ジョーダン・ピーターソンの動画『あなたの仕事は性格に合っているか?』を訳してみた。

創造的な人々と、事務処理能力の高い人々のバランスを取ることの難しさについて。
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tarafuku10 @tarafuku10

ジョーダン・ピーターソンの動画「あなたの仕事は性格に合っているか?」を訳してみた。創造的な人々と、事務処理能力の高い人々のバランスを取ることの難しさについて。 youtube.com/watch?v=WEvqMN… pic.twitter.com/PVkrp7kDpy

2019-05-13 19:38:11
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職務を分類するのは簡単ではないが、分類法の1つについて今から話そう。これは一般的なものだが、実際のところ正確でもある。 第一の側面は複雑性だ。職務にはシンプルなものから複雑なものまである。 pic.twitter.com/hsUJqajPaD

2019-05-13 19:38:33
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シンプルな職務とは、学習可能で、繰り返すことができる職務だ。高度な認知機能は必要とされない。高度な認知機能を持つ人は、仕事の覚えは速い。しかし、いったん覚えてしまえば、必ずしも他の人より仕事がうまくできるというわけではない。

2019-05-13 19:38:51
tarafuku10 @tarafuku10

一方、複雑な職務とは、要求されることが常に変化する職務だ。ほとんどの管理的職務がこれにあたる。上級管理職務はすべてそうだ。ここでは、高度な一般的認知機能が必要とされる。複雑な職務において、成功を予測するための最も妥当な因子がこれだ。これを第一の軸と呼ぶとしよう。

2019-05-13 19:39:42
tarafuku10 @tarafuku10

それでは第二の軸は何か。創造的/起業家的特性と管理的/監督的特性の対比である。創造的/起業家的職務に必要な人々とは、「経験への開放性」が高い人々である。これはビッグ・ファイブ性格特性 (注 1) の 1 つで、発散思考(注2)/水平思考 (注3) を特徴とする。彼らが創造的な人々である。 pic.twitter.com/6UikJ7E10h

2019-05-13 19:40:13
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管理的/監督的職務は、よりアルゴリズム的な (定式化された) 職務である。レールを想像してみよう。あなたは機関車でレールの上を走っている。なるべく速く走りたいと思っている。既に敷かれたレールの上を速く走るのに創造性は必要ない。だが、あなたは誠実でなければならない。

2019-05-13 19:40:49
tarafuku10 @tarafuku10

したがって、管理的/監督的職務に最も必要とされる性格特性は「誠実性」(訳注: ビッグ・ファイブの1つ)である。 組織には、水平/発散思考と効率的作業の間で緊張があることがおわかりいただけただろう。

2019-05-13 19:41:25
tarafuku10 @tarafuku10

何をしようとしているのかあなたが理解しているなら、必要なのは誠実な人々だ。なぜなら、何をするのかわかっているなら、それをなるべく効率的にやればよいからだ。しかし、問題は、環境が予期せず変化してしまうということだ。 pic.twitter.com/BBeqvFJ2Vb

2019-05-13 19:41:55
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tarafuku10 @tarafuku10

市場が変化したときに発散思考ができる人がいないなら、どこに新しいレールを敷く場所を見つけられる人がいないということだ。そして市場はほぼ間違いなく変化する。会社が、起業家的/創造的タイプと管理的/監督的タイプのバランスを適切に保つのは、ほんとうに難しいことだ。

2019-05-13 19:42:11
tarafuku10 @tarafuku10

明確な研究結果が出ていないので確定的には言えないが、私が思うに、会社ができたばかりの頃は、創造的/起業家的タイプが優位を占める。彼らは柔軟な水平思考で会社を軌道に乗せようとする。リスクを取り、ルールを破り、誠実な人々が考え付くことはおろか、我慢すらできない様々なことを実行する。

2019-05-13 19:42:30
tarafuku10 @tarafuku10

しかし、いったん会社が軌道にのると、管理型/監督型の人々が大勢入ってきて主導権を握り始める。彼らの主導権が強くなりすぎると、会社は硬直して柔軟性がなくなる。 大企業を管理するためにあなたが最初にしなければならないことは、彼らはまったく異なる人々だということを理解することだ。 pic.twitter.com/Y3dOvfGAQa

2019-05-13 19:42:58
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最初に言っておこう。誰もが創造力に富んでいるというのは嘘だ。 現在の創造力研究で広く使われている測定ツールがある。創造的達成度質問票と呼ばれるものだ。この調査票では、創造力を13の分野に分ける。起業精神/建築/文学/戯曲/発明/事業/絵画などだ。13の分野ごとに0から10までで評価する。

2019-05-13 19:43:24
tarafuku10 @tarafuku10

0は「何の才能もなく、トレーニングも受けていない」。10は「その分野で国際的評価を得ている」。このスコアをグラフ化してみる。統計上の分布がわかる。これは正規分布ではない。質問表に答えた人のうち6割のスコアは0だ。ごく少数の人が高いスコアを記録する。パレート分布だ。 pic.twitter.com/wZIwdUzRup

2019-05-13 19:43:56
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tarafuku10 @tarafuku10

これは、人の生産性に関する典型的な分布だ。生産性をグラフ化すると、常に正規分布ではなくパレート分布になる。創造力に富む人々は明らかな少数派だ。彼らは別の種類の人々で、厄介な存在だ。なぜ厄介かというと、彼らを評価することができないからだ。 pic.twitter.com/P91a83rg1Q

2019-05-13 19:44:23
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tarafuku10 @tarafuku10

創造力の高い人をどうやって評価するというのか? 彼らは常に評価のルールを変えているというのに。だから、彼らを管理することは難しい。彼らは常に新しいゲームをプレイしようとしているのだ。あなたが何かを素早く達成したいなら、彼らはあなたの悩みの種となる。

2019-05-13 19:44:41
tarafuku10 @tarafuku10

これは、組織の中で大きな緊張を生み出す。一般的に何が起きるかと言えば、組織の黎明期は創造的な人々でいっぱいだ。しかし、彼らは組織から追われ、最後にはマネージャーや管理者しか残らない。そして、環境が変化すれば、会社は死ぬ。

2019-05-13 19:45:13
tarafuku10 @tarafuku10

創造的な人々と管理型の人々の間の緊張という問題を資本主義がどう解決したかというと、会社が死ぬにまかせるのだ。「私の会社を死なせたくない」。あなたはそう思うかもしれない。そうだとすれば、あなたはこうした2種類の人々の違いを理解する必要がある。 pic.twitter.com/EIDUyGWjXl

2019-05-13 19:47:07
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tarafuku10 @tarafuku10

しかし、あなたはおそらく理解できないだろう。理解できないことをわかっていたとしても、おそらくあなたは認めないだろう。その上で、適切なバランスを保つ方法を見つける必要がある。それは途方もなく複雑なことだ。(了) 英文スクリプト: bigthink.com/videos/how-imp… pic.twitter.com/D96i4elSCK

2019-05-13 19:47:48
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tarafuku10 @tarafuku10

注 1: 心理学で広く認められた性格特性の分類法。外向性、調和性、誠実性、神経症的傾向、経験への開放性の5つに分類する 注 2: 様々な可能な解決策を探ることで創造的アイデアを生み出すために使用する思考プロセス 注 3: 問題の解決に向けて既成の理論/概念にとらわれずアイデアを生み出す方法

2019-05-13 19:48:32