茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第2291回「日本の学力観はアップデートされるべき。探求学習の本質」

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茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート2291回をお届けします。文章はその場で即興で書いています。本日は、感想です。

2019-07-31 06:01:23
茂木健一郎 @kenichiromogi

日本の教育現場における「学力観」は大きくアップデートされるべきだと思っている。一番問題なのは、誰もが共有して持つべき基本的な知識、スキルがあると思いこんでいる傾向で、たしかにそれは学力の一面だが、もはやすべてではない。その呪縛から自由にならないと新時代に羽ばたけない。

2019-07-31 06:02:30
茂木健一郎 @kenichiromogi

active learning, 探求学習のポイントは、それぞれの学習者が自分の興味を持ったことを掘り下げていくということで、1000人いたら1000通りの課題があって良い。つまり、そこには、誰もが共通して持つべき知識、スキルというモデルではとらえきれない広がりと多様性がある。

2019-07-31 06:03:34
茂木健一郎 @kenichiromogi

1000人が1000通りの探求学習をしたとして、当然、その共通の知識、スコアの点数化、ましてや「偏差値」では計算できない。「偏差値」のアプローチは、全員が同じ基準でスコア化できるという(間違った)前提があるから成立するのであって、多様な探求学習においては前提が成り立たない。

2019-07-31 06:05:00
茂木健一郎 @kenichiromogi

1000人が1000通りの探求学習をしたとして、強いて標準テストで測れるものがあるとするならば、それは論理的な思考力や、共通の情報処理能力であり、アメリカのSATのようなテストは、その最低限の部分を計測している。もっとも、SATでさえ、多様性を十分に反映していないという批判がある。

2019-07-31 06:06:35
茂木健一郎 @kenichiromogi

しばしば、学校の教育過程で学ばれる知識、スキルが、仕事を始めたあとには役にたたないというようなことが言われてきたが、自分でテーマを決めて行う探求学習にはそのような批判は当たらない。むしろ、オープンエンドの課題を決めて取り組むことが、そのまま仕事をする上でも役に立つ。

2019-07-31 06:07:50
茂木健一郎 @kenichiromogi

たとえば、ジャコウネコが食べたコーヒーの実から残った種をふんから回収するコピ・ルアクのおいしさのメカニズムが何から来ているのかをいろいろな動物に食べさせて比較研究するというような探求学習は、そのまま新しい付加価値を生み出す産業に直結している。ふわふわオムレツの作り方も同様。

2019-07-31 06:09:21
茂木健一郎 @kenichiromogi

探求学習のポイントは、入り口はさまざまだけれども、そこから関連諸分野に学習対象が広がっていって、それが一人の中に統合されていくということで、最新の学習理論は、そのような熱中の時間を一人ひとりが持つということである。

2019-07-31 06:10:55
茂木健一郎 @kenichiromogi

日本の教育のように、文部科学省が箸の上げ下ろしまで決めて、ちいちいぱっぱちいぱっぱ、あげくの果ては18歳までは小さく前にならえで、ペーパーテストの点数を上げることに汲々とするような学力観では、破壊的イノベーションの現代に全く対応できない。これは国家的危機である。

2019-07-31 06:12:12
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート2291回、「日本の学力観はアップデートされるべき。探求学習の本質」をテーマに、8つのツイートをお届けしました。

2019-07-31 06:13:17