いやいやいや児玉クン、それたぶん買いかぶりだからね！ pic.twitter.com/1gSvlDbndB

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