『原子力の経済学 新版』の要点 〔その1〕 原発をめぐる粉飾会計の実態
【原子力の経済学18】 …しかし、今日の電力会計の中では、この廃物の中にプルトニウム239が含まれているという事実を援用して、これが資産視されている。つまり、やっかい至極な放射性廃棄物であっても、再処理すればプルトニウムが抽出される物体であり、…
2011-05-28 01:56:29【原子力の経済学19】 …このプルトニウムは高速増殖炉の原料になりうるし、場合によっては軽水炉の燃料の一部にさえなるかもしれないのだから、廃物にも再処理核燃料という名前をつけて資産とみなし、これもレートベースに組み込んでおこう、というしだいである。
2011-05-28 01:57:06【原子力の経済学20】 なぜ電力会社がこのような手続きをとるかといえば、廃物を負債扱いにする立場を取ると、原発による発生電力の燃料コストが高くなりすぎるので、逆に資産扱いしておくことによって燃料コストを安くみせかけておき、…
2011-05-28 01:58:16【原子力の経済学21】 …ふえたレートベースを基準にして、高い料金を需要家から徴収して、最終的に利潤を少しでも大きくしていくことが、独占企業の経営目的と合致し、また、その利潤の一部を投資に回すことで経済成長に資することになるからである、といってよかろう。
2011-05-28 01:58:35【kaameenのコメント】 そうか、だから既に明らかなはずの高速増殖炉の破綻を認めようとしないという訳か…。これは明らかな粉飾決算というべきだろう。これで「原発由来の電力が安い」という虚偽の裏に、どのようなカラクリがあったのかが明快になっただろう。
2011-05-28 02:02:34【kaameenのコメント】 それにしても会計を得意とする筈の勝間和代氏がこの点を見逃していたのは、間抜け極まりないねぇ…。もし彼女が電力会社のそうしたいかがわしさに気が付いたなら、その領域における高い性能を発揮して、この粉飾を徹底的に暴くべきだ。そうすれば、電力会社に協力し、…
2011-05-28 02:03:49【kaameenのコメント】 …安全デマを著しく拡大し、誠実な学者やジャーナリストを追い詰めてきたことの汚名も、少しは晴らされるだろう。彼女には脱原発に向けて、どうしても必要となるであろう過去の総括という仕事を推進する中心的役割を担って頂きたいと考えるのであるが、いかがだろう?
2011-05-28 02:04:30【原子力の経済学22】 表3-4〔同書を参照されたい〕には、東京電力の各年度中の核燃料減損額も記しておいたが、…これには将来必要になる死の灰やプルトニウムの処理費用は含まれていない。したがって、この減損額に対応する発生電力量を算出し、1kw/時当たりの燃料費を計算すれば、…
2011-05-28 02:07:10【原子力の経済学23】 …それが極めて低い値になるのは当然であり、燃料費の面で原発が経済的だ、という議論は、電力会計のこの一面のみを、あたかも原発問題のすべてであるかのように電力会社が宣伝し、マスコミが受け売りした結果にすぎない。
2011-05-28 02:07:41【原子力の経済学24】 …私たちにとっては、そのように帳簿上は安上がりにみえる原発の燃料費は、ありがたいことでもなんでもなく、むしろその背後にある事実を通じて、不当に高価な電力を押しつけられていることのほうが、はるかに重大な問題である。その事実とは、…
2011-05-28 02:09:42【原子力の経済学25】 …年度中の核燃料減損額(火力発電の場合の重油代)に対するその年度末現在の加工中等核燃料の比率が、毎年数十倍にも達している点である。実際にはいつ使うか分からないウランも買い付け契約を増やせば増やすほど利潤はふえ、私達の暮らしは悪化する一方、ということになる。
2011-05-28 02:11:32【原子力の経済学26】 …象徴的に示しているのは、原子力発電所を1基も保有していないばかりか、建設途上にもない北陸電力の場合である。当時能登原発予定地点には観測塔が1本立っているだけで、原発の影も形もないのに、約595億円相当の加工中等核燃料を資産に計上している。
