プロジェクトXの首都高の回の決め文句「空中作戦」は、本当は言っていなかった
土木学会のイベント「土木コレクション2019」での講演会「どぼくカフェ」終了後に講師に個別にお尋ねしたところ、首都高の開通に係る「空中作戦」は、プロジェクトXでNHKが作った話で、実際にはそんな事は言っていないとの事だった。そもそもオリンピック決定前にルートは決まっており事実とも異なると
2019-11-18 00:53:48プロジェクトXは、現場の技術者には励みになる面もあるが、分かりやすく漫画的に描くことで事実と異なる話が広がる困った面もあると。 で、「首都高の空中作戦」は後者であると。
2019-11-18 00:56:30「空中作戦」は、プロジェクトXの造語で、中身も実際とは異なるにもかかわらず、よりによって #土木学会 の「東海道新幹線と首都高1964東京オリンピックに始まる50年の軌跡」の「土木学会顧問・首都高元社長」のところに「空中作戦」という言葉が使われたのは遺憾であるとも講師はおっしゃっていた。 pic.twitter.com/lM7pg2E7Iz
2019-11-18 08:37:42そして、「土木コレクション2019」における「どぼくカフェ」で、他の講師が「空中作戦」と言ったことにも憤慨されていた。
2019-11-18 08:42:29「どぼくカフェ」講師が、「実際にはそんなことは言っていないし、中身も事実とは異なる」と指摘した、NHKのプロジェクトXの内容はこちら。 pic.twitter.com/MnXGLJJThS
2019-11-18 08:49:53プロジェクトXの造語である「空中作戦」にひっかかった方は沢山いらっしゃって、学者にもそんな方が。 「東京の都市計画家 高山英華」東 秀紀(首都大元教授) 今にも見てきたような臨場感だが実際とは異なると。 でもこの方「建築史家」を名乗り、出版社も「鹿島出版」なんですけどね。。。 pic.twitter.com/RY1VzujtkS
2019-11-18 08:58:29「首都高研究家」の清水草一氏の「首都高の謎」にも「空中作戦」が出てくる。 「空中作戦」と呼んだのは、世間ではなく、NHKだったんですけどね。。 pic.twitter.com/DilZfFGjhl
2019-11-18 09:06:22最近でいけば、「昭和の東京12の貌」(文春新書)において、古市憲寿氏が「空中作戦」を使っていますな。 げにおそろしきプロジェクトXのフェイク。。。 pic.twitter.com/8X4geIY51q
2019-11-18 09:15:03「じゃあ、首都高成立の経緯は何が正しいんだよ」とおっしゃる方には、これがお勧め。 iss.ndl.go.jp/books/R1000000… pic.twitter.com/j0jJ41RDts
2019-11-18 09:22:25「どぼくカフェ」講師の方は、フジテレビのアンビリーバボ―の首都高の回についても「話はプロジェクトXの丸写しで、更に空中作戦に加えて地中作戦、水中作戦まで作って。。。」とお嘆きであった。 kakuyodo.cocolog-nifty.com/blog/2018/04/p… pic.twitter.com/Ap0AbUFtk7
2019-11-18 12:32:41これは、1958(昭和33)年4月4日付の朝日新聞で、オリンピック決定の約1年前のものだけど、現在のルートで川の上を通ると書いてある。 「オリンピックが決まったので急遽間に合わせるための空中作戦」が本当ならこんな記事が載るわけないんだよなあ。 プロジェクトXの悪影響は大きい。 pic.twitter.com/o5rh6tlaDz
2019-11-18 23:45:13古市憲寿氏の「東京五輪“負の遺産” 首都高とモノレール 五輪に間に合わせた急ごしらえの代償」については、首都高だけでなく、東海道新幹線の経緯等についても色々と思うところがあったのでこんなブログを書いていますのでご参考まで kakuyodo.cocolog-nifty.com/blog/2019/08/p…
