ルルーシュもスザクも、学生のかたわらで皇族だったり軍人だったり、職業と役割が別にあるの、気になる。ゼロ業って皇族としての役割を無視できなかったってことじゃないかな?スザクは…まだ考えてない。
2019-07-15 00:26:11ナナリーも皇族としての立場を忘れることはできなかった。貴族位を剥奪されたミレイも結局は貴族として在った。地位には相応の、神職としての役割がある。学生という表の立場と、神職としての裏の地位。表裏、噛み合わない姿…それがギアス。
2019-07-15 00:46:17「相変わらず片付いてるね」自室を訪れたスザクの手が机上を滑る。「動かすなよ」「動かさないよ」言いつつペンを弄ぶスザクの右手に、ルルーシュの呆れた視線が突き刺さる。「穢れ一つない」「クリーニングなら週い」「違うよ、ルルーシュ」くるり、右手がペンを回す。「君は変わらない…僕と違って」
2019-07-16 00:42:15「僕は血に穢れた」軍人として人を殺す。でも、幼い頃にはもう。まっすぐ見つめてくる目を受け止めきれずルルーシュが逸らす。クローゼットを閉じるか迷う指が微かに震えて。「今の日本で穢れがない方がおかしいだろ」「うん、でも租界で暮らすルルーシュたちは違う」僕にはもう資格がない。「違う!」
2019-07-16 01:04:49「お前はっ」叩きつけるように戸を閉ざし、ルルーシュの拳が影を落とす。「…枢木の血は穢れを祓う。資格がなくなるものか」「ルルーシュ」近づくスザクの手が拳に重ねられ、君は…と囁くように語りかける。「危険なことをしないで」「しないさ」「ゲットーに行ったりも」「ああ、もちろんしない」
2019-07-17 01:37:06拳がスザクの手の中で解かれ、指が絡まった。そして口元へ…甘噛みに紫玉が眩む。「本当に?」「信じる気、あるのか?」「あるよ。本当なら」「っ」軽く牙を立てられて。顔を反らす。「今は…そんな気分じゃない」「ルルーシュ、答えは?」「だからっ」「うん」「…しないと言った」「どっちの意味?」
2019-07-17 02:07:01「言わないとわからないか?」「わからない」油断の失せた翠にルルーシュが薄く笑う。「なら話は終わりだ」「ルルーシュ」「戻るんだろ、軍に」「ルルーシュ」気がつけば呼吸の触れる距離、壁に押しつけられ逃げ場をなくしていた。「穢れた僕に抱かれるのは嫌?」「お前が?穢れている?ふざけるな!」
2019-07-17 22:59:58「神事における穢れなら祓え!流れに乗っている限りお前は守られる!」「…はっ、はは…うん、わかってる」肩に頭を乗せてくるスザクに、聞かん気の強い髪を見下ろして低い声が零す。「迷うな。…俺が困る」「ルルーシュが?説得力ないよ」「で?」「え?」映し合う紫と翠。「だから…しないのか?」
2019-07-17 23:28:27投げ出された黒髪が布団の上に散らばる。見下ろす幼馴染に誘うように笑いかけて、囁く。「来いよ」「その気なかったんじゃないの?」「気が変わった」まさぐる手に吐息を零し、紫玉がまどろむ。「ここ、痣がある」「あぁ…ぶつけた」「いつ?」眉が不快げにひそめられる。「後にしろ」「大切なことだ」
2019-07-18 00:01:00「ほら、ここも」「っ…痣くらい普通だろ」「そうだね。だから教えて」「んく…ぁ、教え…?」耳元に唇を寄せ息を吹きこむように、問う。「ここの、腰をどうやってぶつけたのか。ね?」「は、ぁ…んっテーブルに、気を取られて…」「何に?」「話…ナナリーと」「何の?」「おまっ、しつこいぞ!」
2019-07-18 00:23:08「心配してるんだよ」「っく、ぅ…あ」「最近、君の体は痣が多すぎる」「怪我ばかりのお前が言うな…ッ」「僕はいいんだよ」ルルーシュが枕を鷲掴み、スザクに投げつける。「穢れるな!!」ぽとり、枕が二人の間に落ちて。「ルルーシュ…」「あっ、ぃや!」「お願いだ、君は…君だけは穢れないで」
2019-07-18 21:27:18「馬鹿が」手放すまいときつく抱きしめたまま眠るスザクを見下ろし、ルルーシュが苦く吐き出した。けれどその手は優しく茶髪を弄ぶ。「お前は穢れない。俺も、今は…」カーテンの隙間から夜空を見、嗤う。「血も死も穢れじゃない。穢れじゃないんだ」忘れたのか?「死にたがる心が穢れを呼ぶんだよ」
2019-07-18 22:01:17「献身的なことだ」別室、ピザを貪るC.C.が冷ややかに笑う。「ルルーシュ、お前は王だ。好むと好まざると神事に血は流れ、その上にお前は立つだろう。対にソレを選ぶか…契約だ、お前の穢れはいくらでも祓ってやるが」指先のチーズを舐め取り、目を細める。「ソレはご免だ」
2019-07-20 00:56:40裏の役割だから表に出ない、会話すらないんだけど。匂わす表現は小説級じゃないと無理かな。スザルルの日常は非日常、これ全て神事なりって楽しい。もう少し軽いところからいくべきか。
2019-07-16 01:23:18「お前は馬鹿か」ゼロの誘いを断り、スザクが苦笑を刻んだ。「友達によく言われた」ボロボロの囚人姿が背を向ける。ゼロの拳が小さく音を立てた。「自らの役割を放棄するか」「…放棄?」「神職だよ、君は。枢木の唯一の生き残り」スザクの翠が生気をなくし、わずか濁る。「どこでそれを?」「名が」
2019-07-21 01:01:44「僕の役割を君は知ってるのか?」凍えた殺気が言葉に纏わりつく。「神域で君は武を極めた」カツリ、ゼロが一段降りる。「師は藤堂、奇跡を起こした男」「何が言いたい?」「私には君の剣が必要だ」「断る!」一触即発の空気に、仮面の下ゼロが唇を歪めた。「…頑固者が!」「それもよく言われたよ」
2019-07-21 01:23:23転入生として再会したスザクに、これは茶番だ…ルルーシュの奥底が凍えた。「アッシュフォードに枢木の名は響かない」「知ってるよ、ルルーシュ」通り過ぎざまの声なき声が教室に響く。「学園は学び舎、神事の箱。教職は僕より上の位階だ」「お前はすでに神主。立つべき舞台はここじゃない」「君こそ」
2019-07-29 22:58:38「ここは俺とナナリーのための舞台だ」「知ってるよ、ルルーシュ。だから来たんだ」シン…と教室が静まり返る。「学園は君たちを教え、諭し、神事へと導く。だけどルルーシュ、君はもう王だ」「ああ。だが表舞台に立つことはできない。…ナナリーも」「本当に?」「それが現実だ。だから学園にいる」
2019-07-29 23:15:50