Xbox One後方互換のすすめ(またはひと昔前にリリースされたゲームを懐かしむまとめ)

日本ではマイナーすぎて、もはや「謎のゲームハード」と化したXbox Oneが持っている後方互換機能について説明しつつ、互換対応している中から個人的に思い入れのあるゲームについて好き放題書いています。
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なお、初代Xbox作品は全体的にモデルやテクスチャがしっかりしているものが多く、解像度という足枷が外れたことで大幅に美しくなるのは本作に限った現象ではありません

Q.オンラインで遊べる?

Xbox360作品に関しては、Xbox360実機で遊ぶのと同様にオンラインで遊べます(Xbox Liveのゴールドライセンスは勿論必要)。繋がる相手は、Xbox360のプレーヤーと後方互換のプレーヤー両方。

ただ、Xbox360実機よりも少しネット接続の質に敏感なようで、NATがオープンになっていないとXbox One本体は普通にXbox Liveに繋がるのに後方互換では繋がらない、という事態が発生することがあるようです(実は私自身もこの現象を経験しました)。オフラインのゲームなら互換時にXbox Liveに繋がなくても普通に遊べますが、オンラインで遊びたいやクラウドセーブを使いたい人は要注意です。NATオープンの方法は私も人に教えるほど詳しくないので、各自ググってください(Xbox Oneのシステム設定で、NATの状態を確認することができます)。

また、互換ゲームはゲームのDVDから直接再生するわけではなく、Xbox One用にカスタマイズされたゲームデータ(多くの場合は数百MB~数GB)をダウンロードして遊ぶことになるので、最低でもその段階はXbox Oneを高速インターネット回線に繋いでいる必要があります。

Q.日本版で遊べる?

日本版が発売されているゲームであれば、ゲームデータのダウンロード時に本体の地域設定を日本にしておけば、日本版がダウンロードされます。逆に言うと、本体設定を米国にしておけば買い直すことなく海外版をダウンロードして遊べる作品も多く、たとえば「地球防衛軍3」の海外版では英語で喋り歌うEDF隊員と一緒に戦うことができます(ますますB級SF映画っぽくなって最高です)。

Q.無料?

互換機能は無料で使えます。対応作品のディスクを持っていたら、Xbox Oneに突っ込めば勝手にダウンロードしてくれますし、ダウンロード販売版を購入済みであれば「ダウンロード可能なゲーム」の一覧からダウンロードできます。稀にダウンロード版のソフト自体を無料で配ってる場合すらあります。なお、ディスクを使ってダウンロードした場合は、遊ぶ際もディスクは入れておかないといけません。

Q.全てのXbox360/初代Xboxソフトが遊べる?

残念ながら全てではありません。初代Xboxで対応している作品は1000本ちょっとあるうちの41本とごく一部ですし、Xbox360の作品はかなり頑張ってますが2000本少々あるうちの575本です。

ただ、Xbox360作品の互換対応はユーザーからの人気投票を参考に進められたため、互換非対応となった作品の多くは、そもそもあまり人気のなかった作品、スポーツゲームの旧年版など互換の意義が乏しい作品(これが実はすごく多い)、Xbox One版が既に発売されていた作品、特殊コントローラー必須の音楽ゲーム、そもそも互換対応していないキネクト専用作品で占められています。要するに、十分な人気のあった作品は多くが互換対応している、ということです。

とはいえ、会社が潰れてて権利が行方不明の作品、版権などで権利のややこしい作品、、人気が局所的で広い支持は得られなかった作品、一部地域でしか発売されなかった作品が結構非互換となっていたり、中には思いもかけない大作が非互換だったりもするので、対象ソフト的な意味で100%満足いくものでないことは否定しません(互換の品質という意味では120%満足なんですが)。既に新規の互換対応は打ち切ってしまいましたが、将来的には互換未対応作品(特に日本のシューティングゲーム)からの敗者復活があることを願ってやみません。

Q.PS4やPS5でもいずれPS3作品の互換をするのでは?

Xbox Oneの後方互換が発表された時、「PS4でもPS3の互換をしてくれ」という声が多数上がりました。極端な話、「新機種向けに作り直したリマスター版を全部用意しておいて、PS3のディスクを認識したらダウンロード提供する」というのは、採算的にはともかく技術的には不可能ではないですし、PS3のディスクを認証キーとしてPS3のクラウドゲーミングを無償開放するという形だとそれよりだいぶ現実的になるため、本当に正確なところは「分からない」としか言い様がありません

