ヨロシサン・エクスプレス #7
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ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
（あらすじ：NYに向かうヨロシンカンセン車内で行われた凄惨な殺人事件！ヤモト・コキとニンジャスレイヤーの活躍により犯人は特定され、爆発四散し解決！だがその直後、容疑者であったサクリリージとキャスケットは秘めたる目的をあらわにし、車掌らを殺して死体を武器に変え、ヤモトに襲いかかった）
2019-10-29 21:54:01
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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（そしてその混乱の中、推理の為に停車していたシンカンセンは再び走り出した！何故ならネザーキョウの騎馬軍団が惰弱なるシンカンセンに襲撃をかけてきたのである！今、イクサが始まる！）
2019-10-29 21:56:02
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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「惰弱！惰弱なりシンカンセン！」背中に幾つもの凶悪武器を背負い、剣闘士じみた腰布と鋼鉄ハーネスだけを身に着けた半裸、全身に凄まじいタトゥーを施したニンジャは、鉄格子じみた凶悪なフルメンポの奥で血走った目を見開き、ヨロシンカンセンを追う！「殿！我が武勲を見ませい！」 0
2019-10-29 21:57:21
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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彼の名はクワドリガ！タイクーンの覚えめでたきアケチ・シテンノが一人！ジゴクのチャリオットを操る完全戦士である！ヨロシンカンセン後部キャノンが撃ち込まれるが、見事な蛇行で悠然と回避、ますます速度をあげて追いすがる！「殿ーッ！惰弱列車を今まさに血肉屑の坩堝にいたしましょうぞーッ！」 0
2019-10-29 21:58:18
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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ダガガッ！ダガガッ！ダガガッ！ダガガダガガッ！砂塵を巻き上げ轟走するカラテ馬四頭立て戦車にニンジャカラテ騎兵が並走し、砂塵は倍の倍になる！「よいか！キャノン砲に注意せよ。惰弱文明にふさわしい屁っぴり鉄砲に過ぎぬが、当たればただでは済まぬ。貴様ら精鋭の命は値千金。命大事にせよ！」1
2019-10-29 22:02:30
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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「ハーッ！」「アリガタキシアワセ！」クワドリガの精鋭ニンジャ騎兵達は鞍の上で跪いて敬礼したのち、手綱を馬に打ち付けて加速させる。シテンノに仕える彼らはカラテの都ホンノウジで鍛えられた精兵であり、辺境地域でメイプル農民に威張り散らすばかりのサンシタとは練度が違う事を強調しておく！ 2
2019-10-29 22:05:48
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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「ヤア！」「ヤアーッ！」速度を上げて列車の左右に前進してゆく彼らを眺め、満足げに頷くクワドリガ。彼らとは入れ違いに、奇襲攻撃をかけた第一陣の者が速度を落とし、クワドリガの戦車に並んだ。赤い帯を締めたゲニンだ。即ち、ヒケシという兵種である。 3
2019-10-29 22:10:58
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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コトダマ適性が高いゲニンはヒケシの位を与えられる。禁止されたインターネットをダウジングで検知したり、お尋ね者を探し出したり、水晶球の超自然的通信網の構築に貢献する階級であった。「申し上げます！デスリモーラ＝サンのニンジャソウル反応無し。死亡されたものと判断致します！」「何！」 4
2019-10-29 22:14:25
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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クワドリガは腕組み姿勢のまま衝撃を受けた。そして、メンポの奥ではらはらと涙を流した。「デスリモーラ……デスリモーラ＝サンよ。貴様ほどの野伏が、こうも容易く討ち死にするとは、まこと戦場には魔が潜むもの」クワドリガ、武人であった。「だがそれは即ち、茶器回収未達成を意味する……！」 5
2019-10-29 22:18:07
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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ヒケシは目を伏せ、じっと指示を待つ。やがてクワドリガはカッと目を見開いた。「惰弱列車乗員鏖殺の方針を修正！茶器の回収を最優先とす！」「ハーッ！」「貴様は探知の精度を研ぎ澄ませよ！ニッタ・カタツキほどのアーティファクトともなれば、必ずその所在は知れる筈！ガンバレ！」「ハーッ！」 6
2019-10-29 22:22:23
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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ヒケシは馬に拍車を入れ、法螺貝を吹きながら騎兵を追いかけていった。ブオ、ブオウー！これは先程のクワドリガの指示をモールスじみたネザーキョウ信号に置き換えたものだ。「殿……今しばらくのご辛抱でございます。必ずやニッタを殿のもとへ持参致しますぞ！」KBAM！そこへヨロシキャノン発射！ 7
