自分による自分の為のリョメモ

題名の通り
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ましろ @mashiro_idtV

ある日の夕食後。リビングで寛いでいた🤕に化け物は唐突にある物語を話して聞かせてきた。とある荘園で出会った化け物と男の話だった。荒唐無稽で俄かには信じられない荘園での話はしかし、本当のことなのだろうと目の前の化け物を知っている🤕は小さく頷き、そして理解した。

2021-03-16 13:13:00
ましろ @mashiro_idtV

自分はその男の生まれ変わりなんだなと。そして素直にそれを口にした。すると化け物は少しの沈黙の後「私が貴方の傍にいるということは、そうなのでしょうね」と答えた。そこで🤕は潔く胸の痛みの理由を知った。化け物が求めていたのは🤕ではなかったからだ。所謂失恋というものだった。

2021-03-16 13:13:01
ましろ @mashiro_idtV

自分は戦争を経験したことはないし、身体も傷だらけじゃない。運動はできるけどスタミナは普通だし、ナイフなんて扱えない。寡黙じゃないし、友達は多いし、紅茶は飲むけど珈琲の方が好きで、薔薇より肉が好きだし、甘い物よりしょっぱい物が好きだ。「だから、俺はお前が求めてる🤕じゃないよ」

2021-03-16 13:13:01
ましろ @mashiro_idtV

「えぇ、そうなのでしょう。でも、彼の魂は貴方の魂と同じだと私は本能でわかってしまうのです」 だから未練の残滓として傍にいるのだと化け物は語った。化け物は本当に残滓のようなもので、化け物の魂自体は既に生まれ変わって別の人生を歩んでいて、記憶はないという。🤕と一緒だった。

2021-03-16 13:13:01
ましろ @mashiro_idtV

「私は彼を忘れたくなかった。その想いが私を"今の私"と切り離して貴方の元へと送ったのでしょう」 好き合っていたのは確かなのに、結局結ばれる前に離れ離れになってお互いに死んだ。その未練が強く残った結果が化け物なのだ。

2021-03-16 13:13:02
ましろ @mashiro_idtV

そこまで聞いた🤕は、少し考えてから口を開いた。 「俺、お前が好きだ。でも、お前が好きなのは俺じゃない、俺が覚えてない過去の俺だ。俺はお前の俺になってあげることはもう、できないよ」 その言葉に仮面越しに苦笑を浮かべた化け物は小さく頷いた。

2021-03-16 13:13:02
ましろ @mashiro_idtV

「君を愛おしいと思います。でもそれはきっと、小さい頃から見守ってきた家族を想う気持ちなのでしょう。焦がれる愛ではなかった」 化け物の言葉に🤕は心に小さな傷を作りながらも、そうだろうと頷いた。愛情は愛情でも、化け物が🤕に向けるのは家族への愛だった。 「きっとお前の俺は、お前を

2021-03-16 13:13:02
ましろ @mashiro_idtV

待ってるから、迎えに行ってやるといい。俺は、俺としての人生を歩んでいくよ」 化け物に抱き着いた。小さい頃から慣れ親しんだ甘い薔薇の香りを吸い込んで、🤕は初恋に心の中で静かに別れを告げた。 「……君には、なんと謝罪したら」「いらない。あ、でも、そうだな……最後に名前を教えてくれるなら

2021-03-16 13:13:02
ましろ @mashiro_idtV

許してやってもいい」 そういう🤕にくすりと小さく笑みを零した化け物は、今まで教えてくれなかった名前を耳元で内緒話の様に🤕に伝えた。🤕という未練を断ち切る決意をしたらしい化け物は、朝には消えるらしい。唐突だなと思ったが、突然消えられるよりはマシだった。

2021-03-16 13:13:03
ましろ @mashiro_idtV

「もし、もし。生まれ変わった私と出会うことがあったとしたら……」「したら?」 眠るためにベッドへと入った🤕の隣に座りぽつりと呟いた化け物に首を傾けて問い掛けた。 「もう一度はじめましてから、始めてくれませんか?」 その言葉に🤕は、当たり前だろと笑って返した。

2021-03-16 13:13:03
ましろ @mashiro_idtV

化け物が消えてから数年経った。生まれ変わったという化け物にはまだ出会えていない。もしかしたら生きている場所は遠く離れているのかもしれないなと思いながら🤕は毎日を生きていた。 人が溢れかえる街を歩いていると、一人の背の高い男とぶつかり、荷物を散らばらせてしまう。

2021-03-16 13:13:03
ましろ @mashiro_idtV

🤕は慌てて謝りながらしゃがみ、相手の荷物を拾う。その時、ふわりと漂った甘い香る。記憶の隅にある、薔薇の甘い香りだった。顔を上げるとぶつかった男と目が合う。茶色い切れ長の瞳が見開かれていた。薄い唇が何故か始めて出会う🤕の名前を象る。そこで🤕は笑った。気付いてしまったからだ。

2021-03-16 13:13:03
ましろ @mashiro_idtV

どうやら過去の自分と化け物は似たもの同士だったらしいと。 荷物を拾い終えた🤕は困惑した男へと向き直って口を開いた。 「紅茶は好きか?」 驚いた顔をする男は、動揺した様子のままゆっくりと頷く。 「えぇ、好きです」

2021-03-16 13:13:04
ましろ @mashiro_idtV

「……俺は珈琲派なんだけど、隠れた紅茶の名店を知ってるんだ。一緒に行かないか?」 そうして差し伸べた手を反射的に男が握るのを見て、🤕は笑みを浮かべた。男の顔にも笑みが浮かぶ。細められた瞳には懐かしさと、しかし記憶とは違う表情を浮かべているのだろう🤕への新鮮さが見て取れた。

2021-03-16 13:13:04
ましろ @mashiro_idtV

🤕はやっと言えると弾む声を抑えられないまま男へと向けて言葉を紡ぐ。 「はじめましてから、始めよう。ジャック」

2021-03-16 13:13:04
ましろ @mashiro_idtV

情事が終わった後の処理の描写が好きなんですけど、散々抱かれてくったりしてる🤕を抱き上げてお風呂に連れて行って横抱きにしたまま指で精液掻き出してあげる✂とか。その指の動きすら敏感になったナカには辛くて小さく喘ぐ🤕とか

2021-03-17 09:11:43
ましろ @mashiro_idtV

結局喘ぐ🤕の声に煽られてボッキッキしたリぱちんをまた宛がうから「ゃ、やっ、も、しないって、言った…!」って首振る🤕に「すみません、後一回だけ」つって許可も取らないままに挿入してまたぐちゃぐちゃにしちゃう✂となすすべもなくイきまくる🤕……

2021-03-17 09:14:56
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