2011-05-28 02:17:13【原子力の経済学27】 つまり、原発そのものが存在しなくても、核燃料の買い付け契約さえすれば、その金額は固定資産と同列の扱いをうけ、料金値上げ申請の際のレートベースを増やすことができるわけで、こうした独占料金制度が適切かどうか、抜本的な検討が必要であろう。
2011-05-28 02:17:45【kaameenのコメント】 もんじゅなどの高速増殖炉を止めたくないのも、核燃料サイクルが破綻していることを認めようとしないのも、全てはこの粉飾会計を隠すためだろう。
2011-05-28 02:21:51【kaameenのコメント】 歴代役員の責任問題は疎か、過去の政治家や官僚の巨悪がまとめて裁かれなければならない状況に至る。政治家や官僚や学者や財界人を含め、臆病者が日和りたくなるのもよく分かる。いま闘っている人達は、ほとんど命懸けの覚悟でやっていることを私達は理解すべきだろう。
2011-05-28 02:23:00【原子力の経済学■■】 第4章からは[保証されているのは原発の安全性ではなく電力会社の経営状況の安全性だった件]についての記述を抜粋
2011-05-28 02:25:24【原子力の経済学28】 原子力賠償法の記載については、何をもって「異常に巨大な天災地変」とするかは曖昧。したがって、多くの地震学者が予測している東海大地震が実際におこり、これが原因となって大事故が発生した場合、電力会社が免責になってしまう可能性が有る。
2011-05-28 02:27:20【原子力の経済学29】 つまり、原発は技術的にみて安全なのではなく、免責だらけの原賠法が、原子力事業者の経営を安全なものに保つ役割を果たしている、ということである。原発がほんとうにそれほど危険でないなら、現行の原賠法は不要なはずである。
2011-05-28 02:29:06【原子力の経済学30】 原発がたいして危険でないという場合、そのことをいわゆる専門家にしか十分に理解できない種々の技術的安全装置の存在によって証明する必要は、考えようによっては、ほとんどないといってもよいくらいであり、…
2011-05-28 02:29:34【原子力の経済学31】 …危険でないことの証明が、現行の原賠法の撤廃、およびその撤廃後に予想される巨額の損害保険料を電気料金に組み入れることを禁止する制度の確立によってなされるとき、はじめて国民一人一人にとって、それが納得のいくものとなるのではなかろうか。
2011-05-28 02:30:09【原子力の経済学32】 電力業界や保険業界は、原子力については水力や火力にはないきわめて手厚い国家保護を受けたうえで、なおかつ、他よりはるかに高額の損害保険契約を結んでいるわけで、表3-4の数字が、原発の危険性を雄弁に物語っている。
2011-05-28 02:31:13【原子力の経済学33】 原発の危険性をもっともよく熟知して予想被害額を計算しているのは、官庁の役人でもなく、ジャーナリストや原発反対派でもなく、実は保険業界である、といっても過言ではないだろう。
2011-05-28 02:31:34【原子力の経済学■■】 疲れたので、今日はここまで(次のテーマに入ると長くなるため、ちょっとムリそう)。ご一読戴けた方には粉飾会計についてご理解戴けたかと。明日はいよいよ〔原発が石油消費の削減に結びつかない件〕についてツイートします。次なる衝撃的事実が判明の予定。乞うご期待!!
2011-05-28 02:49:20取り敢えず今日は4章までの要点をツイートしました。続きは明日。一気に読みたい方は、後ほどTogetherで。ご関心持たれたら是非実物を…。 QT @hga02104 一気に読みましょう。以前の本が断然説得力。あとづけ本は、つまらない。 RT 『原子力の経済学』(室田武著)
2011-05-28 02:51:47本当ですね。こちらこそ、貴重な文献をご紹介頂き、有難うございます。お陰で売り切れ前に入手できました!w RT @makomelo 古い本だけど衝撃的なデータ多いですよね!昔にこんなに分かっていたのに!丁寧に内容を呟いてくださってありがとう存じます。
2011-05-28 02:52:25