親友大倉くん 番外編! ( Tadayoshi. )

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やんちゃる @Okt__75

( 👧🏻 ) 〔え〜、お2人付き合ってるんですかぁ?〕 甘えた声で私の彼氏忠義に身を寄せるのは、前に忠義が頭を撫でていた女の子。 『せやで〜』な?って笑顔で首を傾げた忠義に私は微笑んで頷く。大体座る位置おかしくない?私の隣には女の子の荷物、目の前には忠義とその女の子。…腹立つな

2019-07-11 01:38:32
やんちゃる @Okt__75

〔どっちから告白したんですか?〕「…私からだよ」〔そうなんですか〜〕 あ、失敗したかも。女の子の顔がぱあっと明るくなって。お酒も入っているからか頬が赤く、目も潤んでいて女の私でもドキッとした。 〔あ、なんて呼んだらいいですか?〕『○○さんでええんちゃう』 なぜお前が答える

2019-07-11 01:38:33
やんちゃる @Okt__75

〔分かりました♪私は優なので優って呼んでください❤︎〕「…優、ちゃん」〔はい❤︎〕 語尾にハートが見える。そんな話し方、私したことない。これが通常運転なのか忠義は気にせずニコニコへらへらしてるし。 〔○○さんそれ何杯目ですか?〕「えっと…2杯目?」〔え!お酒弱いんですね〕

2019-07-11 01:43:01
やんちゃる @Okt__75

「あはは…」〔大倉さんの彼女だから勝手にお酒強いと思ってました(笑)〕『どんな偏見やねん(笑)』〔だって〜大倉さんがいつも一緒にいて飲み会でも隣に座る里美さんお酒強いじゃないですか!それに美人だし〜〕 何それ。里美さんの存在なんか知らないし遠回しにディスられたよね私。

2019-07-11 01:47:53
やんちゃる @Okt__75

『優ちゃん飲み過ぎ』…注意しないんだ、怒らないんだ。彼女が遠回しに美人じゃないって言われても、忠義は平気なんだ。 苛ついて、でもこんな事で苛ついている私は小さい女で、虚しくて、気づいたら爪の跡が出来るくらい強く拳を握っていた。 その時だった、〈○○?〉 救世主が現れたのは

2019-07-11 01:51:38
やんちゃる @Okt__75

救世主と呼んでいいのかは分からないけど、今この状況の中彼の存在は救世主に近い 〈久しぶり〉「…お久しぶりです」 大学時代の先輩で、あの頃の全てをこの人に捧げてもいいくらい恋焦がれ私の初めてをあげた人。 「渋谷先輩」〈…邪魔した?〉その質問に首を振る〔どなたですか?〕〈元カレです〉

2019-07-11 02:00:04
やんちゃる @Okt__75

『は?』〈隣ええかな〉〔どうぞ〜❤︎〕なんで優ちゃんが答えるの! 優ちゃんが自分のバッグを退けて、そこに渋谷先輩が当たり前かのように座った。忠義を見れば、あからさまに顔を背けて不機嫌オーラを出してお酒を飲んでいた。 妬いてる? 私の視線に気づいたのか、忠義が長い足で私の足を絡めた

2019-07-11 02:06:21
やんちゃる @Okt__75

〔お名前聞いてもいいですか?〕〈渋谷です〉〔渋谷さんは、何で○○さんと別れたんですか?〕 忠義がいるのに、さすがにその質問は無いでしょ?と思いながら思い出してしまう私と渋谷先輩が別れた日。 〈何やったっけ…〉「確か『もうええやろこの話』忠義が遮って『トイレ』それだけ言って席を立った

2019-07-11 13:15:21
やんちゃる @Okt__75

〔あれ、怒っちゃいました?〕〈…あの人、○○の彼氏なん〉「うん」 即答した私に渋谷先輩は少し眉を寄せたけど直ぐに〈良かったな〉とあの日みたいに私の頭をくしゃっと撫でた。 〔お2人お似合いですね☺️〕〈何?あんたあの人狙ってるん?〉〔…え?〕〈彼女持ちの男を狙うってどんな神経なん?☺️〉

2019-07-11 22:02:34
やんちゃる @Okt__75

渋谷先輩、怒ってる…? 渋谷先輩の言葉に、優ちゃんは困った顔で首を傾げる。 〔何言ってるんですか?渋谷先輩ひどい🥺〕〈悪いけどその顔とその声、俺には通じひんから〉〔…〕〈声かけたのも○○が困ってそうやったから〉 私、そんなに顔に出てた…? 〈○○、我慢する時思いっきり手握んねん〉

2019-07-12 00:15:35
やんちゃる @Okt__75

自分の手に薄っすらと残った爪痕は、渋谷先輩といた時によく見た跡とよく似ていた。 『…ただいま』「おかえり」咄嗟に出た言葉に、忠義は少しだけ表情を緩ませる。 『そろそろお開きにするか』「もう?」だって忠義にしては随分早いお開き。飲み終わらないで有名なあの忠義が…?

