芝村裕吏さんによる、泣かせるシナリオ講座/議論と論争と無意味
こんばんは!お話を作る上で、「泣き」の展開に持っていくためのテクニックやコツはあるでしょうか。自分では読み返してしんみりとするのですが、ただ話に酔っているような気がしなくもなく……。もしよければ、教えていただければ嬉しいです。 ですか。
2011-05-31 02:12:28泣かせるというのは一言で言いますが、実際は、 けなげで泣かせる。 悲哀という意味で泣かせる。 感動的な展開で泣かせるなど、 いろいろあります。それをまず把握しないと、うまいことできないですね。 しんみりという話ですので、ここでは喪失の悲しみとしてご説明します。
2011-05-31 02:15:00喪失の悲しみは、失ったことを悲しませる、泣かせる構造でして、ポイントは大事に描く、楽しく描くことです。 で、それを奪う。奪うからこそ、喪失の悲しみが沸き上がります。 一方で、言い方かえると重要な人物なりなんなりをお話は失ってしまうわけで、それゆえバランスが難しいとされます。
2011-05-31 02:18:02すごいかわいい幼なじみが全十巻構成の2巻で死んじゃうとかだと、その後いつまでも死をひっぱりますし、逆に8巻で死ぬと、テーマが喪失にならなかったりします。そう言う意味でバランスが難しいんですね。
2011-05-31 02:19:54ではどうするか。 まあ、ここ最近の私への質問だと、ノベルゲームシナリオや、ライトノベル系での質問がおおいと思いますので、それに沿った実例をすぐ思い浮かべる戦術をお教えします。
2011-05-31 02:21:16この種の解決法でうまいのは、喪失を予言してみせることで、喪失がテーマであることを常に念頭におかせることです。 妹やら博士やらが死ぬ前提から話が始まるパターンですね。
2011-05-31 02:23:02さらに相性がいい、泣かせるタイプとして、けなげで泣かせるストーリータイプがあります。 けなげな妹が死を予告されたうえで、主人公と楽しい日々をおくる・・・ 傑作や売れ線は、このようにうまいことと構造化してあるんですね。
2011-05-31 02:24:38けなげタイプ+喪失の悲しみ+予告。 八割の段階で死(あるいは終わり)。 ゲームならそれを取り返す分岐もある。こんな感じですね。 さらに最近ならループ展開にして繰り返すという伏線回収型展開で勝負するでしょう。
2011-05-31 02:26:25執筆でのポイントはまとめると以下の通りです。 A.喪失を描くためには楽しいことをかく。 B.とはいえ楽しいことばかりではテーマが喪失ではなくなる。 C.そこで喪失を予告する。 D.相性がいいのはけなげタイプ
2011-05-31 02:31:5050くらいの年齢のすてきなおじさんが、サイドカー付きハーレーダビットソンで大きな犬を乗せて走っている。 おじさんは海岸で夏休みで田舎にきた少年と出会い、おじさんは少年に空手を教える。 時に斜陽の日本国。宇宙開発の中止とテロの頻発がラジオで流れている。
2011-05-31 02:36:45おじさんは頻繁に特殊な病院にいっている。 若いころの無茶のせいで、定期的に病院にいかないと、壊れるという。 少年は空手を学びながら、自然を見て、きれいな星空を見る。 夢はなにかと問われて、宇宙飛行士といい、おじさんは少し悲しそうに笑う。
2011-05-31 02:39:068月が終わりになって、少年は種子島を離れるための別れのあいさつをしようとするが、これは叶わぬことになる。 約束の時間でもおじさんはまもらず、少年は失意で水上バスに乗る。ラジオニュースでは5種類の腕を持つ仮面ライダーが30年ぶりに現れたとがなりたてていた。
2011-05-31 02:43:50ネタを知ってる人々の叫びが聞こえますが、重要なところはそこではなく、楽しいところをきちんとたのしく描けば、あるいは喪失の予告をきちんと丁寧にやると、品質があがるというところです。その辺に留意して、ちゃんと膨らませていきましょう。
2011-05-31 02:46:56誰かが何かについて議論しているとヒートアップしてきて論題からずれる、更には相手の思考否定にまで発展していることがよく見受けられるのですが、スマートな議論を進めていくためには何が必要だと思われますか? ですか。
2011-06-01 07:46:13スマートな議論をするために必要なのは冷静で中立的で、煮詰まったらチャンネルを変え、双方のいたいところを毎度的確にきいてくる議長/司会の存在ですね。
2011-06-01 07:48:37司会不在、あるいは司会力の弱い議論というのは、議論の本質である意見を戦わせる事が難しくなります。 (単なる観客の取り合いになります)
2011-06-01 07:52:49意見そのものは、本質的にはどれが正しいとかはなく、よって立つ立場できまります。泥棒はいけませんは、泥棒の正しい意見ではないわけです。 その上で意見を戦わせるのは、立場が違うからしょうがないよね。ではなく、立場を越えて意見を統一をはかろうとするからです。
2011-06-01 07:54:07議論は、ディベート(論争)ならずです。 何が正しいかを決めるのではなく、意見を戦いあわせ、最終的にはぎりぎりの統一見解を目指すものです。 議論といいながら論争してる。日本ではよくありますが、不毛な話だと思います。
2011-06-01 07:57:29国際政治のニュースでは、議論して最期に統一声明や見解、議長声明だしているでしょう。 あれが議論です。 一方で学者同士が白黒目指して争う、あれが論争です。 その上で、国内政治で、一方的に互いの悪口いっている。あれが無意味です。
2011-06-01 08:01:16議論を目指すなら、最低でも統一声明や統一見解、 一番悪くても議長声明を目指さないといけません。 それらが出ない議論は、議論とは言えない。 というわけです。 以上 説明終わり。
2011-06-01 08:06:16