ゼロからの神職SL(腐向け)

人は誰しも生まれながらの神職。だがそれは表に出ることのない、Cの世界での役割。面で表裏のギアス物語。
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白馬 @NotHAKUBA

「なら僕も。これが現実だ」スザクの手がルルーシュの頬に触れる。「君も僕も生きてる」「生きていることはわかっていただろ」「うん、わかっていても…君たちを守りたかった」耳にかかる黒髪を弄ぶ幼馴染に、ルルーシュの口元が綻ぶ。少し、苦い。「それはお前の役割じゃない」「僕の役割だ。決めた」

2019-07-29 23:32:16
白馬 @NotHAKUBA

もちろんCの世界での会話で。140字に収まりきらない神職設定をどうぞ。まだ続く。ギスギスして少しも恋愛感ないスザルルだけど、いつかは甘…無理かな?

2019-07-29 23:36:30
白馬 @NotHAKUBA

「君に触れたら穢れを移してしまうかな」「え?」屋根裏の屋上、スザクの視線を受け止め損ねたルルーシュが睫を揺らす。「君に触れたい」「お前…軍で何をされたんだ?」「戦闘訓練を受けてるよ。人もこ」「言うな!!」翠玉が歪む。「事実だよ、ルルーシュ。僕は死に穢れた。それでも…君に、触れたい」

2019-07-30 23:55:31
白馬 @NotHAKUBA

スザクの手が伸びてルルーシュの髪に触れ、擽って。熱の籠ったその瞳に、ルルーシュの喉がこくりと鳴る。「王の君を穢したくない」「スザク、言っている意味がわからな」「君を抱きたい」「…お前、軍で一体何をされた?」ルルーシュの脳内でありとあらゆる想定が駆け巡った。「色々とあったよ」「!?」

2019-07-31 00:07:19
白馬 @NotHAKUBA

「まさかお前、純潔を…?」「聞く?」「いや…軍での男色は当たり前にある。女性のいない戦場においては、血に昂ったら男を相手にする他な」「本当に聞く?」「…ぃや…ここでは…」「今夜行ってもいい?」距離を詰めたスザクに囁かれ、ルルーシュの目が泳ぐ。「ルルーシュのハンバーグ、食べたい」

2019-07-31 23:18:35
白馬 @NotHAKUBA

投げ出された右手の行方が気になる。これは現実逃避か。「スザク、確認させてくれ」「後で」「手遅れになる前がいい」おとなしくなったと勘違いした翠玉が、言えば?と素っ気ない色を弾く。「男色は本能に悖る」「知ってる」「歴史的に見て横行しているが、火遊びで済む話ではなく」「小姓や稚児は?」

2019-07-31 23:34:12
白馬 @NotHAKUBA

突破口が開けた気がして左手がスザクの胸を押し返し──力尽きた。「あれは性被害者だ。年齢を考えろ」「天下人にも多いし」「女嫌いなんだよ。ブリタニア皇族も変わらない」「皇帝は?」「本能には忠実だな」二人の声から仲良く温度が消えたところで、スザクがルルーシュの首筋に顔を埋めた。「ひゃ」

2019-07-31 23:52:42
白馬 @NotHAKUBA

「軍で男は穴と見たら突っ込むものだって学んだ」「やはりお前ッ…あ、ま待て!」「穴どころか隙間でいいと言われた時は、人間ここまで落ちることができるのかって思ったけど」「馬鹿、そんなのは序の口で…!」「うん、僕が目撃したのは空間さえあればってところまででさ」「空間!?」「笑えなかった」

2019-08-01 00:07:51
白馬 @NotHAKUBA

「好きな人を想像して空間を犯すんだよ」「想像力がモノを言うな、それは」思わず力が抜け、その隙に俯せに返される。「相手に伝わりさえしなければ罪はないかな?そうとしか言えない光景だった」「スザク…」「そこまでいくともう長くないしね」「え?」「すぐ死んじゃうんだよ」「そうか…だろうな」

2019-08-01 00:30:47
白馬 @NotHAKUBA

「スザク、お前が経験者なのはわかった」「でね、ルルーシュ」「うん?」振り仰ぐルルーシュの顔を覗きこんでスザクがにっこり笑う。「僕も男は初めてだよ」「…俺にどの役割を求めているんだ?」「言ったよ、王としての君がほしいって」キスが降る。思ったよりも優しい感触にルルーシュの心が解けて。

