せんしゃP氏によるスクリームハイスクール(FEAR)の解説

ちょっと分量多いので”勝手に”まとめてみました。
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せんしゃP @sensha_P

そこで外付けの行動指針があるとGMはホラー的展開をしやすくなるし、実際PLも『ここで単独行動したら話としては絶対オモロいことになるけど、糞ルーニーと思われるんじゃないか……』みたいなジレンマ持ってるもんなんすよ。性格傾向判定は「ルール」なんで、そういう時の免罪符としても機能するわけ

2019-08-02 20:54:46
せんしゃP @sensha_P

ロールプレイ面でもう1つのポイントが『感情判定』。ライフパスやシナリオ提示などで得た感情技能を使って判定するもので「友人:信用55/わだかまり45」と性格傾向と同じような感じで設定。ただしこっちは基本的にPLが判定ブースト目的で使用し、成功すれば次の判定に+修正、失敗すると-修正がつく

2019-08-02 20:55:09
せんしゃP @sensha_P

1シーン1回しか使えないけど成功+30%・クリ+50%と補正が大きいので、失敗できない重要判定にダメ押しする以外にも『低い技能の判定を要求されてしまったけど、何とか勝負したい』みたいな場合にも有効。感情のうねりが大きな力を呼び込むってルールなので、もちろん感情を交えたRPをするのにもいい

2019-08-02 20:55:37
せんしゃP @sensha_P

情報収集判定にも触れておきたい。特筆すべきは「原則全ての技能が情報収集に使える」こと。定番の<調査><観察><コンピューター>以外にも関係者への<威圧><交渉>、<当身><近接武器>で不良を締め上げ、<応急手当て>で被害者の信用を得る、<挑戦>で情報の代償にギャンブル勝負を受けるなど発想は無限大

2019-08-02 20:56:02
せんしゃP @sensha_P

そしてこのゲームの中核の1つともいえるのが手がかりポイント(CP)。事件の解決に必要な情報を抽象化したもので、情報収集するごとにポイントが溜まっていく。CPは最終的に怪異を退ける「克服判定」の難易度の基準になったり、消費して振り直し・ダメージ操作・死亡回避などに使える非常に有難い存在

2019-08-02 20:56:26
せんしゃP @sensha_P

重要なのは、たとえ情報収集判定に失敗しても(成功やクリよりは少ないが)得られること。全技能で判定可能ってのも合わせて「オレ肉体派で調査は苦手だからやってもムダ」みたいなのがない設計なんすね。さらに驚くべきはCPは完全に抽象化された情報ポイントであり、事件解決とは切り離されていること

2019-08-02 20:57:02
せんしゃP @sensha_P

どういうことか? 「○○と××はつきあってるよ」「△△先生は実はハゲだよ」みたいな怪異とは一切関係ない情報でもPCの日常には影響を及ぼし、ひいては怪異と戦うために魂をすり減らす運命にある彼らの心の拠り所になるかもしれない。だからこんな情報でも『判定すればCPは入る』のです。すごいよこれ

2019-08-02 20:57:36
せんしゃP @sensha_P

GMがシナリオにこういう情報入れていいというのは調べることなくなってヒマなPC対策でもあるし、オールドスクールに考えれば「ダミー情報を混ぜても単なるハズレ以外の意味がある」だし「情報収集判定なんて所詮フラグ立てるだけの無味乾燥なもの」的なヒネた先入観へのアンチテーゼでもありますね

2019-08-02 20:58:02
せんしゃP @sensha_P

怪異との対決、克服イベントについて。大抵の場合怪異は凡人のPCよりずっとタフで、危険で、まともに戦っても勝ち目はない。そこでクライマックスは『怪異に対して優位を取れる行動を積み重ねて何とか耐え続け、時間稼ぎしている間に怪異の弱点を突く(克服判定を成功させる)』のがメイン目標となる

2019-08-02 20:58:27
せんしゃP @sensha_P

克服判定は普通にやってると成功率3割そこそことかが一般的。ここをひっくり返すため「<交渉>で霊と対話を試みる」「<追跡/逃走>で殺人鬼のターゲットになる」「群がるゾンビを<近接武器>でひたすら薙ぎ倒す」のように様々な手段で(もちろん各人の得意分野だ!)少しずつ補正を重ねていくのです

2019-08-02 20:58:50
せんしゃP @sensha_P

こうした怪異に対抗するための判定群を推奨行動といい、シナリオで決定しておく他にも「PLが有効だと思える手段を思いついたら採用」が基本になっている。情報収集といい、スクリームハイスクールは原則として「楽しむのが目的なんだからPLのいい発想はなるべく活かせ」という方針をとってますん

2019-08-02 20:59:09
せんしゃP @sensha_P

付属シナリオについて。とにかく遊んで良さを体験してもらってこそということか、付属が3本あり「交差点で起こる心霊怪奇事件」「猫の祟りは恐ろしい」「隔絶されたキャンプ場で殺人鬼に追われる」とバリエーション豊か。2本目は「猫の惨殺表現があるので事前にPLにいけるか確認とってね」と注意も

