親友大倉くん 番外編! ( Tadayoshi. )

2
やんちゃる @Okt__75

. 【今日会社の飲み会やから先寝てて〜】 「…了解、と」付き合ってから、会社の飲み会がある日を当日知らされる事が多い。それは私もだけど、忠義は親友でいた頃『来週の火曜日飲み会やから』って教えてくれて『○○と飲みたい〜』なんて言ってたのに。 何だろう、なんか…倦怠期?

2019-07-14 22:19:50
やんちゃる @Okt__75

キスもないし、えっちもしてない。 嫉妬はするけど、それは親友だった時と何も変わってない。 ん〜〜… 「…帰ろ」 最近忠義の家にそのまま帰る事が多いけど、今日は自分の家に帰ってお風呂入って明日に備えて寝る。よし、決めた!くるりと方向転換をして自分の家に帰った。

2019-07-14 22:32:12
やんちゃる @Okt__75

( 丸山side. ) 丸「あれ」『…ども』 相変わらず無愛想な忠義さん。 まさか居酒屋のトイレで会うとは… 丸「○○と来てるんすか?」『いや、会社の飲み会なんで…』丸「え、そうなん、じゃあ今日○○ちゃん1人?うわ〜誘えばよかったぁ」『まだ諦めてへんかったん?』丸「何その余裕そうな感じ」

2019-07-14 22:32:13
やんちゃる @Okt__75

『彼氏やし』丸「余裕ぶってたら簡単に奪われんで〜○○の不安気づけてないみたいやし」『…は?不安?奪われる?』あ、めっちゃ不機嫌な顔なった。分かりやすいな〜… 丸「ほんまに好きなん?恋人として、彼女として、女として」『好きやから付き合っとる』丸「…ふーん、あっそ」

2019-07-14 22:39:48
やんちゃる @Okt__75

前の俺やったら、今すぐ居酒屋を出て今頃1人寂しく自分の家にいる○○の所に行くんやろうけど。 丸「…渋谷さんに、持ってかれんようにな」会社の外で○○の頭を撫でるあの優しい顔、そしてそれに嫌がる素振りを見せず当たり前かのように受け入れた○○。元恋人なんやって言われんでも分かった。

2019-07-14 22:47:19
やんちゃる @Okt__75

『言われんでも持ってかせる訳ないやろ』 忠義さんが俺を睨んだら、里「こんな所にいたんだ、みんな心配してたよ」 俺と忠義さんの間に入るように、凛とした声が響いた。 丸「…」そこにはモデルさんみたいな女性がいて、忠義さんに駆け寄って慣れた手つきで緩んだネクタイを結ぶ。

2019-07-14 22:56:56
やんちゃる @Okt__75

里「…あ、えっと」『彼女の会社の同僚』里「ああ、あの親友から彼女になった」 この人、どこまで○○の事知ってるん? 『…里美、戻ろ』里「うん…失礼します」頭を下げた女性に俺も頭を下げ返して、2人が見えなくなるまで冷めた目で見つめていた。 (こりゃ不安になるわ…)

2019-07-14 22:56:56
やんちゃる @Okt__75

( ○○side. ) お風呂から上がり、髪も乾かし終わったから後はもう寝るだけ!と思っていたらLINEの通知を知らせる軽快な音が響いた。 忠義かな、と思っていたのにまさかの同僚の錦戸くん。 【○○が作った資料間違って持って帰ってた】【今近くのコンビニにおるから来て】 …まじかよ

2019-07-15 02:21:41
やんちゃる @Okt__75

Tシャツにスウェット、そしてすっぴんという状況。 【明日じゃダメ?】【あかん】 錦戸くんが折れないという事はよく知っているから仕方なく近くのコンビニに急いだ。(口元を手で覆いながら) 錦「あ、来た」「ありがとう、じゃ」錦「すっぴん?」「そうだよ!💢」 錦「もっと子どもっぽくなるな」

2019-07-15 02:21:42
やんちゃる @Okt__75

子どもっぽい。 その言葉に、私は忘れかけていた里美さんの存在を思い出す。顔も見たことないけれど、優ちゃんが美人だっていうんだから間違いなく美人さん。忠義も否定してなかった。 「…もう戻るね」錦「マンションまで送るわ、呼んだの俺やし」「はい」錦「はいて(笑)」

2019-07-15 08:52:47
やんちゃる @Okt__75

大丈夫だと断ったのに、結局部屋の前まで送ってくれた律儀な錦戸くん。 見た目は強面で話しかけづらいけど、本当は優しくて気にしいで笑ったら可愛い。こりゃモテないわけがない。…今気づいたけど、隆平くんといい錦戸くんといい渋谷先輩といい忠義といいみんなモテるな。 錦「おやすみ」「おやすみ」

2019-07-15 09:36:23
やんちゃる @Okt__75

久々に誰かと顔を見ておやすみって言われた。 . ( 忠義side. ) 隆平さんに言われた事が気になって、自分の家じゃなく○○の家に向かう。 合鍵で入って、エレベーターを待っていればちょうど○○の階から男の人が降りてくる。あんな人いたっけ…? 錦「あ、すんません」『…いえ』

2019-07-15 09:36:23
やんちゃる @Okt__75

○○の部屋の前に着いて、インターホンを鳴らそうとすれば開いたドア。 「…あれ、忠義?」『…近くに寄ったから、ついでに来たんやけど』 ほんまは隆平さんの言葉が気になって、○○が何処かに行ってしまいそうで、怖くて来たって言えばええのに。 ○○なら分かってくれるやろって変な自信があった。

