『原子力の経済学 新版』の要点 〔その1〕 原発をめぐる粉飾会計の実態

『原子力の経済学 新版』(室田武、技術評論社、1986年、第1版1981年)の要点 〔その1〕 第1章から第4章のなかで注目すべき内容を抜粋したもの。ここでは〔原発をめぐる粉飾会計のありかた〕に注目されたい。 なお続編は以下を参照: 〔その2〕 原発は化石燃料消費とCO2排出を加速する http://togetter.com/li/141491 続きを読む
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Kaameen @kaameen

さてと。『原子力の経済学』(室田武著)を読んでみた。昨日、予告(http://p.tl/hi6_ http://p.tl/9G2Z)した通り同書からその注目すべき内容の一部を抜粋し、少しずつツイートしてみる。多くの人に是非知って欲しい、30年前の良識が盛り沢山な内容だった。…

2011-05-28 01:11:05
Kaameen @kaameen

@makomelo さんに、以前ご紹介を受けた『原子力の経済学』(室田武著)を読んでみた。衝撃的な内容が盛り沢山。これから少しずつ気になったポイントを呟いてみます。 @hga02104 @im_a_surfer @kubota_photo @nagu_ryu @irm8

2011-05-28 01:11:34
Kaameen @kaameen

【原子力の経済学00】『新版 原子力の経済学』(室田武、技術評論社、1986年)/「チェルノブイリ原発事故 ――次は日本か、フランスか――」(帯文)/以下、抜粋ツイート開始。TWなので、文の意味を変えずに一部端折ったり、表現を調整したりする旨、お断りしておく。

2011-05-28 01:15:28
Kaameen @kaameen

【原子力の経済学■■】 まずは前置き的な内容からの抜粋

2011-05-28 01:18:59
Kaameen @kaameen

【原子力の経済学01】 アメリカでは、1970年代以降、原発開発は低迷気味。小売電力事業体が約3500もあるアメリカの場合、日本やソ連と異なって、電力供給といえども、市場経済の作用を免れないから、コストの高くつきすぎる原発から手を引く企業が増えてきた。

2011-05-28 01:19:34
Kaameen @kaameen

【原子力の経済学02】 日本ではじめて原子力開発に政府予算のついた1954年、『毎日新聞』(7月2日)のある記事に、原子力発電によれば電気代が2000分の1に下がるだろう、と書いてあった。経済の現実はむしろその逆を物語っている。…日本の9電力の料金はいまや世界一の高水準にある。

2011-05-28 01:21:22
Kaameen @kaameen

【原子力の経済学03】 原子力は石油の代わりになると宣伝されているのに、原発建設現場では相変わらずブルドーザーやトラックが石油を燃やして走り回り、核燃料は石油で動く船によって日本の港にやってくる。…多数の放射線被曝労働者と大量の石油によって、発電後の放射性廃棄物が処理されている。

2011-05-28 01:23:57
Kaameen @kaameen

【原子力の経済学04】 (原発の安全性を訴える)これらの主張は、原発推進諸当局自身が日本の原発群についてまったく無知であることの証明であるか、それとも故意に嘘をついていることの暴露であるか、どちらかである。その理由を以下で示す。[⇒これは長くなるので、また改めて]

2011-05-28 01:26:50
Kaameen @kaameen

【原子力の経済学■■】 第1章からは事故の影響についての記述を抜粋

2011-05-28 01:27:53
Kaameen @kaameen

【原子力の経済学05】 プルトニウム239の粉末をつくって、これを口や鼻を通じて均等に人びとの体内に摂取されるようにしてやると、耳かき1杯分で100万人の人を殺すことが可能である。

2011-05-28 01:29:24
Kaameen @kaameen

【原子力の経済学06】 沸騰水型原発も事故続き。福島県・福島第一原発1号炉(東京電力)は、営業運転開始後10年にして廃炉同然となり、度重なる大修理のため労働者被曝が特に著しい。

2011-05-28 01:30:09
Kaameen @kaameen

【原子力の経済学07】 1981年の事故は、敦賀湾沿岸の漁業者に大打撃を与えた。4月18日付『朝日新聞』夕刊は、次のように伝えている。〔浦底湾内で温排水を利用してハマチ、鯛の養殖をしている敦賀市漁協の職員は「最近、魚に奇形が現れ、おかしいと思っていた。…