2019-08-02 20:59:43
せんしゃP @sensha_P

最後に。付属シナリオがシステムの色を決めるなんて言いますが、シナリオ1は本当にこれ「心霊要素があるジャパニーズホラー」としてあまりに完璧な背景設定かと。最初に抱いた感想は『平成ウルトラがたまにやる、ドラマ重視の異色回』だった。ぜひ実際に遊んで同意したり反論したりしていただきたい

2019-08-02 21:00:17
せんしゃP @sensha_P

あー長かった。でも本当に読み応えあるし面白かった。シナリオ作り出すとGMが決めておくことは結構増えがちで「お手軽な」ゲームではないかもだけど、そのぶん「独自の話を展開したい」「自由度を追求したい」向きにはたまらんホラーゲーだと思います。はよ遊びたい。おわり

2019-08-02 21:03:51
せんしゃP @sensha_P

あっそうだ。スクリームハイスクールはハンドアウトないって書いたけど、個別導入にハンドアウトを使うことに対しての説明はあるし「PCごとに別々の目的を達成させることでクリア時に減らせる呪縛にボーナス」みたいなルールもありました。付属シナリオが3本ともハンドアウト使ってないだけ

2019-08-02 21:45:17
せんしゃP @sensha_P

最近のFEARは流行もあってか基本ルルブがB6づいてたのでスクリームハイスクールがB5だったの最初は驚いたんですが。読み終わるとこんだけ丹念にホラーを遊ぶ土壌を整え、細部の運用しやすさに気を配り、シナリオも3本つけたらそりゃB6の情報量で収まらねえんじゃダボってエネルギーをひしひしと感じた

2019-08-02 22:10:00
せんしゃP @sensha_P

そしてルール読んだらふぃあ通で「殺人鬼のボスはキツイ」って言ってた理由がわかった。呪縛NPC化のほうは最悪『呪障の受け入れ』という永遠に残る魂の傷を受けることで遅延できるけど、攻撃されて死亡入っちゃったらCPで緩和しても戦闘不能だし克服まで耐えるサイクル崩壊の危険があるんだな(´・ω・`)

2019-08-03 00:32:03
せんしゃP @sensha_P

久々に基本ルルブから付属シナリオにプレイレポついてるの見た気がするけど、やっぱこの形式ええな! PLがシナリオの肝になる部分を先に当ててしまって苦労したとか、想定外の展開を要求されたけど予想外によかったんでそのイベント加筆しましたとかあって、こういう所こそ初心者に読んでほしいんすよ

2019-08-04 00:13:36
せんしゃP @sensha_P

そういやスクリームハイスクールのシナリオ書式なんだけど。情報項目がシナリオの進行部分と完全に分離してて、シーンそれぞれに発生条件が書いてあるタイプって社長ゲー以外では初めてだっけ? 他になんかあったかな

2019-08-04 01:42:57
せんしゃP @sensha_P

スクリームハイスクールの付属1は名作付属シナリオと呼んでいいと思っていて。その理由が「学校と直接関係ない話でPCを選びにくい」「一応ホラーだろうけど陰惨・残酷な表現がほぼない」と間口が広いことですね。あと個人的に『日本舞台のこわい話』として王道のある背景設定を持っていること

2019-08-05 18:01:28
せんしゃP @sensha_P

スクリームハイスクールはFEAR伝統の堅牢なシナリオスタイルを踏襲しつつも『ボスを倒して終わる必要がない』『何なら直接刃を交える必要もない』というだけでシナリオ腹案が10個くらいずらずら出てきて、マジで普段使ってない脳の領域を稼働させてる感ある

2019-08-05 20:36:00
KITE @KITEis

『スクリームハイスクール』一部界隈にだけ向けた説明をする。クライマックスで行う「克服判定」はサメ映画のクライマックス戦闘の再現に向いている。「サメの口にダイナマイトを放り込めば倒せる」等の状況で、ダイナマイト担当PCと、サメの気をそらすために騒いだり攻撃する担当に分かれるが出来る。

2019-08-05 21:29:20
KITE @KITEis

「ブードゥー教の儀式の結果生み出されたゾンビシャーク。祭壇を破壊しながら戦闘をしなければならない」とかそういうのもスラスラやれる。サメに追い詰められるとなぜかサメにダメージを与えられるようになるとかも完全に初期ルルブで出来る。

2019-08-05 21:31:28
KITE @KITEis

FEARもこの遊び方はありだと認識しているのは間違いなくて、ボスエネミーデータとして『鮫嵐』が入ってる。

2019-08-05 21:32:40
KITE @KITEis

それはそれとしてJホラーを遊ぶTRPGとしてよく出来ていて、処理の親切さでストレスが無いというのが特徴のTRPGですね。「こういう感じに遊ぶとストレスなくFEARゲーを遊べるよ」って参考資料になるくらいいい。

2019-08-05 21:36:28