2019-07-15 12:47:48
やんちゃる @Okt__75

「私、これからちょっと出るけど…」 『どこ行くん?俺も行く』「…いいよ、多分錦戸くんまだ近くにいるはずだから」錦戸くん。誰なん、その男。もしかしてさっきエレベーターですれ違った人?『…錦戸くんって、顔濃い男前?』「え、うん…?多分?」『…家上げたん、へー』「あげてない、」

2019-07-15 12:47:49
やんちゃる @Okt__75

○○の言葉を遮るように家に押し込んで、唇を重ねた。 「…久しぶりに、してくれた」『…え?』「キス…」 俺の腕の中で耳まで赤くした○○が俯いた。『してほしかったん?』「…」『○○』「…したかったよ、でも言ったら嫌われそうだったから」『…彼女にキスしたい言われて嫌う男なんかおらんやろ』

2019-07-15 12:47:49
やんちゃる @Okt__75

「…じゃあなんでキスしてくれなくなったの」『それは、』「いつも忠義に聞かれてばっかりだから次は私の番。里美さんって誰なの?…忠義は、私が親友に戻ろうって言ったら戻る?」 知らんかった、○○がそんな事を思ってたなんて。不安そうに揺れた瞳をしっかりと見つめ、『…○○は、戻りたい?』

2019-07-15 13:13:08
やんちゃる @Okt__75

その質問に、○○は首を振った。 『俺も戻りたない。○○は、俺が親友の時の方がいいとか、ちゃんと彼女としての好きなんか、とか色々思ってるんやろうけど彼女としての好きやなかったらこんな嫉妬せえへんし、俺以外にその可愛いすっぴん見せたって思ったら苛々する、無理』「…里美さんは?」

2019-07-15 13:13:09
やんちゃる @Okt__75

分かりやすい顔で下を向くから、俺は○○の頬を手で挟んで上を向かせる。 『ほんま?』「ほんま」『嘘つく子にはもうちゅーせえへんで』「…やだ」 あー…もう可愛い。やだって何? 「…あと、優ちゃんと距離近いのもやだ」『めちゃくちゃ言うやん』「忠義も言って」『…引かん?』「うん」

2019-07-15 17:29:31
やんちゃる @Okt__75

『渋谷さんと別れた理由知りたくて、渋谷さんのインスタとか調べたんやけど…鍵垢やったし。隆平さんだけやと思ったら、錦戸とかいう男も出てくるし…ほんま自分隙ありすぎ』「…ごめん」『こんな時間に呼び出すとか、絶対下心あるわ』「それは無いよ」『なんで言い切れるん』「錦戸くん彼女いるもん」

2019-07-16 12:21:44
やんちゃる @Okt__75

彼女おるなら尚更何で呼ぶん? ○○の細い肩を掴みながら、色々考えていれば俺の手に小さな手が重ねられる 「…それと、渋谷先輩と別れた理由は」『…』「私がね、自信をなくしちゃったから」『…自信?』「渋谷先輩が初めての彼氏だったから。彼女としてどうすればいいか分からなくて」

2019-07-16 12:21:45
やんちゃる @Okt__75

『…じゃあ、俺は?』「2人、目」 気まずそうに言った○○にまじかと少し嬉しくなる反面、渋谷さんが初めてって事はキスもえっちも全部渋谷さんが初めてって事で… あかん、やっぱ無理。 がくん、と項垂れた俺に○○が困った顔で俺の顔を覗き込む。 『…ちゅーしてくれんの?』「…しないよ馬鹿」

2019-07-17 19:21:32
やんちゃる @Okt__75

『やんなぁ』 ぎゅう、と抱きしめれば背中に回った腕。 「ちょっとだけね、渋谷先輩に揺れた」『はぁ?!』「だけどやっぱ、こうやって忠義に抱きしめられたり、キスすると忠義がいいなって思うよ」 ○○は俺の首に顔を埋めると 「忠義は…?」不安そうに聞いてきた。 『○○以外無理』

2019-07-17 21:44:07
やんちゃる @Okt__75

「本当〜?」俺から離れて、ムッとした顔をした後すぐに笑った○○ 可愛いけど揺れたって言葉忘れてへんからな。 『ちょけへんの』「…だって信じれない。忠義の周り可愛い子ばっかりだし。優ちゃんとか里美さんに誘われたらそっち行っちゃいそう」『あんなあ…俺の彼女は○○やろ?』「そうだけど…」

2019-07-17 21:44:09
やんちゃる @Okt__75

『そうだけど?』「…やっぱ言わない」 『もぉ〜』 俺に抱きついた○○が可愛くて、許してしまった。 『…あ、あとキスしなくなった理由は』「…うん」『いつも俺からやから、しなくなったら○○からしてくれるかな〜って』「はぁ?!そんな理由?!」珍しく口調が荒くなる○○に笑ってしまう

2019-07-17 21:44:10
やんちゃる @Okt__75

「ありえない!私がどれだけ悩んだか!!」『え〜そんなしたかったん?』「…うるさいうざいやだ」 ちゅ〜って唇を突き出して顔を近づけたら、軽く頬を叩かれて拒否される。 『ひどぉ』「したかったよ」『え、』 言葉が途切れたのは、○○が俺の首に手を回してキスをしたからで。

2019-07-17 22:02:16