2011-05-28 01:32:20
Kaameen @kaameen

【原子力の経済学08】 …なにしろ、放射能は目に見えないので、不安でしょうがない。この騒ぎで魚が売れんようになったら…」とつぶやいていた〕。

2011-05-28 01:35:37
Kaameen @kaameen

【原子力の経済学09】 こうした懸念は、ただちに現実のものとなった。4月20日付の『毎日新聞』夕刊は、次のように伝えている。「アマエビは値がつかず、せりはストップ、ワカメも買いたたかれ、10分の1の安値…卸値は軒並み大暴落。…当分、冷凍保管するという”異常事態”になった」。

2011-05-28 01:36:20
Kaameen @kaameen

【kaameenのコメント】 で、そのとき冷凍保管された魚はどこへ行ったんだろう?

2011-05-28 01:38:10
Kaameen @kaameen

【原子力の経済学10】 福島第一原子力発電所の周辺では、以前から海がコバルト60で汚染されていることが知られていたが、1980年前後ころから、小学校の校庭の塵からも、それが発見されるほどになっている。浜岡原発周辺や、関西電力㈱が7基の原発をもつ若狭湾でも状況は大同小異である。

2011-05-28 01:40:03
Kaameen @kaameen

【原子力の経済学■■】 第3章からは[粉飾会計]についての記述を抜粋

2011-05-28 01:40:55
Kaameen @kaameen

【原子力の経済学11】 電力各社は、配当のないことがわかっている日本原電の額面約460億円相当もの株を保有し、そこから高価な電力をひきとり、公営電気事業からは安く電力をかいたたいている。これこそが、日本原電の特異な存在理由であり、9電力と他者との関係の基本構造の一部をなすもの。

2011-05-28 01:42:38
Kaameen @kaameen

【原子力の経済学11】 原発は他の発電方式に比べて経済的である、という主張が、電力会社のPRにおいてだけでなく、新聞記事などマスコミにおいても普及しているこのごろであるが、これが真実と正反対であることは、以上の考察から充分に理解していただけたことであろう。 〔⇒詳しくは本書で!〕

2011-05-28 01:43:57
Kaameen @kaameen

【原子力の経済学12】 発電するとウラン235はなくなるのだから、毎年一定量の核燃料が減損して、この減損額は費用に計上される。ところが…核燃料は固定資産と同列の扱いをうけている。つまり核燃料は、一方で費用計算の対象になる燃料であると同時に、他方では燃料ではなく固定資産なのである。

2011-05-28 01:46:43
Kaameen @kaameen

【原子力の経済学13】 …奇妙な会計操作がなされる理由は、それがいったん原子炉に装荷されると、徐々に死の灰に変わりつつ発熱をつづけて発電に貢献し、ふつう3年間は炉内にとどまるため、燃料でもあり固定資産でもあるからだという。…

2011-05-28 01:47:47
Kaameen @kaameen

【原子力の経済学14】 …たとえこの理由づけが会計的に正当であるとしても、固定資産と同じ扱いをうけるべき核燃料は、装荷核燃料のみに限定されると考えるのが常識。ところがレートベースの計算には、装荷核燃料だけでなく加工中等核燃料が含まれているばかりか、後者の金額の方がはるかに大きい。

2011-05-28 01:51:10
Kaameen @kaameen

【原子力の経済学15】 …こうした「燃料」は、原発敷地内には存在しないばかりか、日本にさえなく、帳簿に記載されている金額は電力会社がアメリカのエネルギー省などとの間で結んだ契約額にすぎない。…

2011-05-28 01:52:42
Kaameen @kaameen

【原子力の経済学16】 …いいかえれば、日本に存在しない核燃料でさえ、買い付け契約さえなされれば、その額がレートベースに組み込まれ、その8%は自動的に適正利潤を増やし、電力単価の上昇につながるしくみになっているのである。

2011-05-28 01:53:02
Kaameen @kaameen

【原子力の経済学17】 さらに注目されるのは、加工中等燃料の中には再処理燃料も入っている、という点。3年に1度くらいの割合で原子炉からとりだすことになっている使用済み核燃料は、死の灰の塊のようなものであり、常識的には何らかの費用をかけて長期保管すべき廃物以外のなにものでもない。…

2011-05-28 01:54:12