落語の知識ゼロのまま落語界に入っちゃった元暴走族総長 #激レアさん

今年真打に昇進した期待のイケメン落語家、瀧川鯉斗さんは、名古屋の暴走族「スペクター」の元12代目総長。

20年前、中学生だったコイトさんの地元名古屋ではまだ暴走族ブームだった。中でもコイトさんは知らない者はいないほどの伝説の総長。高校の入学式で先輩50人と喧嘩して退学。対立していた三河地方の暴走族の総長と尾張地方を代表してタイマンし百裂コイトアッパーで見事勝利。イケメン、182cmの高身長、喧嘩が強いということで知れ渡っていたコイトさんはバレンタインにはチョコを持った女子高生が突進してきてバイクはチョコだらけ。

伝説の総長として自由奔放で荒んだ生活が2年続いたある日、溜まっていた悪い仲間たちを見たコイトさんは「このままじゃダメー！」と突然気づいてしまった。
総長の肩書を捨て、付き合っていた彼女とも別れて18歳で上京。

上京してアルバイト先のレストランで皿洗いの日々を送っていたコイトさんだったが、ある日店内が暗くなりスポットライトが点灯しそこには座布団が一枚。コイトさんは「何が始まるんだコラァ！ バースデーかコラァ！」と思ったがオーナーが「落語だよ、せっかくだから見てこい」と言ってくれた。コイトさんは「RA・KU・GO？」と落語の存在すら知らなかった。

100人ほどの観客の中現れたのは小さなおじさん、なにやらボソボソとしゃべり始めて落語の本題に入る前の世間話「枕」が始まった。「おじさんの独り言が始まったぞコラァ！ これが落語なのかコラァ！」と困惑するコイトさんをよそに枕から流れるように本題「芝浜」が始まると「見えるぞコラァ！ ジジイの背中に背景が見えてくるぞコラァ！」と初めての落語にコイトさんは衝撃を受けた。居ても立っても居られなくなったコイトさんは打ち上げの席にいた落語家さんに「師匠！ 俺を弟子にしてくれぃ！」と言いに行った。師匠は「お前落語知ってるのか？ 新宿・浅草・池袋に寄席があるから一回見てこい」と言ってくれた。