2019-10-29 22:25:19
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クワドリガは目を見開き、背負っていた得物のひとつ、投げ槍を投じる！「イヤーッ！」KA-BOOOM！槍はキャノン砲弾を貫き、命中前に爆散せしめた。爆風に突入し、空中の投げ槍を回収、何事もなく再びクワドリガは腕を組み直立する。無傷！「惰弱！惰弱！惰弱！惰弱！惰弱！」 8
2019-10-29 22:27:52
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「ヤアーッ！」「アイエエエ！」窓の外の騎兵がヤブサメ弓を向ける！ザックがしゃがみこんだ直後、矢がガラスを貫通し、室内の壁に突き刺さった。「アイエエエ！」ザックは悲鳴をあげる。コトブキが窓に走り、ショットガンの銃身でガラスを叩き割り、撃ち返した。BANG！「グワーッ！」ブルズアイ！ 10
2019-10-29 22:32:27
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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「姉ちゃん、それはショットガン！？」ザックが驚いた。コトブキはショットガンをポンプし、「そうです」と頷いた。スーツケースにしまってある武器である。「ザック＝サンは安全を確保してください！」「わ……わかったよ！」ザックは机の下に匍匐！コトブキは第二射！BANG！ 11
2019-10-29 22:34:29
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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「グワーッ！」次の騎兵が肩を撃ち抜かれて落馬し、転がっていった。コトブキは高度な演算能力を駆使する。油断ならぬ弾道計算によって、馬上のゲニンには相当危険な射手であった。「状況はどうなっているのでしょう……タキ＝サン！タキ＝サン！」『どうした！さっきからコールうるせェな！』12
2019-10-29 22:38:20
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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「ようやくつながりましたね！タキ＝サン、シンカンセンがネザーキョウの攻撃を受けているのです」『何だと？』「わたし、思ったのですけど、シンカンセンのシステムをハックして、最適行動を指示してくれませんか？」『何だと！？』「わたしが車内端末を見つけて、ソーシャル接続しますから！」 13
2019-10-29 22:41:04
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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『急すぎるぞ！いきなりすぎる。なんでそんな事に！？平和な旅を楽しんでるんじゃなかったのか？』「色々あったのです」『ニンジャスレイヤー＝サンはどこ行った！』「今は別行動をしています。車内でニンジャと戦っています！」『ああ、ニンジャとね。もういい、わかった。端末に繋げ』「ハイ！」 14
2019-10-29 22:44:09
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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コトブキは更にショットガン射撃を数度行い、牽制したのち、ドアに走った。ザックが匍匐前進でついてきた。「俺も行く！独りじゃヤバ過ぎる」「そうですね！」コトブキはザックを伴い、廊下に出た。「タスケテーッ！」パニック状態で廊下の窓を割り、飛び降りる客がいきなり目に入った。 15
2019-10-29 22:50:25
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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「ヤバいぜ！」ザックは地面をバウンドする無惨な客を目で追った。「何という事でしょう……！」コトブキは呆気にとられたが、廊下の一角、消火器等が設置されたスペースに、それらしきLANソケットを見つけ出し、素早くケーブルで自身と直結した。「タキ＝サン、お願いします0100101」 16
2019-10-29 22:53:15
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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たちまちコトブキは白目を剥き、そののち「接続」という漢字が瞳に表示された。「こんな風になるんだ。スゲエ」ザックは息を呑んだ。そこへ廊下を先頭車両側から走ってきたのは……サガサマである。「ああ！お二人！ひとまず無事で良かった」「サラリマンのオッサン！い、今どうなってる？」 17
2019-10-29 22:56:22
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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「激しい、あまりにも激しい戦いです」サガサマは身震いする。つまり、彼は食堂車から走ってきたのである。「現時点では、私の介入する余地のない戦闘ゆえに、ひとまずシツレイして、貴方がたを優先しました。どうかご注意を……」彼の話を後押しするように、窓の外からヤブサメが弓攻撃！ 18
2019-10-29 23:01:26
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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サガサマは飛来した矢の柄を掴んで止め、ザックを守る。サガサマはひきつった笑いを浮かべていたが、それは極度の緊張から来るものだ。「なんというケオス。ネザーキョウまで……。私の許容可能な状況をとうに越えてしまいました。坊や、私はね……」「しっかりしてくれよ！アンタ一番大人なんだ」 19
2019-10-29 23:05:24