映画「新聞記者」の感想

映画「新聞記者」を鑑賞して感じた違和感について
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ソーシャルコミュニティめぐりや @cafe_meguriya

「新聞記者」望月衣塑子記者の同名著書原案。内閣情報調査室(内調)に出向中の官僚と新聞記者が、真実を求めて動き出す。レイプ疑惑、お友達案件、公文書改ざん、学校新設など、現代日本の政治状況に似た設定だが、事件は全てフィクション。以下、少し批判的なリプをします。#新聞記者 #新聞記者みた

2019-07-07 01:47:07
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現代日本に問題意識を感じ、政府の闇に真正面から向き合い、参院選に間に合わせようと尽力されたスタッフ陣の心意気は大いに買う。若い監督、短い撮影期間、(そして推測だが恐らく少ない予算)で、社会派な作品を全国公開にこぎつけ、ヒットしているのだから文句のつけようがないのだが…色々残念。

2019-07-07 02:12:15
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権力に立ち向かう記者を題材にした映画『スポットライト』『ペンタゴン・ペーパーズ』『記者たち』、韓国の『タクシー運転手』『1987、ある闘いの真実』など、ここ数年実話に基づく映画の佳作が次々に誕生している中、残念ながら比較にもならないぐらいデキが悪い。一言でいうとエンタメになってない。

2019-07-07 02:21:06
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現在進行形の日本を描いているので、いくつかのエピソードを虚構にせざるをえないのは理解する。ならば、もっともっとレベルの高い嘘をついてほしい。各省から集められた内閣調査室のエリート官僚が、自らSNSで情報拡散しているのを見て、正直吹き出しそうになった。そんなのバイトにやらせればいい。

2019-07-07 02:40:04
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臨場感を出す為のカメラの揺れの過剰さ、記者役の演技と国籍設定の違和感、ステレオタイプな妻役と内調の上司、前半の望月&前川映像の説明過多。(全体に「無駄な会話」が無い)サスペンスとして見ても、展開と情報の出し方に無理があり、設定が厳しい。ここ数年、実際にあった事実を越えていない。

2019-07-07 03:13:23
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では、社会派とエンタメを両立し、ステレオタイプな人物設定ではなく、日本の闇や社会構造に切り込み、事実をモチーフにし、尚且つ一級のサスペンスとしても成立させることのできる作品は、現代日本にあるのか?…あります。それが「相棒」。#相棒

2019-07-07 03:28:24
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「新聞記者」について、昨夜の感想の続き。ネタバレを排するつもりだが、未見で情報を入れたくない方は無視して下さい。以下、少し批判的なリプをします。#新聞記者 #新聞記者みた twitter.com/cafe_meguriya/…

2019-07-08 02:51:38
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物語上のサスペンス要素の雑さ、粗さが特に気になる。疑惑をかけられた官僚の友人であるなら、最もマークされる人物であるはずなのにゆるい。今どきFAX、各文書管理がデータで無くペーパー、ある部屋のセキュリティの甘さ、尾行を気にするのに盗聴を疑わないなどなど。遺族の家の突破も軽い。

2019-07-08 03:02:21
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主人公二人の行動の動機が明確にならないので、物語の推進力が弱い。終盤、記事にすることが目的になるが、それのタイムリミットが明示されないので緊張感が持続せず達成感に至らない。また、主人公は友人の死と小さな命から正義に目覚める展開だが、客観的に考えればそれは社会正義とは結びつかない。

2019-07-08 03:14:14
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そして最も残念なのは、この映画が「内調っていう怖い組織が国をコントロールしてるって怖いね」という団体紹介レベルの…浅い陰謀論まがいの視点から、根本的な問題に踏み込めずに終わってしまうこと。なぜそういった組織ができ、人は従ってしまうのか、という深みにまでたどり着けず中途半端な印象。

2019-07-08 03:31:29
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その巨悪が(内調が公安とは違うとはいえ)、散々音楽で怖い組織だと煽っておきながら、文書管理、情報管理、セキュリティ、諜報活動がザル(遺族の家の家宅捜索をした形跡も無い)で、SNSばかりやってて…記事に一喜一憂している…。上映中に何度も冷めた。もう少しマシな虚構に連れてって下さい。

2019-07-08 03:46:07
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新聞記者について、一番危惧しているのは「デモ参加者の写真を撮り調査する」場面がある事。現実に立ち上がる人々の行動を萎縮させるような描写があり、それを物語の中で克服して、肯定的に回収できていないからだ。あれではエセ陰謀論を助長させてしまう危険がある。 #新聞記者 #新聞記者みた

2019-07-11 01:08:24
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「ペンタゴンペーパーズ」「タクシー運転手」も、大きな権力に立ち上がった市民は大変な目にあうが、希望のラストを迎える。「新聞記者」の曖昧で半端なラストは、極めて日本的であるとも言える。ただ、どうせ虚構なのだから、何らかのカタルシスを感じさせてほしかった。

2019-07-11 01:17:34
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自分の立場が不利になるのを恐れずに不正を告発した人、 ハラスメントを告発した人……現在の日本では、大きな権力に立ち向かい告発した側が、世間からバッシングを受ける。だからこそ、映画という虚構の中では、エセ陰謀論で恐怖を煽るだけでなく、立ち上がる側を慎重に丁寧に描いてほしかった。

2019-07-11 01:34:56
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※ネタバレ注意→もう一つだけ書くと「軍事利用できる研究ができる大学の設置認可を内閣府が秘密裏に主導」だけでは弱い。「有識者会議が決めた」とか理由つけて、簡単に逃げられる。総理の決定的な関与の証拠でも無いと。つまり、現実にあった学校設置問題よりも、圧倒的にネタが弱い。

2019-07-11 01:49:03