レター・デイ・オブカタストロフ2

みぐだしょ @yosidagumi2024

◎末法大破局（レター・デイ・オブ・カタストロフ）◎ #あむへ

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同じ日々が繰り返されていく。 だが繰り返すうちに同じ日など無かったと気づく。 最期の日に。

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『イントゥ・ザ・ヴァン・アレン・ベルト』

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新光皇暦2061年2月14日

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九姫市、最終反乱のあと統一政府とヒリングデーモンの抗争により御蓮群島は大きな被害を被ったがセイトカイなる勢力の非正規軍フリョウ達によって九姫市はいずれの勢力からも独立を保っていた。それには後ろ盾である村井研究所本部の力も大きいがフリョウは恐るべきアームヘッド 乗り達であった。

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セイトカイは独自に惑星外に脱出するための宇宙船を建造しており、後に宇宙生徒会なる惑星間国家を建国することになるがそれは別の物語である。九姫市は環状線によって他の地域と分けられており、その道路はレジェンド・フリョウ、蛮亜連の名を採ってバンアレン帯と呼ばれていた。

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バンアレン帯は卯月乗りの聖地であり、アームヘッド 不良達は一周100キロにもなる道のりを何度も周回している。そのため外部勢力がバンアレン帯を通過しようとする場合、卯月族の洗礼を受けることになる。無限の周回によって鍛えられた卯月は内部の魑魅魍魎達には及ばぬものの十分強力である。

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また一つの部隊が滅ぼされた。新興勢力仏陀寝巣禍である。超（スーパー）月帝に率いられた彼女らはバンアレン帯でも最速最強である。その恐るべきリーダースーパーゲッテイが告げた。『バレンタインが来たわよ！』遂に最強の不良を決める日が来たのだ。

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『最強の総長、礼三郎の彼女（ツレ）には最強の女（スケ）こそ相応しい』

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金の美しい髪と豊満、それにしなやかな筋肉。秋那である！『ティガーくん！礼三郎は居ないかしら！』誕生日を示す大メダルが胸に輝く秋那は肉体年齢が上になってしまった弟に尋ねた。『ええと、向こうにいますね』『サンキュウ』そう今日は誕生日なのだ。プレゼントを貰わねば！

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なぜか秋那の誕生日は皆の知るところらしく、学生時代は同級生や下級生から大量のチョコレートを貢がれたものだ。『ところであなたのプレゼントは？』その問いにティガーは眉を歪める。『セイントメシアアブソリュートオメガでいいすか？』今になってはジョークみたいなものだ。『ふん、まあいいわ』

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見つけた礼三郎はなぜかそわそわしており、秋那が声をかけると狼狽えた。『秋那さん……今は時間が無くてすいません。兄に呼ばれているんです』兄……兄とは……。礼三郎は謝りながら早足で去っていった。『なんか焦っていたわね……。おや？』なにかプルプルしたものが落ちている。

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『礼三郎、落し物かしら……』秋那はプルプルしたものを拾う。『ゲルゲルゲル……僕わるいスライムじゃないです……』『わ！』急にプルプルが喋ったため、というより喋ると思わず秋那はプルプルを落とした。『ゲル！？』プルプルは驚きのあまり叫んだ。『あ、ごめんね』秋那はプルプルを再び拾う。

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『あなたはだあれ？礼三郎くんの友達？』『……僕は巫女スライム、礼三郎とは喧嘩友達さ』そういえば紅葉ちゃんからスライム状の不良が居たと聞いたっけ。その類いであろうと秋那は認識した。『秋那さん』巫女スライムは言った。『力を貸して、この街が狙われている！』

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そう、スーパーゲッテイはタイムスリップ教団だったのだ！『ククク、礼三郎のツレになれば向こうは油断するという算段よ！』なんたる邪悪かつ完璧な計画か！『タイムスリップ・スケヒコ様、バレンタイン耐久レースの準備は整ってございます』この過酷なレースの勝利者が礼三郎にプロポーズできるのだ！

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恐るべきバレンタイン耐久レースは毎年開かれており不良のプロポーズの場となっている！バレンタイン一日をかけて行われるルール無用のアームヘッド レースであり、生き残った唯一の者が勝利者となる。『クククきっと礼三郎も油断するわね……。わたしのラウンズ 入りも確実視されるわ……』

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『お兄様、お久しぶりにございます』リーゼントを決め、不良ボタンをしめた学生服で礼儀正しい服装で礼三郎が挨拶した。対面するは2鬼の仁王めいた存在。すごいストロング達である！『息災であったか』頭巾とふんどしとピアスの礼一。『……敗けたな』タトゥーと傷の礼二が責める。『すみません』

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『あの程度の男（フユヒコ）に遅れをとるとはすべてストロングの名折れだ』怒りの風圧！実際居合わせたマナヒコは失禁！『よせ弟者、マナヒコちゃんがビビっているぞ』『兄者、かたじけぬ』『謝るならマナヒコちゃんにだぞ』『ごめーぬ』マナヒコはある時期から二人と暮らしているのだ。

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『しかし礼二くん、フユヒコ様は実際ラウンズ 。この者が負けるのもいたしか仕方ないんじゃない？』『マナヒコちゃんは優しいなあ……。だが礼三郎は最強になる宿命、……マナヒコちゃんにはサダヒコっていうとわかりやすいかな』『え？この人、サダヒコ様なんですか？』『まあこいつ次第だけど』

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『……礼三郎よ』礼一が話を仕切り直す。『おまえは実際強くなった。マッスルボディサットヴァたる我々の域に実際近い』『だが敗けた』礼二が口を挟む。『なにが足りぬと思う？』『心ですか？』『然り』礼一がマッスルポーズを決めた。『おまえはマッスル解脱をせねばならぬ、でなければ勝てぬ』

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マッスル解脱……。『筋肉を悟りしもの……マッスル如来である』礼二が補足する。『我々もまだ筋肉を悟る域には達しておらぬ。……無論サダヒコもだ』『……』『だからこそ、おまえに勝機がある』礼一はマッスルポーズを決めた。『自分自身を救うのだ！』『……自分自身を……救う……？』

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『おまえはまだサダヒコから世界を救おうと思っているのだ』礼一がマッスルポーズを決めた！『……そんな』礼三郎はそこまで大層な考えを持っているつもりではなかった。『はっきり言おう！世界は、いやすべての人はおまえの救いなど求めておらぬ！』礼一がマッスルポーズを決めた！