『ボクのBABYMETAL物語』〜おっさん's Road of Resistance〜

あるおっさんの、ベビメタどハマり物語。
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NANIO @NANIO_J

『ボクのBM物語』1 ボクは今53歳。警備業に従事している。元々は、売れないフリーライターで、ロックバンドでドラムを叩いていた。それが、あの3.11東関東大震災に遭って以来、それまでの人生に疑問を感じるようになった。 そして、ライター業を廃業し、バンドを辞め、地元で定職に就く決心をした。

2019-09-29 22:04:33
NANIO @NANIO_J

『ボクのBM物語』2 バンドを辞めて、仕事を辞めるとき、ボクはTwitterに『ROCKな生き方とは何か』というテーマで連投をした。そしたら、それが大反響になり、トゥギャられて著名人に紹介されて、賛否両論を呼び、我ながらビビった経験がある。なにか、禊のような瞬間だった。

2019-09-29 22:12:13
NANIO @NANIO_J

『ボクのBM物語』3 仕事とバンドを辞め、今の仕事に就いたのは46歳の時だった。今から7年前だ。今思えば、その時もう、BABYMETALは存在していた。しかし、そんなことには気づかなかった。ボクはヘビーメタルは好きじゃなかったし、ましてアイドルなんて、まるで縁がなかった。

2019-09-29 22:23:17
NANIO @NANIO_J

『ボクのBM物語』4 大体あの頃のボクに、もはや音楽を楽しむ余裕なんてなかった。バンドを辞めて、やりたくもない警備業の内勤として就職し、現場経験のために制服を着たときは、地獄に落ちた気分だった。ネクタイすら嫌がった自分が、与えられた制服を着せられているなんて文字通り「お仕着せ」だ。

2019-09-29 22:38:43
NANIO @NANIO_J

『ボクのBM物語』5 BABYMETALの今年1発目の配信ナンバー『ELEVATOR GIRL』はそんなボクの心のアップダウンを代弁したような曲だ。上へ参ります、下へ参ります、次は地獄へ止まります、だからいつも命がけ…それは転職当時のボクの心情であり、そして今も仕事の常態DEATH 。楽しい曲だけど刺さるね。

2019-09-29 22:54:31
NANIO @NANIO_J

『ボクのBM物語』6 転職とともに、音楽から遠ざかっていたボクの、唯一の音楽との接点は、酒とおねーちゃんと過ごすひとときだけだった。キャバクラやガールズバーで、酔っ払い、おねーちゃんと戯れながら、カラオケで好き勝手に歌を歌っているときだけが、生きている実感を得られるひとときだった。

2019-09-29 22:59:37
NANIO @NANIO_J

『ボクのBM物語』7 ボクがBABYMETALを知ったのは、そんな時間の中でだった。地元の小さなガールズバーは、カラオケが無料だった。そのカラオケ用のモニターでは、歌を歌っていない間、スペースシャワーなどのCS放送が流れていた。そこで、ずっとアイドルのPVやライブが流れていたんだ。

2019-09-29 23:06:13
NANIO @NANIO_J

『ボクのBM物語』8 元々アイドルに興味がないボクは、ガールズバーのおねーちゃんと戯れながら、背後にあるモニターを観る気もなく眺めていた。きゃぴきゃぴしたアイドルグループが軒を連ねる中、時折現れる赤黒の衣装をまとって激しく踊り歌う3人組がいることに、ボクは少しずつ気を取られ始めた。

2019-09-29 23:15:05
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『ボクのBM物語』9 そのコ達は、小っちゃい双子と、ちょっと背の高い女の子で、やたら激しいロックのリズムに乗りながら、踊り狂っているように見えた。それを観るにつけ、ボクは「なんだこのコ達、カッコイイじゃん」と率直に思っていた。でも所詮アイドルでしょ、という偏見も同時に持ってたなあ。

2019-09-29 23:22:00
NANIO @NANIO_J

『ボクのBM物語』10 それがボクの、BABYMETALとの出会いだった。だからボクは、「このコ達、なんかカッコイイアイドルだけど、こんなの売れるのかな?」と思いながら観ていた。そして、その時は名前を覚えたくらいで、それ以上に首を突っ込むようになったのはもっと後だった。この頃4年前位かな。

2019-09-29 23:29:57
NANIO @NANIO_J

『ボクのBM物語』11 ボクがBABYMETALに急激に接近したのはそれから1年後くらいだった。それは、ある晩YouTubeをチェックしていた時だった。当時ボクはSiMが好きで、SiMのPVをチェックしていた。そのときオススメ欄か何かに、BMの『ギミチョコ』があるのを見つけた。「あっコレ、あの子達じゃん」!

2019-09-29 23:41:19
NANIO @NANIO_J

『ボクのBM物語』12 ボクは試しに『ギミチョコ』をクリックした。デスボイスで『Give me chocolate』とコールされた直後、女の子達が倒れそうになったかと思ったら、そのまま腕をぐるんぐるん回しながら、超アップテンポなメタルチューン(ボクにはパンクに聞こえた)に乗って「ちょっちょっちょ」!

