ステロイドと言っても、広義にはステロイド骨格を有する化合全て指す言葉なので要注意です。スポーツなどのドーピングで問題となるステロイドはタンパク同化ホルモンと言われますし、ジギトキシンのような強心配糖体もステロイドの仲間です。今回は、副腎皮質ステロイドについてお話をしていきます。
2019-08-08 02:40:51副腎皮質ホルモンは腎臓にくっついている、豆大の大きさの臓器である、副腎という臓器から作られています。生理的に生成されるのはコルチゾールというホルモンになります。
2019-08-08 02:45:48副腎皮質ホルモンはその働きから、免疫抑制作用、糖質、たんぱく脂肪代謝に関わる糖質コルチコイド、水、電解質の代謝に関わる鉱質コルチコイドに分けて考えられます。生理的に作られるコルチゾールは両者の働きを併せ持っています。
2019-08-08 02:50:28自己免疫疾患の治療や抗炎症目的で副腎皮質ステロイドを使用する場合は、糖質コルチコイド作用を期待して使用するわけですね。
2019-08-08 02:51:46臨床的に最も使用頻度が高いのは、歴史の古いプレドニゾロンになります。人体で生理的に生成されるステロイドホルモンはプレドニゾロン換算すると3-5mg程度であり、錠剤のプレドニゾロンが5mg製剤なので、錠剤の1錠か、それより少ないくらいになります。
2019-08-08 02:58:10糖質コルチコイド作用は、免疫抑制および抗炎症作用を含むので治療効果を期待する上で重要ですが、反面、血糖値の上昇や、ミオパチー(筋力低下)などの副作用の原因となります。
2019-08-08 03:02:23ザクッとしたまとめはこんな感じです。糖質コルチコイド作用で換算する場合は、大雑把に下記のように古くからある錠剤1錠ずつで近い力価に換算ができます。 メドロール®︎錠4mg≒プレドニン®︎錠5mg≒デカドロン®︎錠0.5mg≒リンデロン®︎錠0.5mg といった感じです。 pic.twitter.com/e0CUmUH9OQ
2019-08-08 03:30:01自己免疫疾患で使用する場合は、鉱質コルチコイド作用をあまり気にせず処方されることが多いですが、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロンを使用する場合は低K血症にならないように注意した方が安心かと思います。
2019-08-08 03:32:06第一弾はここまでにしておきます。次回は臨床的に注意すべき副作用についてお話しようと考えております。 本当にお話したいのはこの先なので、今回は導入だと思っていただけると幸いです。
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