2019-07-12 22:30:04
やんちゃる @Okt__75

〈俺といたく無いんやろ?(笑)〉『…別にそういう訳じゃ』〔…そうですね、お開きにしましょうか〕 にっこりと笑った優ちゃんは伝票を持って席を立つ。それに従い、私達も席を立った。 〔1人2500円ですね〕『○○の分俺が払うわ』「いやいいよ」『ええから』「…分かった、ありがとう」『ん』

2019-07-12 22:33:04
やんちゃる @Okt__75

. 「忠義?」『ん』「ね〜、どうしたの?」『ん』 さっきから私の腰に長い腕を巻きつけて離れない忠義。聞いても『ん』しか答えないし。 「ちょっと、本当にどうしたの?」 手を優しく叩いたら体が離れて、振り向いたら落ち込んだ表情の忠義がいた。『…ちょっと感じ悪かったよな、俺』

2019-07-13 16:14:32
やんちゃる @Okt__75

しゅん、と落ち込む忠義は垂れ下がった尻尾と耳が見える。 そんな忠義が可愛くて、よしよしと頭を撫でたら小さく『やめて』と言われてしまった。 「大丈夫だよ、渋谷先輩気にしてないと思うから」『…何その何でも知ってるみたいな』そんなんじゃないのに。眉を下げれば『何で別れたん』

2019-07-13 16:14:32
やんちゃる @Okt__75

ねえ忠義。親友だった時も、付き合っている今も、私忠義に聞かれてばっかりだね。私は我慢して、嫌われるんじゃないかって怖いのに。 その怖さが無いのは、やっぱり忠義は恋だと錯覚してるからなの? 『…○○?』「何だっけ、忘れちゃった」へへ、と笑って私は自分の不安な気持ちに蓋をした。

2019-07-13 16:18:06
やんちゃる @Okt__75

(里美さんって、誰なんだろう…) 美人さんで、お酒も強くて、きっと身長も高くて、きっと私よりも忠義にお似合いなんだと思うと少しだけ心が痛かった。 『俺飲み直すけど○○どうする?』「ん〜いいかな」『そっか…じゃあ先に寝とき』「うん、おやすみ」 最近、寝る前に忠義がキスをしてくれない

2019-07-13 16:33:19
やんちゃる @Okt__75

前までは、毎日してたのに… 1人ベッドに寝転び、テレビの音を聞きながら私は眠りについた。 . 丸「そんな暗い顔してどした?」「隆平くん…」丸「ん?」「…あの、相談なんだけど」丸「おんおん」 何?と優しい笑顔で私の隣に座る隆平くん。やっぱり癒しだな、隆平くんの笑顔

2019-07-13 16:33:20
やんちゃる @Okt__75

「友達の話なんだけどね」丸「はいはい、友達が?」「彼氏が、最近キス…してくれないらしくて」丸「…え?」「いや!だよね!その反応だよね!ごめんごめん!」笑って誤魔化して、この場を切り抜けようとすれば真顔の隆平くんが目に入った。 丸「その友達の彼氏に言っとき」 丸「奪われんでって」

2019-07-13 16:33:20
やんちゃる @Okt__75

「…隆平くん」 私、そんなに鈍感じゃないよ。 隆平くんがまだ私の事をまだ想ってくれているのも、付き合ったと報告した時吸えないのに喫煙室で泣いていた事を。そしてそれを煙のせいだと同僚の子に嘘をついていた事も。 「飲み物、買ってくる」丸「いってらっしゃい」逃げるように、席を立った

2019-07-13 19:56:36
やんちゃる @Okt__75

「お疲れ様です」 上司とすれ違った時に香った、珈琲と煙草の香り。そして微かに混じった柔軟剤の匂いに私は足が止まる。 この匂い… 振り向いたそこには、体格が大きい上司に隠れて見えなかった小柄な渋谷先輩が私の上司に愛想笑いをしている横顔があった。(何でここに渋谷先輩が…)

2019-07-13 19:56:37
やんちゃる @Okt__75

{あ、△△}「…はい!」{今回の一緒に企画を考える事になる◇◇会社の企画部部長渋谷さんだ}〈…こんにちは〉 渋谷先輩は驚いた顔をしていたけど、直ぐに優しい顔で頭を下げる。知らないフリしろって事かな… 「こんにちは」私はそれに対して頭を下げる。すると、〈彼女がいいです〉

2019-07-13 20:02:54
やんちゃる @Okt__75

「??」首を傾げたら、手の甲を口に当てて笑う渋谷先輩。その笑い方、好きだったな… {渋谷さんが言うなら…△△、頼んだぞ}「え、何を…」〈企画。俺が選んでもええならって理由でこの話受けてん。どう?やってみる?〉 挑発的な笑みに、気づいたら頷いていた。「…やります」

2019-07-13 22:30:55
やんちゃる @Okt__75

{じゃあ俺はこの後会議があるから、△△は渋谷さんを見送って} 上司に言われて、少し戸惑いながらも上司と入れ違いに渋谷さんの隣に行く。〈まさか○○の会社とはな…〉「…本当ですよ」〈でも安心したわ、○○がいて〉どうしてですか?なんて聞かなくても分かった。

2019-07-13 22:30:56
やんちゃる @Okt__75

「人見知りですもんね」 微笑みながらエレベーターの閉ドアを押せば完璧に2人っきりの空間。 〈いや…まあ…それもそうなんやけど〉「…?どうぞ」1階について促せばありがとう、と小さな声で言ってエレベーターから出る渋谷先輩。それに続いて私も出る。「じゃあまた」〈明日も来るけどな(笑)〉

2019-07-13 22:30:57
やんちゃる @Okt__75

渋谷先輩は私の頭を撫でる 「…先輩、よく私の頭撫でますよね」〈あ、ごめん、つい…〉「いえ…前の事を思い出したので」〈…あの頃の気持ちも思い出した?(笑)〉「…」 何も言えない私に、渋谷先輩は少しだけ困った顔で〈…また明日な〉そう言って帰って行った。 (忠義に、話した方がいいのかな〉

2019-07-14 22:19:50