Xbox One後方互換のすすめ(またはひと昔前にリリースされたゲームを懐かしむまとめ)

日本ではマイナーすぎて、もはや「謎のゲームハード」と化したXbox Oneが持っている後方互換機能について説明しつつ、互換対応している中から個人的に思い入れのあるゲームについて好き放題書いています。
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後方互換 総説

ゲーム機の後方互換(backward compatibility)とは

ゲーム機の後方互換とは、たとえばプレイステーション(以下「PS」と記載)のソフトがPS2やPS3でも遊べたように、旧世代の機種向けのゲームを買い直すことなく新しい機種でも遊ぶことができる機能のことです。Xbox One(以下、基本的に上位機種のXbox One Xを含む)では、初代XboxやXbox360のソフトの一部をプレイすることができます

このまとめを作った理由

この後方互換機能の存在により、Xbox Oneは安ければ3万円程度、上位機種のXbox One Xでも5万円未満で買える安価なハードウェアでありながら、最新ゲームも往年の傑作も多数遊べ、しかも往年の作品はかなり安価で購入可能という、コスパの異常に高いゲーム機に育っているのですが、残念ながら日本マイクロソフトの不甲斐なさもあって、日本では完全にマイナーハードの座をほしいままにしており、後方互換に関してもあまり実情を知られていないというのが現状です。

マイナーハード界に君臨するXbox One氏。もはや王者の風格である。

ということで、「濃いXboxユーザー」を勝手に代表して、Xbox Oneの後方互換機能で具体的に何を遊べるのか知ってもらおうと思った、というのが当まとめを作った経緯です。

Xbox One後方互換 Q&A

では、まずは後方互換機能の概要について、多くの人が疑問に思っているであろう点を一問一答形式で書いていきます。

Q.そもそも古いゲームを遊ぶ機能なんて必要なくない?

これに対する答えは、「最新ゲームを遊ぶ機能に負けないくらい必要性がある」です。

Xbox Oneの後方互換機能は、主に前機種であるXbox360のゲームが対象ですが、Xbox360やPS3が現役だったのは2005年頃からの約8年間と、家庭用ゲーム機の歴史でも特に長く、またハード性能の向上に伴ってゲーム製作の自由度が大幅に向上したため、今遊んでも全く遜色のない近代的なゲームが数多くリリースされました。たとえば「Grand Theft Auto V」は現在においても最も緻密かつ大規模なゲームですが、これはXbox360の世代に発売された作品です。流行り廃りはあれど、Xbox360のゲームと今の最新のゲームには、本質的な違いはほとんどないんです。

また、この時期は非常に多くのゲームがリリースされたため、有力な作品に限っても全て遊んでいるような人はまずいません。普通に考えて有名作品ですら半分も遊んでいない人が大半でしょうし、Xbox360のユーザーが少なかったことも考慮すれば、Xbox360専用のゲーム(実は結構ある)は触れたことのない人が大半でしょう。

後方互換はしばしば「昔のゲームも貪欲に遊びたい人」向けの機能だと思われていますが、私はむしろXboxユーザーのイメージとは真逆の、「Xbox360なんて聞いたこともないような、比較的ゆるいゲーム好き」にこそ恩恵が大きい機能だと考えています。

Q.互換で遊ぶと動きがガタガタになったりするのでは?

初期はそういう作品も実際にありました(具体的には最初期の「Halo Reach」)。ただ、その後互換機能がどんどん改良され、現在ではおそらく全ての作品に関して、Xbox360実機より高品質な状態で遊べるようになっていますし、当初イマイチだった作品もアップデートで改善されています。

後方互換に伴った改善点は以下の通り。

  • フレームレートの向上・安定化(おそらく全作品対象)
  • 画面が裂けて見える描画エラー「テアリング」の解消(全作品対象)
  • ロード時間の短縮(※下記注参照)
  • 解像度向上などさらに踏み込んだ画質改善(一部作品をXbox One Xで互換した場合。詳細は後述)

昔遊んだことのあるお気に入りのゲームが、当時より良い状態で遊べる」というのも、Xbox One後方互換の魅力の1つです。

※ロード時間はストレージの影響が大きいため一概に言えませんが、標準HDDを使用した場合の検証をまとめると、ロード時間は概ね「Xbox360のディスク再生>>>Xbox360のHDD再生>通常型Xbox Oneの互換>Xbox One Xの互換」となるパターンが多いと思われます。高速のSSDなどを使うとさらに短縮可能。

たとえばこちらは「60fps上限の可変フレームレート」を採用した「Grand Theft Auto IV」のフレームレート比較動画。家庭用ゲーム機には負荷の重い作品で、上位機種のXbox One Xですらフレームレートが下がりますが、通常のXbox OneでもXbox360より高フレームレートで動いているのがわかると思います。

次は上位機種のXbox One X向けに「Xbox One X Enhancement」という画質向上処理を施された「Red Dead Redemption」の比較動画。本作をXbox One Xで遊ぶ場合、ネイティブ4K画質でのプレイが可能です(長いので、以下このような画質向上処理を加えられた互換作品のことを「X-Enhanced作品」と表記します)。ただ、X-Enhanced作品では、読み込むデータ量の増加により、Xbox One Xのロード時間が少し長くなる事例もあるようです。

最後に初代Xboxの「パンツァー・ドラグーン・オルタ」ですが、初代Xboxの互換対応作品は全てX-Enhancedで、まるで作り直されたかのように改良されており、とても2世代前のゲームには見えません。私は通常のXbox Oneでは試していないですが、動画を見る限り、通常のXbox Oneでもだいぶ綺麗になっているようですね。動画の7分くらいからの比較がわかりやすいです(左端のは実機ではなく、Xbox360の初代Xbox互換ですが)。

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