長編 ） 後輩大倉くん ( Tadayoshi & You )

やんちゃる @Okt__75

さくら先輩の瞳が揺れて、斜め下に視線が移動する 「…大倉くんに言うの、すっごく苦しかったと思うし辛かったですよね」［…うん］「さくら先輩」 さくら先輩の小さく震える手をぎゅっと握って笑ってみせた。「もう忘れます、言われた事も、された事も全部」［…］「…だけど」だけど、だけどね

やんちゃる @Okt__75

「大倉くんだけは、渡したくないです」［…渡すもなにも、最初から忠義は私のじゃなかったよ］「…そうだとしても、です」［…○○ちゃん、］「私大倉くんのこと、大好きだから」そう伝えたら、なぜか自分の事のように嬉しそうに笑った。［それ、本人に言ってあげて？］「…ですよね」［うん］

やんちゃる @Okt__75

［じゃあ私は戻るね？○○ちゃんに謝りたかっただけだから］「じゃあ私も、」［だーめ。ね？忠義］「え」『…なんで言うん』［大好きって言葉に耳まで赤くして座り込んじゃって…］「聞いてたの？！」大倉くんは項垂れるように頷く。…いないと思ったから言えたのに。［遅れるって監督に言っとくから］

やんちゃる @Okt__75

『…ん、ありがと』［いーえ］ 優しく微笑んださくら先輩の顔は、どこか泣きそうだったのを覚えている。 さくら先輩が駆け足で体育館に入っていくその背中を眺めていたら、後ろからぎゅっと包み込まれてしまう。「…大倉くん、」『やっと、俺のになった…』「…ごめんね、待たせて」

やんちゃる @Okt__75

首元に顔を埋める大倉くん。擽ったくて身を縮こませたら、『こんな待て出来る犬おらんで？』「大倉くん犬だったの？」『○○先輩なら飼われたい』「…出来たら犬じゃなくて彼氏がいいな」『っ…わん』「…顔真っ赤」『照れ隠しです』「…可愛いね、本当可愛い」『可愛いより好きって言ってや』

やんちゃる @Okt__75

「…好き」『俺も☺️』 にこにこする大倉くんは、ちゅっと軽く唇にキスをした。『部活終わったら沢山ちゅーしてください☺️』「…やだって言ったら？」『もう待たないんで、えっろいちゅーします』「…早く部活戻って」『かわええ～！ほんまにかわええ！すき！だいすき！☺️』

やんちゃる @Okt__75

ねえ大倉くん。 今まで沢山傷つけたし、待たせたし、きっと他の子の方が…って思った事もあったと思う。だけど今、こうして私の隣で「好き」だと伝えてくれる大倉くんがたまらなく愛おしいよ 「…ねえ大倉くん」『はい？』「大好き」『…俺死ぬんかな』今日からよろしくね、彼氏くん。(おわり)