2019-08-01 00:45:05
白馬 @NotHAKUBA

これは愛の告白だろうか。

2019-08-01 00:48:14
白馬 @NotHAKUBA

「あっ」自分の体が別のものに変わった気がして、ルルーシュはシーツに縋った。「ん、ぁ…え?スザっ」「ここまで来たら止まらないから、無理」「違っ、お前手馴れすぎ…ぃあ!」「男はルルーシュが初めてだけど、さんざん見たから」「さん!?」軍の劣悪な環境にゆっくり驚く間もない。「足、開くよ」

2019-08-01 23:22:36
白馬 @NotHAKUBA

「ルルーシュ…」スザクのキスが静かに下りて、ルルーシュは目を瞑った。ぞんざいに扱っているように見えて、キスだけは神聖なもののように在って。「ルルーシュ、ルルーシュ」…穢れ一つない。「あ、ぁん…そこ、は」「慣れると癖になるって」「ばっ…ぅく、ん!」なのにスザクの翠には穢れがある。

2019-08-01 23:49:46
白馬 @NotHAKUBA

これは本当に愛だろうか?

2019-08-01 23:50:20
白馬 @NotHAKUBA

イジメを受けるスザクを踊り場からルルーシュは見下ろしていた。携帯をポケットに戻し、冷徹に幼馴染を量る。「いい、スザク。神事とみなす」体操着の落ちない落書きを広げ、スザクが皮肉に顔を歪めた。「これを?ごめんだね」「スザク!」「君より余程マシな扱いを受けているよ」「…昔の話だ」

2019-08-19 00:11:56
白馬 @NotHAKUBA

スザクが振り返り、硝子越しにルルーシュの体を舐めるように見やる。おいしそう、そんな空言を零して。「それより、今夜も行っていい?」「今夜は駄目だ」「ルルーシュ?」不穏な視線を祓い、時間がないんだ、と空言で返す。「すでに神事に組みこまれた。駄々を捏ねるな」「捏ねるくらいはいいでしょ」

2019-08-19 00:21:39
白馬 @NotHAKUBA

「意味がない」無駄を厭う王の言葉に、新参者が肩を竦め反発する。「僕には意味がある」「ふざけるな!神事を疎かにすれば死ぬ。知らないとは言わせないぞ」「なら人柱にすればいい。本望だ」「スザク!」睨み合う紫翠。「お前は俺の騎士だ。人柱など許さない」「僕は日本の神主だよ」「騎士だ!!」

2019-08-19 00:37:51
白馬 @NotHAKUBA

「おかえり、ルルーシュ」「スザク…今日は無理だと言っただろ」「日付は変わったよ」ベッドに誘うスザクの手を一瞥し、ルルーシュが顔を反らす。「…どこに行ってたの?」「アッシュフォードだ」翠が瞬く。嘘の臭いはない、が。「何か問題が?」思わずスザクが腰を浮かせる。「馬鹿、なんて顔だよ」

2019-08-19 23:31:48
白馬 @NotHAKUBA

「神事の打ち合わせと、お前のことだ」「僕?」クローゼットを閉め、向き直ったルルーシュが笑う。「お前を俺の騎士にすると伝えてきた」「…ルルーシュ、抱かせて」今度は誘われるまま痩身がベッドに横たわり、自らボタンを外して、止められた。「僕が騎士、ね…何の皮肉」「嗤うな。お前が騎士だ」

2019-08-19 23:49:16
白馬 @NotHAKUBA

──スザク、神事の騎士たれ

2019-08-19 23:50:11
白馬 @NotHAKUBA

あっ…ルルーシュの唇から声が零れ落ちる。それを責めるようにベッドが軋み、スザクの呼気が煽る。もっと、もっとだよルルーシュ…そう言い聞かせるように容赦なく体を揺さぶられ、快楽にまだ不慣れな体が縋る物を求める。「ダメ、僕だけを見て」「は、ん」「これが僕。わかる?」「違っ、お前は…!」

2019-08-20 00:10:39
白馬 @NotHAKUBA

…神事でこそ我が騎士足り得るのに。

2019-08-20 00:17:12