2019-11-18 12:19:38@Tuny1028 反論は幾らでも御受けしますが、そもそも、河川等を活用する方針を建設省が出したのが昭和32年で、年内に今の路線の原型が決まり、都市計画決定の手続き自体は昭和33年に始まって、オリンピックが決定したのが昭和34年となっており、プロジェクトXの決定経緯のストーリー自体が有り得ないんですよね。
2019-11-18 14:16:51「空中作戦」で検索していたら、違う毛色の話も出てきたので、あわせてどうぞ。
これ色んな話がチャンポンになってるな。 少なくともオリンピックは関係ないんだけど。 twitter.com/shu_yamamura/s…
2019-11-18 13:32:28「下にビルを抱え込んだ高速道路」というのは、実は当初からあった案で、むしろ相当区間でこの方式で採用する計画だった。東京オリンピック前の突貫工事で、川の上を橋桁で飛ばすという「空中作戦」に転換したらしい。もしオリンピックがなかったら、東京中の高速道路が「ビル型」だったかもしれない。
2017-09-28 18:41:21首都高が川の上等の不要地を通る方針になった後も、可能なところは高架下に建築をする方向だったのだが、ちょうど国鉄のガード下の貸付が乱脈になって社会問題になっており、建設省が道路の高架下への建築は抑制することになったのだな。しかし今でも2号線等の一部に建物はある。 pic.twitter.com/Jt6XN0TfIK
2019-11-18 14:30:21「下にビルを抱え込んだ高速道路」というのは、実は当初からあった案で、むしろ相当区間でこの方式で採用する計画だった。東京オリンピック前の突貫工事で、川の上を橋桁で飛ばすという「空中作戦」に転換したらしい。もしオリンピックがなかったら、東京中の高速道路が「ビル型」だったかもしれない。
2017-09-28 18:41:21@shu_yamamura 昔のツイートに横から失礼しますが、気になったので整理させてください。 まず昭和28年1月6日付の毎日 今の首都高と大きくルートが違う 「高架の下は倉庫、事務所、商店、住宅などに利用」 pic.twitter.com/916sWwFnvw
2019-11-18 22:44:38@shu_yamamura 首都高が河川の上を通るルートになったのはオリンピックのための空中作戦というのはプロジェクトXが振りまいた嘘で、昭和32年に既に方針が決められていた。 記事は昭和32年9月29日付の読売 pic.twitter.com/Q865Q3vCD7
2019-11-18 22:49:24@shu_yamamura こちらは、昭和34年の資料 現在の河川を活用するルートになっても、民地の上を通る場合は、首都高の高架下を住宅、店舗等に活用する計画が示されている。 このため もしオリンピックがなかったら、東京中の高速道路が「ビル型」だったかもしれない。 というツイートは失当かと。 pic.twitter.com/TzRFCw5mXd
2019-11-18 23:21:47@shu_yamamura 現在の首都高の路線は、オリンピック決定(昭和34年)の前に、昭和32年段階でほぼ決定していたことが分かる。(オリンピックのための空中作戦ではない) pic.twitter.com/SYvNwxJZVi
2019-11-18 23:14:28@shu_yamamura では、なぜ首都高の高架下をビルに利用しなかったかというと、一因としては、当時国鉄のガード下利権が大きな政治問題にまでなっていたことがあげられると思われる。 pic.twitter.com/jTjETeLdKu
2019-11-18 23:28:30@shu_yamamura これは私の推測も含むものだが、こういった世間の流れを受けて、建設省が道路の高架下を抑制する方針を出したものではないか? 新聞記事は昭和40年8月29日付朝日 pic.twitter.com/XJXlvekngq
2019-11-19 00:03:29@shu_yamamura 実際には首都高の高架下に道路と一体的に整備された店舗は麻布や池袋周辺に限定的に存在する。 これは、道路の建設に伴い立ち退きを円滑に進めるために限定的に設けられたものだ。 pic.twitter.com/DuOgifggCp
2019-11-19 00:08:07