ただ、PS3がCELLというかなり独自性の強いCPUで動いていた上、当時のSCEトップの発言に「ハードウェア特化の開発」を促していたと思われる内容が目立っており、特にマルチプラットフォーム開発が軌道に乗る以前の作品は移植・互換しにくいと思われることや、PS4世代もそろそろ終盤で間もなくPS3が2世代前になること、対象作品が膨大でとんでもない巨大プロジェクトとなることも考慮すると、ソニー自社作品のリマスターならともかく、Xbox Oneのようなサードパーティ作品を含む広範なPS3作品の互換対応は今後もやらない可能性が高いと思います。ただ、PS4はPS3よりだいぶ「普通の構造」のハードウェアだと聞いていますので、PS5でPS4作品の互換をする可能性は十分にあるとも思っています。とはいえ、Xbox Oneの互換が「最初は否定してたのに途中でいきなり対応」という完全な不意打ちだったこともあり、PS4ソフトも互換を考慮して開発されていない可能性もあるのですが。

追記
2019年10月8日のWired記事で、「(PS5)PS4のアーキテクチャーに基づいており、そしてPS4との後方互換性を保つことになる」との旨が発表されました。全作品を網羅するかは不明ですが、とりあえずPS4向けソフトが今後も活かされることになったのは喜ばしいことです。なおPS3ソフトの互換には言及がありません。
特報:ソニーの次世代ゲーム機「PS5」は、革命的なマシンになる

さらに追記
4gamerの記事では「PlayStation 4タイトルとの互換性も予定されている」「PlayStation 4タイトルとの互換性実現に向けた設計」と若干後退した記載でした(当初、上記追記の元にしていたファミ通の記事も同様の表記に変更)。PS5でのPS4互換に対して前向きに名言しているのは確実ですが、どこまで実現するのかは少し様子見が必要なようです。
「プレイステーション 5」が正式に発表。2020年の年末商戦期に発売へ(4gamer)

ちなみにXbox Oneの後方互換に関しては、1つ興味深い話があります。これは残念ながら元記事が見つかっていないのですが、Xbox360が発売されて数年以内のかなり早期に、「マイクロソフトはハード特化の開発を禁じており、次世代機での互換を目論んでいる可能性がある」という内容の日本語記事が出たことがありました(互換で実機よりパフォーマンス向上する可能性まで指摘していました)。この記事を踏まえると、Xbox Oneの後方互換はXbox360の開発当時から行われていた仕込みが10年越しで結実した成果なのではないかと私は思っています。

Q.海外版ソフトはどう手に入れたらいい?

紹介してる中には海外版しかないソフトも含まれていますが、たとえばAmazonでは海外版を輸入販売している業者なんかもありますし、大都市とかだと中古含め海外版を店頭販売してるお店も存在します。あとは個人輸入ですが、米国のAmazonは日本にゲームを発送してくれないので注意です(英国のAmazonは日本に発送してくれたことがあるので、米国以外なら購入可能かも)。なお、Xbox Oneにはゲームのリージョン設定がないので、互換で遊ぶ分にはリージョンを気にする必要はありません。Xbox360では海外版本体でしか動かなかったゲームが、普通に日本のXbox Oneで起動することを確認しています。

日本未配信のXBLAやダウンロード販売ソフトはちょっと説明が難しくて、私自身はXbox360向けに購入していたものをそのまんま使ってるので、Xbox Oneで海外の互換ソフトを買ったことがないんですよね。日本未配信のXbox Oneソフトは日本のアカウントでも海外ストアに繋げば普通に購入できますが、海外だけで無料配信してるXbox360ソフトは日本のアカウントでは落ちてこないので、互換向けの購入でも海外のアカウントが必要かもしれません。海外アカウントの作り方は、書くと長いので各自ググってください。

Q.互換も遊ぶ前提でXbox Oneを買うとして、どの機種がおすすめ?

まず、最も安価なAll digital editionは基本的には避けた方がいいです。光学ドライブがなく、安く売られているXbox360ディスクを買って互換で遊ぶことができないからです(「全部ダウンロード版で買うぜ」っていう人ならアリですが)。

あとは普通のXbox One(今のものはXbox One Sというマイナーチェンジ版)か上位機種のXbox One Xかですが、本気でがっつり遊びたいならXbox One Xが推奨です。2万円くらい本体価格が上がりますが、互換のソフトもXbox Oneネイティブのソフトもより快適に遊べるというのは本当に恩恵が大きい。

ただ、通常のXbox One(=Xbox One S)でもXbox360のソフトを実機以上に快適に遊べますし、2020年の末以降は次世代Xboxにあたるコードネーム:Project Scarlettも出てきますので、今はXbox One Sでお茶を濁すのも悪くない選択肢だと思います(Project Scarlettでも互換対応することは明言されています)。

Xbox Oneはよく値引きや話題作同梱なんかもやっているので、うまいことお得なやつをゲットしてください。たとえば「ギアーズ・オブ・ウォー」を遊ぶならこの辺とか。

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