- akuochiken
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同じクラスの中で主人公と何かと衝突し、主人公のことを一方的にライバル視していた悪役令嬢系の女の子。 ある日の登校時、教室の中に主人公の姿を見つけた瞬間、 「ふふ、今日の私は一味違いますのよ!」 と叫ぶ。 それ自体は彼女の特性であり、これまでよく見られた光景であったが、今日は違った。
2019-07-30 08:33:48彼女が宣言した瞬間、全身がメキメキと音を立てて変形し皮膚の下から外骨格が出現して全身を覆った。 一瞬の後に、そこには彼女の金色だった髪を彷彿とさせる、全身を黄色と黒の色彩に包まれた、蜂と人間の女性が融合した出で立ちの怪物が佇んでいた。 突然の出来事に逃げ出そうとするクラスメイト。
2019-07-30 08:38:18そんなクラスメイトを尻目に、ただ主人公だけを見つめて指差す。 「さぁ、あなたに相応しい姿になりましたわよ。これであなたも本気を出さざるを得なくて?」 だが驚いたまま動こうとしない主人公の姿を見て、彼女は続ける。 「あなたが正義のヒロインであることは既に把握していますの。
2019-07-30 08:47:31ふふ、だからですのね、私に本気を出して相手をしてくれなかったのも。あなたがそんなお強い存在だったからこそ……ならばと思いまして、今日はあなたのお眼鏡に適う状況を用意しましたわ」 さぁ、あなたも変身して戦いなさい、というように怪人化した全身を見せつける彼女。
2019-07-30 08:55:49一方で、逃げようとしていたクラスメイトたちは、教室の扉が、窓も含めて全く開かないことを理解し、混乱、恐怖に陥っていく。 「あら、この状況、あなたはよくご存知でしょう? そう、私も“組織”の一員になったんですの。正確には、昨日の帰り道に拉致されたのですが……
2019-07-30 09:39:34あなたの正体も聞けましたし、なによりその素晴らしい理念に共鳴してしまいまして、あなたと本気で戦うために望んで改造していただいたのですわ」 狂っている、という表情に一瞬なった主人公も、クラスメイトの様子に気を配りながら、相手のペースに飲まれまいと平静を装う。
2019-07-30 09:50:22「……あら、全く興味がないので? なら、あなたが存分に私と戦えるように整えてあげますわよ?」 そう言うと、彼女は背中の羽根をぶうぅんと小刻みに羽ばたかせた。 すると彼女の背面から一匹の蜂が出現し、扉の近くで途方に暮れている女生徒目掛けて飛翔し、その首筋に取り付いてチクリと刺す。
2019-07-30 09:57:21教室内に悲鳴が響いたのも束の間、怪人化した彼女と同じようにして女生徒の全身から黄色い外骨格が皮膚を突き破って出現し、彼女の全身を蜂の怪人へと変貌させていく。 粘液にまみれた身体から羽根をピンと伸ばし、震わせながら教室内を飛翔する女生徒だった怪人は、ゆっくりと彼女の元に着地した。
2019-07-30 10:04:29「私を倒さないと、どんどんとみんなが怪人化していきますわ。あの方には、戦闘員として優秀な子を連れてこいって言われたのですけど……まずはあなたと戦うのが先決」 彼女は手元に蜂の怪人を手繰り寄せてその頬を撫でながら、再び右手で主人公を指差した。 「私こそがあなたのライバルですわ!」
2019-07-30 10:12:04