2019-09-29 23:54:03
NANIO @NANIO_J

『ボクのBM物語』13 「ちょ、ちょ、ちょっと待って! ナニコレカコイイ!」…その衝撃はただならぬモノだった。これまで何気なく眺めてただけだったし、ガールズバーのモニターからはそんな大した音量出てなかったから、イキナリマトモに『ギミチョコ』を喰らってしまい、ボクは失神寸前になったw

2019-09-30 00:02:20
NANIO @NANIO_J

『ボクのBM物語』14 大体、なんなんだこの歌詞は!? 全く意味を成していない、オノマトペのようなコトバの羅列。なのに何かを訴えかけてくるような突き刺さり方と言ったら…。ボクはその時何故か、YMOの『Technopolis』を聞いたときの衝撃を思い浮かべていた。一体コレは、何なんですか!?

2019-09-30 00:09:53
NANIO @NANIO_J

『ボクのBM物語』15 そもそもこの子達はアイドルなのに、なんでこんなヘヴィーなリズムと演奏に合わせて、縦横無尽に歌って踊って、ニコニコ笑って、ヘーキな顔してんだ? あっそうか、これはいわゆる「企画モノ」なんだな!? こういうわけわからん曲を売りにして、奇をてらってんだなと思った。

2019-09-30 00:15:48
NANIO @NANIO_J

『ボクのBM物語』16 ボクは何度か『ギミチョコ』をリピートした後、次に続くBMPVもチェックすることにした。奇をてらってやってるんだと高を括ったボクの想定は、曲を追うごとに脆くも崩れ去っていった。…そして思った。「ヤバい、このコら本気でコレやってる! うわぁ、どうしよう! 変過ぎる!」

2019-09-30 00:23:31
NANIO @NANIO_J

『ボクのBM物語』17 …元々「変なモノ」や「いびつなモノ」に惹かれる嗜好のボクにとって、BABYMETALは超スウィートでキュートなゲテモノだということを、その晩ボクはハッキリと認識した。そしてそれは、ロックに本格的に目覚めた頃出会った音楽に対する衝撃や興奮と同等で、しかも全く異質だった。

2019-09-30 00:35:05
NANIO @NANIO_J

『ボクのBM物語』18 「一体、このコ達は何を目指しているんだ!?」…その日から、ボクのBM愛は一気に進行し始めた。YouTubeをチェックし、ググり、BMを知ることに夢中になった。50歳のおっさんが、オナニーを覚えた中学生のように没頭しているなんて、遂に限界が来たんじゃないかと思いながら。

2019-09-30 00:47:58
NANIO @NANIO_J

『ボクのBM物語』19 しかしそれはボクの限界というわけではないことに、やがて気づき始める。BMを追ううちに、この「病」に冒されている、かつてのロック、メタル少年達が、この世に多数出現していることに気づくのだ。そしてそういった、いわゆる「メイト」が、現在進行形で増殖中だということに。

2019-09-30 00:55:08
NANIO @NANIO_J

『ボクのBM物語』20 BABYMETALにハマったボクは、馴染みのロックバーのマスターに、BMの素晴らしさを力説するようになった。HMをはじめとするあらゆるロックに精通するマスターは、最初は「ふうん」といった表情でボクの話を聞いていたが、2017年のガンズ日本公演の時にBMを観て、一気にハマったw

2019-09-30 01:01:39
NANIO @NANIO_J

『ボクのBM物語』21 また、ボクの身近にも「メイト」がすでに存在していた。大阪在住の彼女に、ひょんなことからBABYMETALの話をしたら、なんと彼女はデロを何枚も持っているという。ボクが貧乏すぎてCデロも持っていないと知り、焼いたモノを送ってきてくれた。しかも、驚きのお誘いを受けたんだ。

2019-09-30 01:11:34
NANIO @NANIO_J

ボクのBM物語』22 「『BIG FOX FESTIVAL』のチケが1枚余ってるよ。大阪来る?」と彼女は言ってきた。ボクは、二つ返事で行く! 行きたい!と叫んでいた。正直、大阪に行くお金なんかボクにはなかった。でも行くしかないと思った。今このタイミングで行かなかったらゼッタイ後悔すると思ったんだ。

2019-09-30 01:17:32
NANIO @NANIO_J

『ボクのBM物語』23 結果として、ボクは後悔しないで済んだ、と言うべきだろう。だって、この城ホールでのステージを最後に、YUIMETALは姿を消してしまった。あの、ガールズバーの画面で眺めていた、Kawaiiトライアングルの一翼を、この目で一度も見ずにいたら、今ここまでハマっていたかどうか…。

2019-09-30 01:32:08
NANIO @NANIO_J

『ボクのBM物語』24 そしてもうひとつ、この2017年の城ホールでBABYMETAL LIVE初参戦を果たしたボクにとって、忘れられない思い出となったのが、件の女性に連れられて参加したアフターパーティだった。そこにはボクと同じようなおじさん達が沢山いて、さらに海外からのメイトもわんさと集っていた。

2019-09-30 01:37:47
NANIO @NANIO_J

『ボクのBM物語』25 これまで、ライブ後に仲間内で飲むことはあっても、こんな大規模なアフターパーティーに参加するなんて、考えたこともなかったボクは、最初もの凄く抵抗感があった。なんか群れてるみたいで、馴れ合い、おざなりなんじゃないかと勝手に思っていた。でもそれは勝手な偏見だった。

2019-09-30 01:44:50