Wkumo作品集1・救い/Zeroの闇と孤独と静かな絶望編

Wkumo(湖無カー) @Wkumo2016

#twnovel ｢蟹は狂気とも正気とも言える｣｢それは？｣｢外から見ると狂気かもしれぬが蟹と蟹に選ばれた人にとっては正気、つまり私と君にとっては正気なのだ｣｢は～虎になりそうな論｣｢虎の何が悪い｣｢悪いって話を見た｣｢虎にならぬと生きていけぬ奴もいるだろう｣僕は己の尾を見、ただ黙った。

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#twnovel ここに蟹はいらっしゃいませんか？ 呼んでいる。呼んでいる。けれど来る蟹はいないだろう。蟹は必ず一人につき、そこを離れることはない。 いらっしゃいませんか、いらっしゃいませんか。 なぜ呼んでいるのかわからない。いらっしゃいませんか。何が。僕の蟹が。蟹はどこへ行ったのだろうか。

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#twnovel 暗い部屋、屍のように物が転がっている。要不用ごちゃまぜでばらばらと転がるそれらが思考を埋めるが、どのみち部屋は暗いし気にすることでもない。けれど朝が近付いてくるにつれ差し込む光は無惨なそれらを照らし出す。朝などどこかに行ってしまえばいい。呟く言葉は意識に溶け、消えた。

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#twnovel カラスの鳴き声が耳を侵略してくる。何時だ？ 時計は壊れている。随分と長く眠っていたせいで、カラスが鳴くのがいつ頃なのかすら忘れてしまった。覚えていてもろくなことはない、ただ惨めになるだけだ。俺はベッドサイドに放置してあった最後のウォッカを取って呷った。カアカアカア。

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#twnovel 冬を待っている。空が暗くなる冬。雪が積もる冬。嵐の冬。待ち遠しいわけではない。冬が来る度、来なければよかったのにと思う。けれど、待ってしまう。桜舞う春に、かんかん照りの夏に、落ち葉舞う秋に、冬の陰鬱な影を想像してため息。冬。空気が澄む冬。一人でいる。私は冬を待っている。

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#twnovel 穴が空いている。どこだかわからないが穴が空いている。そこから漏れ出している。じわじわと漏れて、少しずつ痩せていって、一見普通に見える外殻だけが残って、それも削れ壊れてゆく。 止められない。穴が空いている。修復不能な穴が、もうずっと、空いている。

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【過去作発掘】 『残響とおじや』 plus.fm-p.jp/u/shellvio/boo… 体調を崩し寒い部屋の中寝起きでおじや作って食べながら明日は現場見学だと「思っている」話。 薄暗いショートショート。 pic.twitter.com/2OgE0f5v1h

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【サイト更新】 『浸食』 plus.fm-p.jp/u/shellvio/boo… 仕事場に行くと呪詛にさいなまれ、帰り道は考えることがなくなって空虚さをもてあまし、行く手にある絶望をただ見つめているだけの社会人の話です。 暗い日常純文、1800字。 pic.twitter.com/ot2f6FcDb0

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4.『埋まれればよかった』 舞台は現代、桜の木の側に立っているアパートの一室。幸福な空想も不幸な空想も古今東西ありとあらゆる空想を信じられなくなってしまった「現実的」な主人公が暗い部屋でぐるぐる悲観的思考を回すだけの純文。 plus.fm-p.jp/u/shellvio/boo… pic.twitter.com/SLAt5CAF5O

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【更新報告】 サイトに新作読切短編アップしました 『さあくは信仰をしている』 plus.fm-p.jp/u/shellvio/boo… 禁教徒の村に住む、さあくという名の主人公の話です。暗いです。今まであんまり取り扱っていなかった感じの題材かも 画像はお試し二枚です。純文めいた2000字。 pic.twitter.com/P6LyRzZuKB

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